コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

親子コミュ 番外編

2008-05-29 23:59:40 | 親子コミュニケーション

今日、二人の息子がケンカした。
ケンカ自体は珍しくないが、面白い流れになった。
親子コミュニケーションの実践を含む、具体的な実例にもなるかもしれない。

夕刻、私が台所で用事をしているよこで息子二人がDVDを見ていた。
兄の方が保育園時代に出た「音楽フェスティバル」と言うイベントのビデオだ。
仲良く見ていると思っていたら、急に兄のほうが上の階に上がっていき、弟がそれを追いかける。
しかし、少し兄の怒鳴り声のあと、弟だけ肩を落としてなきそうな顔で降りてくる。

兄(Kくん)は小学2年生、どちらかというと温厚で、少し内向的、どちらかというと”いい子”。
弟(Sくん)は保育園年長組、末っ子のせいなのか奔放でお調子者、よく兄や姉から怒られている。

まぁ、いつものように、弟が兄を怒らせたんだろうと思い、ちょうど台所仕事も一段落ついたので、降りてきた弟のそばに行き、見ていたテレビを消して話を聞く。

弟「ゴメンって言ったのに、お兄ちゃんがゆるしてくれへん」
私「謝るってことは、なんか悪いことしたんか?」
(これは詰問調なので×)
弟「でも謝ってるのに…」
私「そうか、謝ってるのにゆるしてくれはらへんにゃな」
弟「うん」
(とりあえず、主張を受け止めてあげる)

言葉にするとこれだけだが、ここまでに口ごもったり、落ちているおもちゃで遊びだしたり、そこそこの時間が経過している。
そのうちに、兄も降りてきて横で様子を見ている。

兄に向かって
私「謝りたいって言ってるで」
弟「絶対ゆるさへンって言わはった」
(弟は自分を正当化して兄を攻撃させるように仕向ける)
兄「Sくんが、嫌なこと言わはったからや」
私「うん、いまそのことを聞いてる」
弟の方に向き直って
私「Kくんがゆるさへンって言わはるようなこと言ったんか?」
弟「…」
兄「#$%&=~・・・」(泣き出したので聞き取れない、弟が言った言葉を教えようとしている)
私「いやなことを言われたんやな」
弟「でも、謝ったのに…」
嫌になってきたのか、そっぽをむき出したので、両手を握って私と向かい合わせにさせる。

私「今、もういっぺん謝ったげてみ。聞いてくれはるかもしれんで」
弟「…ごめん」
私「Kくんに向かって聞こえるように言って」
弟「…ごめんなさい」
兄「…いいよ…」
いつもならこれでお互い握手させて終わる。
そうさせようと、それぞれに手を広げて膝の上に座らせようとした。
弟の方はすぐに膝に座るが、兄はまだ泣いている。
しかも、いつもなしないような床を叩いたり机をけったりするようにかんしゃくを起こしている。

兄「#$%&=~って言わはった・・・」
どうやら、弟に言われたこととは別のことを話し出している。
私は弟を膝からおろし、とりあえず兄の肩を抱きながら聞き取ってみる。
泣きながらなのでなかなか要領がつかめないが、同じことを繰り返し訴えている。
学校で同級生から嫌なことを言われたようで、それを先生に話したが、その後でまた言われた。
「死ね」とか「お前生まれてきた意味あるんか」という言葉らしい。
別のタイミングでこのことを聞いたら、喜んで「生まれてきた意味」を話したいところだが、ここはそんな対応は間違い。

私「そうか、嫌なことを言われたんか~」
兄「嫌や~嫌や~」
私「嫌なんやな~」
もっと状況を詳しく聞くという方法もあるが、その問題を解決する(たとえば先生に事情を聞くとか、相手の名前を聞いて親に連絡するとか)方向はせず、今はこの子の気持ちを大事にしたいと思った。
抱きながら、泣きたいようにしばらく泣かせ、落ち着いた頃尋ねた。

私「で、Kくんはどうしたい?」
兄「はよ、忘れたい…」
私「そうか、忘れたいんや」
兄「うん」
そう、私に何か要求したいんじゃなく、自分で考え始めたように思った。

その様子をずっと横で聞いていた弟、時々兄と一緒に泣いていた。
時々話しに割り込んで「誰に言われたン」「なんて言われたン」と興味のあるところを質問する。
「忘れたい」という兄の言葉を大事にしたくなっていたから、再度尋ねてくる弟には頭をなでてやりながら
私「うん、今はそのことはいいわ。お兄ちゃんが心配なんやな」
気にはなってたが、兄のほうに集中していたので柔らかく停めた。

突然、弟が言った
弟「僕、嫌なこと言われたら哀しいのわかったから、もう○○(さっき兄に言った悪口)なんて言わへん。もう嫌なこと言わへん」
この兄のほうの問題にならなければ、二人で握手させる時に
「もう、人が嫌がることは言わんとこな」
と、私が教える。
しかし、今回は兄の様子を横で真剣に見ていた弟は自分でその結論を感じ、考えだした。
(かなり親バカの見方もあると思うが)

おそらく、いつものように「こうしなさい」と押し付けられたことは、いずれ忘れて同じことを繰り返すかもしれない。
しかし、自分で「こうしよう」と思ったことは、深く心に刻まれるかもしれない。

その後、家族で食事をし、テレビを見ていた。
兄のほうは
「おいしいもん食べても、テレビ見ても忘れられへん…」
と笑いながら言っていた。
嫌なことがあってもあまり表に出さない兄だが、口にしてみてちょっと問題と距離を置くことが出来たのかもしれない。

明日以降、このことがいろんな影響を起こすかもしれないが、今日はまず聞いてやるというところまで、
もし、「○○してほしい」という要求が出てきたら、そのとき初めて動いてやろうと思う。

ジャンル:
子供
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