気ままに 黒松内

地域の十人十色の魅力に出会う農村の暮らし訪問ブログ

海のぶなと森のブナ

2006年10月20日 | 自然
森のブナは分かるけど、、海のぶなって何?

 ここ、黒松内町にも秋を告げる鮭の遡上が始まっている。
黒松内町には朱太川という川が南北に流れている。この川は北海道には少ない鮎の釣れる川としても有名だ。毎年、鮎釣りのシーズンになると「鮎あります」の看板や鮎釣り特有の長い竿を巧みに操る釣り人の姿を見ることができる。

 さて、今時の魚といえばほとんどの人は 鮭 を思い浮かべるのではないだろうか。
正式名称はシロザケ、北海道の人はアキアジの方が馴染み深いかも知れない。今年も3~4年前に海に下り立派に成長した彼らが帰ってきている。朱太川から横に入った小さな支流にも彼らの姿を見かけることができる。

 みなさんは川に上ってきている彼らの姿を思い浮かべることができるだろうか。海にいる時のような銀色の体ではなく赤や緑の模様が浮き出ている姿である。この姿は通称「ぶなっけ」と呼ばれている。どういう意味?と首をかしげる方もいるだろう。この色は正式には婚姻色と呼ばれ産卵の準備が整っていることを示すものである。だが、昔の人はこの姿をブナの木の樹肌に似ているのでぶなっけと呼び、今に至るのである。なんとも風流な呼び名ではないか。

 黒松内町は「北限のブナ林」でも有名な町だ。この時期、ブナの木も色づき始め、実を落とし始める。天然記念物である「歌才ブナ林」も鮮やかな秋の色に変わり始めている。

 今、黒松内の町は海のぶなと森のブナの放つ命の力、生命の輝きに満ち溢れている。その目には見えないが確かに感じる「何か」を見つけるために足を運ばれては如何だろうか。きっと、それぞれに大切な「何か」を感じることができるのではないだろうか。

<文:小野寺亮>

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