ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

ロングライフデザイン2。

2007年02月27日 | blog

たとえば食器とかは、ぜんぶロングライフデザインでもいい。
いや、それでは困る人も、いるかもしれないけれど、
「私は」困りません。

携帯電話は、人によっては困らないでしょうけれど、
あたらしい機能やサービスは、やっぱり使いたいので、
モノとして進化してくれないと、困る。「私は」。

携帯電話のような商品の、「ロングライフデザイン」は、
成立するんでしょうか。

そして、ここでもキラリと光るのはiPod。

世代を重ねて、容量が増えて、小さくなって、
電池が長持ちして、ビデオが見られるようになって、
ずんずん進化しています。

モノとしては、ばんばん代替わりして、「消費」されていますけれど、
じゃぁiPodの「デザイン」が「消費」されたかというと、

デザイン自体は消費されていない、とおもうのです。
こりゃ、すごいね。

モノは進化し、商品として消費はされているけれど、
まるでDNAのように、「デザイン」の「芯」は、
時間を越えて息づいている。

一筋縄のことではありません。

先々を見据え、意思を持って、
守るべきものと、進化すべきところを、見極める。
そのモノに込めた想いが、いかに深く深く、深いかということ。

…。

さて、じつは携帯電話では、興味深い試みがはじまっています。

佐藤卓デザインの、P701iDは、キープコンセプトのままで、モデルチェンジしました。
これは、デザインを「育てる」という、明確な意思表示と感じられます。

さらに注目すべきは、初代P701iDは、グッドデザイン賞を受賞しましたが、
新型のP702iDも、あらためて、グッドデザイン賞を受賞しているのです。

今までの通例では、このような「マイナーチェンジ」的な商品は、
「過去受賞商品と類似している」という理由で、
賞は取れなかったのです。

グッドデザインが、動いた。

さらに、佐藤加士和デザインのN702iDも同様、キープコンセプトで、
まったくあたらしい商品になっています。

初代の構想時、「おサイフケータイ」への対応の可能性があったので、
「クレジットカードの磁気テープのイメージ」のデザインとなったN702iDですが、
初代N702iDは、「おサイフケータイ」は実装されませんでした。

それが、あたらしいN703iDでは、「おサイフケータイ」対応になっています。
うやむやになりそうだったコンセプトが、息を吹き返している。

N702iDの初代もグッドデザイン賞を受賞しているので、
二代目N703iDもおそらく、受賞されるでしょう。

ほんとにちょっとずつではありますが、
進化する時代性を兼ね備えた、
21世紀のロングライフデザインのうまれる土壌が、
生まれつつある  のかもしれません。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Rin)
2007-03-01 06:42:07
お久しぶりです。

この記事が興味深く、いろいろ考えてしまい、
わたしも今朝書いたりして、それをTBさせて
いただこうと思っていたのですができず、
コメントさせていただきました。

ロングライフデザイン、奥が深いですね。
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トラバ (詩人(本人))
2007-03-03 01:00:08
どうも、どうも。
なんだか、中途半端なエロ・トラックバックばっかり、くっつくようになってですね。そもそも、トラックバックは、使い方がよくわかんなくて、うまくいったためしがないです。あはは。

まったくドッドコムは、よくわからんです。
よくわからんので、パタパタ書いて、更新するのみです。
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