休日が続いて、明くる日がしとしとと雨。
なんだか、身体が重くて眠たい。
昨日、古本屋=北白川の文庫堂へ行って
全集の片割れを安価で買う。
●「劉生絵日記」、岸田劉生の絵の入った日記。軽妙。 500円
●「故旧忘れ得べき」高見順の旧版。(筑摩)本のたたずまいがいい。 100円
世界名詩集(平凡社)
●ノバーリス「聖歌」・ハイネ「冬物語」 200円
●ウンガレッティ「破船の愉しさ」・クワジーモド「人生は夢でない」 200円
・カルドゥッチ「魔神に捧ぐる頌」
●ゴットフリート・ベン「肉」・カロッサ「詩集」 200円
とくに、ゴットフリート・ベンの「肉」は、はじめて読んだが驚いた。
循環
人しれず身まかったひとりの売女のひとりぼっちの臼歯は
金をつめていた。
ほかの歯たちは、こっそり申し合わせたように
抜けおちていた。
死体処理人がその金歯をたたき出し
質に入れてダンスに行った。
なぜって、彼が言うよう、
土に還すのは土だけでいいのだからな。
訳は、ツェラーンの研究でも有名な詩人、生野幸吉。
生野の訳だけでも価値がある。
この作品は、ベンの最初の詩集『死体公示所』(1913年)より。
ナチに一旦は、協力した詩人とは思えない、いやそれ故か
協力した詩人と言うべきか、危険な力をもった詩人だ。
ノヴァーリスは、「青い花」しかよんだことないけど
大好きです。大学の卒論は「青い花」でした。
それにしてもどれも安くで、いい本ばかりな感じ。
わたしもひさびさに古本屋をめぐりたくなりました。
全集の片割れというのは、
案外、いまは読めない作品が入っていて
よくこまめに見るようにしています。
全集編集のときは、勢いで入れた
マイナーな作品が
以後、マイナー故に、なかなか再刊されない
ということがあるのでしょうね。
再刊されても、びっくりするような高価。
★
ぼくは、百万遍界隈よりも
北白川の「文庫堂」でよくお得本を
掘り出します。
でも、その道の人に言わせれば
たいした買い物ではないかもしれません。
ハイネの「ドイツ 冬物語」は、
岩波文庫でも出ていましたね。
「青い花」、これは、現代思潮社かな。
ぼくは、学生のときに
ガルシンの「あかい花」を愛読しました。
ベンは3巻本の選集が安値で出てるので、これを機会に購入しよと思います。T.S.エリオットより少し後の詩人だけど、似たとこあるかも。