スタッフ 制作日記

芸術監督西本智実とイルミナート
による舞台の制作日記です

ヴァチカン国際音楽祭2016  合唱参加メンバーより その3

2017年02月06日 | 演奏会

初めてヴァチカン合唱団に、ご夫妻で参加の方です。

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サンピエトロ大聖堂で歌わせていただいて

冬を迎えたローマ。二人で訪れるのは十年ぶりだ。

真っ青な空にくっきりと弧を描いて浮かび上がる大きなクーポラ。

この下で歌えるのかと思うと、自分たちの幸運とマエストロのお導きに、

そのまま天に行ってしまいそうな気分だった。

もちろん罪深いわれらを迎え入れてくださるはずもないが。

 

初めての舞台である。

眠れない夜を過ごした朝、いざという時法王が逃げるのに使ったという『秘密の通路』も見た。

まったく秘密でも何でもない姿がサンタンジェロ城の足許までつながっていたのがちょっとおかしかった。

 

そんなこんなで気分をほぐしながら、昔はなかった厳重な身体検査検問をくぐりぬけると、

一般の観光客とは違うルートを通ってバチカン『市国』を通る。

ミケランジェロがデザインしたと言われる制服に身を包んだスイスの傭兵が仲間のように思える。

バチカン放送局の中継車も来ている。まるでこの国の住民になった気分だ。

 

と、こんなミーハーなことを書くと“緊張感がない”とお叱りを受けそうだが、

いやいや、本番を控えて心臓が口から飛び出しそうになるのを必死に飲み込みながらの観察だったということでお許し願おう。

 

教皇アレクサンドロ7世の墓碑の下にある扉をくぐっての入場。

ガイコツの足がぶら下がっているようでちょっとブキミ。

まったく、本番直前の人を不安にさせる舞台装置にこと欠かないところだ。

 

後陣に入れた。

厳しくも暖かい辻先生のご指導は本番直前まで続き、緊張感がますます高まる。

 

午前中気分転換にと訪れたサンタンジェロ城のテラスから見た、あの大聖堂の下に今こうして立っている。

緊張しないわけがない。

回りの皆さんが意外にも和やかな雰囲気なのが信じられない。

付き合いで笑ってはいたが、心中はコチコチである。

 

実は着いてすぐに配られた立派な冊子で知ったのだが、

我々の演奏がなんと今年のヴァチカン音楽祭のトッププログラムだった。

文字通り皮切り、幕開けを担うと知った。

これもマエストロのおかげだ。

なんだか西方浄土に来てしまったみたいだ、宗旨が違うけれど。

 

さて、肝心の演奏。

不覚にも何も覚えていない。

それでも辻先生と上月さんがうしろに位置して美しい声で歌っておられたこと、

時々前列の陰にはなってしまったけれど、

髪を流しながら(敢えて『振り乱し』とは言わずにおこう)

的確に指揮されているマエストロの姿だけは鮮明に覚えている。

 

正直に言うと、

前日のサンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会でのリハーサルでは、

オケもよく聞き取れないし、他パートがどこを歌っているのかさえもよくわからない始末だった。

大空間を満たした音たちが、それぞれ自由に飛び回り、やがて好みの場所を見つけるまでに5秒近くかかっていたからだ。

日本のホールでは想像もできない残響の威力である。

翌日の本番が怖い気持ちになったことをはにかみながら告白しておこう。

 

そうか、サンピエトロ大聖堂でも、他パートの音と合わせると言うより、

マエストロの棒に向かって必死に自分の仕事をしていたから、結果的に何も覚えていないのかもしれない。

前日のリハがなかったらどうなっただろうと思うと、

運営の皆さんが作ってくれたスケジュール・舞台設定に感謝の言葉もない。

 

翌日のサンパオロ大聖堂での第九は、

本番までに時間の余裕があったこともあり、

また、巨大ホールの残響のすごさも経験済みであったので、

落ち着いて歌うことができた。

数千人の大聴衆にスタンディングオベイションを受けたときは本当にうれしかった。

二日分だなあ、と思った。

なぜなら、サンピエトロ大聖堂では場所柄なのか、

続いてマザーテレサの列聖ミサがあったせいなのか、

拍手がなかったがちょっと残念だったからだ。贅沢かな。

 

練習不足は重々承知(それでも東京での練習には10回以上くらいは出席したはず。)。

本番後に、辻先生とホテル近くのバルでささやかな打ち上げができたのも一生の思い出だ。

翌日からのシチリアツアーも、上月さんのアテンドのおかげで宝物とも言える時間に昇華した。

アグリジェンドの遺跡の向こうに眺めた日没は、このツアーのもう一つのハイライトだったかもしれない。

 

これまで過ごしてきた決して短くない時間の中でも指折りなひとときをお贈りいただいたマエストロはじめ、

関係者のかたがたにありがとうの気持をお伝えして結びとします。

                                          本多 清之・淳子

 


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第20回イルミナート教育プログラム ワークショップ 『Stabat mater』

2017年02月03日 | イルミナート教育プログラム

前回の教育プログラム(オペラ 修道女 アンジェリカ)終了後から(2015.12より)、

フレンズではマエストロ西本智実の選曲による楽曲のリハーサルを始めました。

 

「くちなし」「Caro mio Ben 」「落葉松」「さくら横ちょう」別宮貞雄・中田喜直の両名の同一歌詞曲等、

1曲ずつ練習曲を増やしていきました。

時には楽典なども含めて勉強してまいりました。

その中に今回の発表曲「Stabat mater」がありました。

 

また、発表の場になりました「東洋文庫ミュージアム」は以前にマエストロが取材で訪れており、

何かの機会に使いたいと、事務局も早くから演奏会の為打ち合わせをしておりました。

 

そして「Stabat mater」と「東洋文庫ミュージアム」のコラボが実現しました。

大阪合唱団の指導者でも有ります、野上貴子さん、上島幸恵さんをソリストにお迎えして、

参加合唱団員が90名。

 

重厚感があり、響きの良い歌声とイルミナートアンサンブルによる演奏会。

 

100名を越える見学者の皆様から大きな拍手をいただきました。

演奏会終了後、マエストロも出席していただきました打ち上げ会も、

団員1人づつのコメントも、笑いを誘うものもあり和やかなうちに終宴を迎えました。

 

マエストロからの「高みを目指して!」の言葉に、

団員は気持ち新たに練習に励んでいく気持ちを固めておりました。

 

会場となりました「東洋文庫ミュージアム」では「ロマノフ王朝展」が開催されております。

「チャイコフスキーとロシア音楽」と題しまして、マエストロ所蔵の本・ポスター等が展示されております。

特別展示は3月13日(月)までです。

→ 東洋文庫ミュージアム


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ヴァチカン国際音楽祭2016  合唱参加メンバーより その2

2017年01月27日 | 演奏会

 

イルミナート合唱団大阪の団員さんで、初めて「ヴァチカン国際音楽祭2016」に関西拠点から参加され、

奥さまは同行者としてご一緒されました。

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イルミナート合唱団大阪、「イルミナートコーラス」に入団させていただいて1年半。

2016年11月のヴァチカン国際音楽祭に初めて参加させて頂きました。

 

私は大学時代にグリークラブに入り、初めてコーラスを知り、ハーモニーの魅力に惹かれて

今日まで歌い続けてきました。

 

11月14日伊丹発、成田、チューリヒ経由でローマへ。

19時間の移動でしたが疲れはありませんでした。

 

翌日15日の市内観光後、サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会で、

現地の団員と日本からの団員と初リハーサル。

教会の響きの調整にマエストロも苦慮されているように感じました。

 

翌日16日はマエストロ西本智実の指揮で、

夢にまで見た歴史息づくヴァチカン・サンピエトロ大聖堂でのモーツァルト「戴冠式ミサ」は、

参列者のみならず、歌っている者も何とも言えない感動を受けたのは私だけではないと思います。

 

システィーナ礼拝堂の聖歌隊は、透き通るような声と伸びやかな響きがとても素晴らしいものでした。

また、演奏の後「ローマ教皇代理ミサ」はとても荘厳で、感動するものでした。

 

翌17日は会場をサンパオロ大聖堂に移して、ベートーヴェンの「交響曲第九番・合唱付」の演奏です。

夜9時からの演奏会というのは、日本では考えられないことでも、ヨーロッパでは普通のことなのですね。

 

来客者の大聖堂への入場セキュリティチェックに大変時間がかかり、演奏時間が大幅遅れとなりました。

こちらの大聖堂も大変大きく、残響が4秒くらいあったように思います。

合唱団も日本での練習時に響きについてマエストロからお話しをお聞きしておりましたが、

その場に立ち歌ってみて実感いたしました。

演奏後スタンディング・オベーションでの拍手、拍手、拍手。何時までも鳴り止みませんでした。

 

妻曰く。

日本のどんな立派なホールでも2大聖堂のような響きはない。

現地での体感は何にも代えがたい感動ものですと。

 

最後に準備段階でのコーラス指導を熱心にしてくださいました「野上貴子先生」「上島幸恵先生」、

事務局スタッフの皆さんに感謝申し上げます。

 

 コロッセオにて

 

HY&MY

 

 


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ヴァチカン国際音楽祭2016  合唱参加メンバーより その1

2017年01月27日 | 演奏会

 

初めて「ヴァチカン国際音楽祭2016」に参加されました団員さんからです。

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合唱指導の辻先生はお人柄の溢れるリハーサルで、音の世界にどんどん引っぱり込んで下さいました。

先生の豊かな声量は忘れられません。

 

西本先生は楽譜の中からモーツァルト、ベートーベンの想いを感じとる音楽の感性を引き出してくださいました。

 

3月から始まったリハーサルを経て、ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂で、サンパオロ大聖堂で西本先生の指揮に集中していくうちに、

音楽祭に参加する想いはひとりひとり異なりながらも、

音楽によってひとつの想いにまとまる素晴らしい奇跡を実感しました。

「西本先生の指揮で、ミサ曲を、オラショをヴァチカンで捧げることが出来たら、

 なんて素晴らしいことでしょう!」

 

もしかしたら、体調次第では最後の海外旅行に…ヴァチカンを断念せざるを得ないことあるかも知れない、

と頭をよぎりましたが全てを神様に委ねて、リハーサルで歌うことに集中しました。

 

この素晴らしい経験が、さらに多くの人におとずれる機会がありますように。

音楽が人の心から絶えることがありませんように。

 

ヴァチカンで心に刻まれたこの想いを、日々の祈りとともに祈り続けたいと思います。

そしてサン ピエトロ大聖堂の御ミサで感謝の祈りを捧げつつ、

ご聖体を拝領した時の感激はこれからミサでご聖体拝領する毎に、

私の胸に溢れ続けることでしょう。

 

西本先生、数年前に通勤する駅で毎朝、某会社のボードでお姿を見上げていました。

まさか、このようなチャンスに遭遇するとは思ってもみませんでした。

これからの人生の歩みを支えてくれる経験をさせていただきましたこの想いを、

お伝えする言葉がみつからず、涙が溢れるばかりです。

 

辻先生、事務局の皆様、ツアーに同行してお世話くださったスタッフの皆さん、

そしてローマの朝ごはんと成田への機内でステキな時間をくださった野上先生、

ヴァチカン合唱団員のみなさまに心から感謝と愛をこめて。

 

ありがとうございました。

 

ヴァチカン合唱団2016年生 千葉実千代


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ヴァチカン国際音楽祭2016

2016年11月22日 | 演奏会

オーケストラメンバー、合唱団は11月14日ヴァチカンに向けて旅立ちました。

 翌15日はサンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会でリハーサルが行われました。

オペラ「トスカ」第1幕の舞台にもなった教会です。

ドアを開けると天井画の素晴らしさに目を奪われました。

                    

 

        

現地のメンバーと合流しての綿密なリハーサルが続きました。

 

16日、サン ピエトロ大聖堂にて、ローマ教皇代理ミサ

 

午前中にヴァチカン広場にて教皇謁見が行われ、朝からすごい人数の教徒が集まっており、

また、特別聖年の最中であり、リハーサル時間にもサンピエトロ大聖堂を訪れる人々も例年より多かったです。

 

 

  

オラショ「グレゴリオ聖歌」に続き、モーツァルト「戴冠式ミサ」の演奏後、ローマ教皇代理ミサが始まりました。

 

「私はミサの時、合唱団員でカトリック信者の方たちが聖体拝領を受ける姿を見ながら、

誰もが参加できるイルミナート合唱団やイルミナートフレンズの体制を作って良かったと強く思いました。」

・・・マエストロ西本より

 

 システィーナ礼拝堂聖歌隊

 

17日、サン パオロ大聖堂周辺の、警備の重々しさに驚きました。

昨年にはなかったセキュリティチェックにオケのメンバー、合唱団員、オーディエンスも入場に時間がかかりました。

 

 

ベートーヴェン「交響曲 第九」

 

合唱団員は、リハーサルでは教会の特別な響きに驚きながらも、

マエストロの指揮を見て、声を合わせることに集中していきました。

 

 

演奏終了後は、ヨーロッパ各国のオーディエンスの方々の万雷の拍手と感動の嵐の中、

『ヴァチカン国際音楽祭 2016』の幕を閉じました。

                           イルミナート合唱団 事務局

 

 

 


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