文屋

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★はじめて読んだゴットフリート・ベンの詩。古本屋で200円だった。

2005年03月22日 20時03分28秒 | 

休日が続いて、明くる日がしとしとと雨。
なんだか、身体が重くて眠たい。
昨日、古本屋=北白川の文庫堂へ行って
全集の片割れを安価で買う。

●「劉生絵日記」、岸田劉生の絵の入った日記。軽妙。  500円
●「故旧忘れ得べき」高見順の旧版。(筑摩)本のたたずまいがいい。 100円
世界名詩集(平凡社)
●ノバーリス「聖歌」・ハイネ「冬物語」 200円
●ウンガレッティ「破船の愉しさ」・クワジーモド「人生は夢でない」 200円
 ・カルドゥッチ「魔神に捧ぐる頌」
●ゴットフリート・ベン「肉」・カロッサ「詩集」 200円

とくに、ゴットフリート・ベンの「肉」は、はじめて読んだが驚いた。



 循環

 人しれず身まかったひとりの売女のひとりぼっちの臼歯は
 金をつめていた。
 ほかの歯たちは、こっそり申し合わせたように
 抜けおちていた。
 死体処理人がその金歯をたたき出し
 質に入れてダンスに行った。
 なぜって、彼が言うよう、
 土に還すのは土だけでいいのだからな。


訳は、ツェラーンの研究でも有名な詩人、生野幸吉。

生野の訳だけでも価値がある。

この作品は、ベンの最初の詩集『死体公示所』(1913年)より。

ナチに一旦は、協力した詩人とは思えない、いやそれ故か
協力した詩人と言うべきか、危険な力をもった詩人だ。





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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よい本ばかりそう! (果歩)
2005-03-23 12:22:22
岸田劉生日記はとても読みたいな!

ノヴァーリスは、「青い花」しかよんだことないけど

大好きです。大学の卒論は「青い花」でした。

それにしてもどれも安くで、いい本ばかりな感じ。

わたしもひさびさに古本屋をめぐりたくなりました。
あかい花 (bunyahagi)
2005-03-23 21:00:18


全集の片割れというのは、

案外、いまは読めない作品が入っていて



よくこまめに見るようにしています。



全集編集のときは、勢いで入れた

マイナーな作品が



以後、マイナー故に、なかなか再刊されない

ということがあるのでしょうね。



再刊されても、びっくりするような高価。











ぼくは、百万遍界隈よりも



北白川の「文庫堂」でよくお得本を

掘り出します。



でも、その道の人に言わせれば

たいした買い物ではないかもしれません。



ハイネの「ドイツ 冬物語」は、

岩波文庫でも出ていましたね。



「青い花」、これは、現代思潮社かな。



ぼくは、学生のときに



ガルシンの「あかい花」を愛読しました。



文庫堂、懐かしい (ヒロシ)
2022-05-26 09:36:01
文庫堂、懐かしいです。院生時代修学院にいましたから。また北白川の古本屋を巡ってみようと思います。
ベンは3巻本の選集が安値で出てるので、これを機会に購入しよと思います。T.S.エリオットより少し後の詩人だけど、似たとこあるかも。

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