部長ブログ@箕面市役所

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新しい市民文化ホールの構想

2017年08月02日 | 地域創造部

皆さまこんにちは。
地域創造部長の小野啓輔です。

昔ばなしを、ひとつ。

今から約30年前、昭和60(1985)年頃の箕面市役所で、
総合計画に基づき、市民ニーズの高い文化ホール、学習センター、図書館の
複合施設を新設しようという一大プロジェクトがありました。
その頃は、市制施行30周年も記念して、
「(仮称)コミュニティプラザ構想」と呼ばれていました。
当時私は、この構想推進チームのメンバーとして関わりました。
まだ、20代の若手、紅顔の美少年時代です。

1980年代といえば、ちょうど関西を発信地として、
全国的な「小劇場ブーム」の大きなうねりの真っ最中で、
演劇界に多彩な才能が花開いた時期でもありました。

関東では、野田秀樹さん率いる「夢の遊眠社」、
鴻上尚史さん率いる「第三舞台」、
作・演出を全員で行う女性だけの「劇団・青い鳥」などが注目され、
大阪では、いのうえひでのりさん率いる「劇団☆新感線」、
内藤裕敬さん率いる「南河内万歳一座」、
辰巳琢郎さんや生瀬勝久さんらの「そとばこまち」、
知る人ぞ知る「幻視行」「第2劇場」「ちゃかぽこ調書」なども大活躍しました。

また、それら小劇場の活動の場も、
梅田阪急ファイブ8階の「オレンジルーム」(現在のHEP HALL)、
大阪ガスが倉庫を改造した「扇町ミュージアムスエア」、
上本町の「近鉄劇場・近鉄小劇場」(現在の新歌舞伎座)など、
魅力的な多くの館がオープンしました。
特にオレンジルームのオレンジ演劇祭は、学生演劇の一大拠点ともなり、
舞台と客席がかなり近いこともあり(たしか椅子もなく地べたで観てた)、
お客さんも劇団員たちも一体となって高揚し興奮する
熱いエネルギーがみなぎっていました。

当時の私は、こうしたムーブメントの影響を受けながら、
「劇団四季は、上演する演目に合わせて劇場を作った」とか、
「多目的ホールは無目的」とか、
「演劇ホールの舞台の袖と上空は、舞台と同じ大きさが必要」とか、
あちこちのホールで仕入れた聞きかじりの知識を武器に、
プロジェクトチームで奮闘していました。
またチームには、エレキギターの名手で箕面市音楽協会の設立にも関わった
社会教育課の職員や、司書の枠を超えて活躍する図書館職員などもいて、
お互い切磋琢磨、侃々諤々しながら、全体の基本構想をまとめ、
設計コンペ、建築、備品、運営など、あまたの専門家に
果敢にアタックしていった若き日々を思い出します。
これが実は現在の
メイプルホール、中央生涯学習センター、中央図書館です。

あれから30年。巡る巡るよ時代は巡る。
今度は、市民会館グリーンホールを(仮称)箕面船場駅前に移転・建替える
プロジェクトが、4年前から発足しています。
そこに今年4月、私が地域創造部長として異動でやってきたのです。

今日のテーマは、新しい文化ホールのお話です。


●市民文化ホール検討特命チーム

箕面市には、演劇、音楽などの舞台芸術分野の拠点として、
グリーンホール(箕面市立市民会館)とメイプルホールがあります。
本市における文化振興において、それぞれ違った役割を担い、この二館で
文化芸術の「鑑賞」と「参加」の両翼を実現する「二館体制」を執っています。

メイプルホールは、昭和63(1988)年に開設し、501席の中規模ホールと、
100席規模の小ホールを備え、市民による演劇やダンス発表など、
「文化芸術への参加機会の提供」の場と位置付けています。
また、リハーサル室等を備え、生涯学習活動との円滑な連携を促すため、
生涯学習センター・図書館との複合施設として整備されており、
芸術表現の発露の場として多くの市民に利用されています。

一方、グリーンホールは、昭和41(1966)年に開設し、より多くの観客を集客できる
988席の座席数で、「文化芸術の鑑賞機会の提供」を担い、
音楽会や演劇など本格的な舞台芸術の上演や、大規模の催しを行ってきました。
しかしながら、竣工以来、約半世紀が経過し、近年においては、設備の老朽化・
機能の陳腐化等により、本格的な舞台芸術に対応する施設機能を満たして
おらず、稼働率の低さ、中部・東部地域からのアクセス性の問題など、
課題が山積していました。

このため箕面市では、平成25(2013) 年11 月に「市民文化ホール検討特命チーム」を
発足し、グリーンホールにとって、利用者にとって、そして
ホールの維持運営費用を税負担する全市民にとって、最良の方策を選び取るため、
ホールの今後のあり方について検討を重ねてきました。

 


●グリーンホールの課題と解決策

グリーンホール施設全体の延床面積は、約4,234㎡、
ホール棟(約2,927㎡)と会館棟(約1,307㎡)に分かれています。
ホール棟には988席の大ホール、ホワイエ、
会館棟には5つの会議室、2つの和室が整備されています。
阪急牧落駅から徒歩10分の西部地域に立地し、15台の専用駐車場があります。
市民文化ホール検討特命チームは、グリーンホールの課題として、
1.耐震・バリアフリー対策が不十分、2.施設の老朽化、設備機能の陳腐化、
3.ホール機能が不十分、4.駐車台数の不足とアクセス性の悪さ
などを分析整理しました。
また、課題に対する解決策として、「(1)既存ホールの大規模改修案」
「(2)現地での建替え案」「(3)移転して建替え案」の3つの選択肢を比較検討しました。
以下にその検討の要旨を整理します。
 
(1)既存ホールの大規模改修案

耐震・バリアフリー、老朽化・陳腐化等の対策として、
現在の大ホールを大規模改修する費用は、約10億円と想定されます。
このうち最大50%の国費補助を充てると、市の負担額は約5億円です。
また、平成48(2036)年までの今後23年間(建物の寿命を70年と仮定)の
維持保全費用の約12億円とあわせて、約17億円が必要と見込まれます。
しかし、大規模改修案は、
客席に現行基準適合の避難通路幅を確保した上で、標準サイズの椅子を設置した
  場合には、席数が988 席から850 席に減少する。
舞台の大幅な拡張を行うには建物の構造体の変更が伴うため物理的に無理で、
  本格的な舞台芸術に対応できるだけのホール機能の抜本的な向上は不可能。
日影規制(建築基準法56条の2)や付置義務駐車場(箕面市まちづくり推進条例
  18 条5号)など、施設全体に係る「既存不適格」が、なお存在し続けることとなる。
今回、大規模改修をしたとしても、建設から約50年以上が経過しているため、
  近い将来には建物寿命を迎え、建替えの議論が必要となる。
など、対応できない課題が多い案と言えます。

(2)現地での建替え案

グリーンホールは、日影規制について「既存不適格」で、現地で建替えを行うと、
  現在より敷地の南側へ16m以上建物を寄せなければならず、その場合、
  建物の規模を縮小しおよそ500席規模のホールしか整備できなくなる。
駐車場は18台が限度で、付置義務駐車場の基準に適合する駐車台数(31台)を
  確保することができない。
よって、現地における建替えは、不可能であると判断します。

(3)移転して建替え案

同種同規模のホールを、移転により建替える場合の費用を試算すると、
建築費は、延床面積を5,000㎡と想定し、他市の事例を参考に単価55万円/㎡として、
約27.5億円と想定されます。このうち、最大50%の国費補助を充てると、
市の負担額は約13.8億円です。
また、比較のため、平成48(2036)年までの維持保全費用を試算すると、
約5億円程度と見込まれます。
これと建築費の市負担額を合わせれば、約19億円となります。

この案は、他の土地に新たに同規模のホールを整備するもので、すべての法的規制を
クリアする前提で移転候補地を選定するため、建築規制など外的条件について
実現可能性を損なう要因はなく、ホール機能及びアクセス性等の課題解決も可能です。

よって、本市の文化芸術におけるグリーンホールの果たすべき役割を今後もしっかりと
担っていくためには、「移転による建替え案」が最も有効な選択肢と考えられます。
なお会館棟は、会議室の稼働率も高く、バリアフリー対策として
エレベータ設置も行ったところであるため、
移転建替えを検討する対象はグリーンホールのうちホール棟のみとし、
会館棟については引き続き活用していくことが望ましいと考えます。

さらに、移転候補地については、市内の24カ所を比較検討し、周辺環境、用途地域、
利用者の利便性、景観、アクセス性、地域バランス等の観点から、
最終的に「(仮称)箕面船場駅周辺地」が優先順位第1位と決定しました。

以上が、市民文化ホール検討特命チームによる結論です。

詳しくは、平成26(2014)年1月6日の「政策決定会議資料」を参照してください。



●運営管理予定事業者の決定

新しい市民文化ホールの予定地は、北大阪急行線の延伸に伴い新設される
「(仮称)箕面船場駅」のすぐ前です。
同駅前では、大阪大学箕面キャンパスの移転も予定されており、
周辺地域が芸術、文化、学術、国際色豊かな地域となることが期待されます。

市民文化ホールは、交通アクセスが抜群に良い立地を活かして、
箕面市民だけでなく市外からも広く集客できるエリアの核施設として、
1400席程度の大ホールと、300席程度の小ホールを想定しています。
また大阪大学と協働した新たな図書館や、会議室や音楽スタジオなどの文化交流機能
も併設する構想で、市民に開かれた「知の拠点」創出をめざしています。

 

なお、従来から、公共施設を新設する場合は、設計→建設→運営管理の順に、
それぞれ個別に発注し整備されてきました。
また、施設を設計・建設してから運営者を決めるケースがほとんどでした。
このため、設計段階で運営者の意向が反映されず、利用者のとって使い勝手が悪く、
また、運営者のスキルを十分に発揮できない施設となる懸念がありました。
さらに、文化ホールの経営は、そもそもかなり特別なノウハウを必要とし、
公共ホールは一般的に赤字の例が多く、
新築する場合においては、積極的に民間のノウハウの活用を図り、
稼働率を向上させ、採算性が確保できる仕組みを検討する必要があります。

そこで、今回の新しい文化ホールの整備に当たっては、設計よりも前に、
まず運営予定者を公募して決定し、その運営予定者の意見や実績・知見を
取り入れながら設計・建設を行うという新しい方式を採用しました。
これにより、利用者にとって使い勝手が良く、運営者のスキルやノウハウが
十分に発揮できるように、設計・建設を進めていくことが可能となります。

 

また、新しい市民文化ホールを多角的な観点から検討するため、
音楽演奏家や演劇・芸能関係者、芸術・舞台プロデユ-サー等、
多様な分野の専門家や市民委員さんなど、委員10名による
「箕面市新文化ホール整備審議会」を設置し、活発に議論いただいています。

新文化ホールの運営予定者の募集に際しても、
この審議会のご意見に基づき、コンセプトを次のように決定しました。


      箕面。自然豊かな 心躍る 関西有数の文化芸能都市

   アクセスの良さで日本全国から人々が集い、未来へとつながる

             人に優しい劇場日本一を目指して

              このホールから芸術は創られる

さらに、集客力の高い様々なコンテンツの誘致、若手アーティストの育成や
市民との連携、市民による小ホールの積極的な活用、収支計画の黒字もしくは
赤字の抑制、サービスレベルの高さと徹底した安全管理体制、周辺施設や地域との
つながり等、特に期待していることを具体的に明らかにし、公募を行いました。

 

公募の結果、7者から67件の問い合わせがあり、最終的に2者から正式に
応募がありました。審議会委員や経営、建築の専門家も加えた
候補者検討会議」においてプレゼンテーションや提案書等の吟味を行い、
「株式会社キョードーファクトリー」が高い評価を得て選定されました。
この「株式会社キョードーファクトリー」は、かつてビートルズの日本公演を実現した、
伝統ある「キョードー東京グループ」の一員です。
候補者検討会議の全員に高い評価を得たのは、次の諸点です。

*株式会社キョードーファクトリーの提案は、非常に意欲的かつ斬新な内容で、
  市が期待する項目について、高いレベルで合致していたこと。
*特に収支計画については、市からの指定管理料の支払いを前提とする従来型の
  考えから脱却し、市に対して納付金を支払う提案となっていたこと。
*公共施設の運営を担う立場から、パブリックサービスや文化サービスの あり方、
  市民及び地域の文化活動団体等との連携を見据えつつ、採算性を高めるため、
  これまで培った年間1800本を超える多種多様な公演の実績や集客力の高さ、
  ネットワークをフル稼働して、新しいビジネスモデルを構築しようとする意気込みに
  満ち、かつバランスのとれた提案内容となっていること。
*文化芸術の観点だけでなく、まちづくりの観点、賑わい創出の拠点としての
  新文化ホールの役割についても、周辺環境や地元企業との連携を視野に入れて
  提案されていること

なお、株式会社キョードー東京及びキョードーファクトリーが
運営管理している公共ホールは、次のとおりです。
  *シアター1010(東京都足立区):総席数701席
  *かつしかシンフォニーヒルズ(東京都葛飾区)
     :モーツァルトホール総席数1,318席/アイリスホール総席数298席
  *かめありリリオホール(東京都葛飾区):総席数 固定席610席+立ち見席30席
  *三次市民ホールきりり(広島県三次市):総席数1,006席
  *南陽市文化会館(山形県南陽市)舞台業務
     :大ホール 総席数1,403席/小ホール 収容人数500名

今後、箕面市新文化ホール整備審議会で、運営予定者の知見も最大限に
活かしながら、新文化ホールの整備内容をさらに検討し、
設計・建設企業を募集していきます。
なお、新文化ホールの整備・運営管理は、文化交流施設や地下駐車場とともに、
民間の資金とノウハウを活用し良質な公共サービスの提供を期待できる
PFI手法を視野に入れています。

そのため、今年7 月に、「(仮称)箕面船場駅前地区まちづくり拠点施設整備
運営事業(PFI事業)」の実施方針
を公表しました。

その場合は、整備等予定事業者を選定した後、
新文化ホール運営者と整備等予定事業者が一体のSPC(特別目的会社)を設立し、
整備、運営管理に関する契約を一括して市と締結し、
指定管理者として指定する流れとなる予定です。

こういった構想の企画・立案から資料づくり、関係機関調整、推進など、
すべての業務を、地域創造部と教育委員会の若手職員達が、ほんとに
昼夜を問わず、労をいとわず、一生懸命取り組んでくれています。
巡り巡ってきた私は、もう実務には直接タッチしない立場になりました。
自分の若い頃を密かに思い出しながら、若手職員達の奮闘ぶりを、
頼もしく嬉しく見守っています。
きっと、すばらしい文化ホールが誕生することを確信し、
オープンが予定されている平成33(2021)年の春を、待ち遠しく思います。

統一キャンペーン

ゆるキャラ(R)グランプリ2017」が8月1日(火曜日)にスタートしました。市では11月10日(金曜日)の投票期間終了までの間、「滝ノ道ゆずる」を応援する統一キャンペーンを展開中です。

滝ノ道ゆずるは、6年連続で大阪1位を獲得しており、有名企業とコラボしたり、数々のイベントに参加したりと活躍の場を広げています。箕面市を広くPRするため、グランプリでの日本一を目指していますので、市民のみなさまの投票、応援をよろしくお願いします。

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