文淵の徒然なるかな

日々の徒然なるのを綴る

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桃太郎 72 鬼退治編

2017-03-21 19:06:05 | 日記
 虚実とは何か、虚とは実とは何を指すのか真に理解していなければ伝えるのもままならない。実とは力が入った状態を指し、虚とは力が入っていない状態を指す。
 虚実を身に付けるのには必要以上に虚か実を意識した上で扱う必要がある。しかし虚を扱うよりは実を学び方が容易い。何しろ限界まで重しを身に付け追い立て続ければ良いのだ。その後の体に力の入らない状態が虚の状態になる。この状態での力の配分と体捌きが虚の技の基礎となる。

 そんな訳で壮介は庚申の仕掛けた山犬に追い立てられていた。時々庚申からの投剣が放たれる中で走り逃げる。桃太郎の背負っていた鎧を背負って必死に走っていた。

「ほら壮介はん早よ走って」

 吠えたてる山犬と庚申の声に抗議もできぬ程に息は乱れ疲れきった壮介は、足が縺れると山犬は庚申に従い大人しくなり、庚申との立ち合いが始まる。

 情け容赦なく拳を打ち込まれ、投げ飛ばされ、蹴りつけられて、壮介は身を持って虚の状態を学んで行く。力の入らない体が動かない状態での捌き方、そして攻め方は未だに知らない体の使い方であり、無駄なく最小で最大の力の運用方法であった。

「さすが壮介はん才能あるわ」
「誉めて……も何も……出んぞ」
「出るようなら、もう少し走ってもらいますわ」
「冗談でも勘弁してくれ」
「さて、虚実を虚を学びきったら虚実を意識的に切り替えるのもやっていきましょか」
「まだやるのか」
「まだ基礎の段階ですわ。弱音吐くのはまだ先にしてくれんと」

 槍で捌くのも力任せでなく、持ち手に回転を加えつつ肘と重心移動によるやり方や、突くのも踏み込んで全身で突ききるやり方から、相手の重心移動を誘い自らの力を使わず突き抜く技がなければならない。
 しかしまだそれが基礎に過ぎないのだ。壮介にしてみれば道のりの長さに気が遠くなる思いだった。

「できる限り上達に努めよう」
「その調子でたのんます」
 こうして壮介の修行は続く。

 一方桃太郎に付き添っていた凉は、復調した桃太郎に弓の習いを願い出ていた。

「わかりました。できる限り上達できるように努めましょう」
「待て、桃太郎習うのはわたしなのだ。あべこべではないか」
「しかし良い指導もなしに上達はないでしょう」
「わたしは桃太郎に学ばされてばかりだよ」

 涼は呆れながらも桃太郎の実直さを素直に手本にしたいと思うのだった。厳しい壮介とは相反した。易しく覚え良い桃太郎指導の下で涼は弓の真髄を学ぶのであった。

 倒すべき敵は鬼ヶ島に在り、後発の合流を気にしつつ傷を癒しながら、一行は修行を行った。

 庚申の元に不穏な情報がもたらせるまでは……。
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