現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

青山文平「乳付」つまをめとらば所収

2016-01-30 21:12:56 | 参考文献
 「乳付」とは、初産などで、乳が出なかったり、うまく授乳ができなかったりする母親に代わって、既に授乳の経験がありまだ乳の出る女性に、産まれてきた乳児に乳をやってもらうことのようです。
 身分の違う家へ嫁いだこと、乳が出ないこと、そして乳付をしてもらった女性への悋気などに悩む女性の姿を描いています。
 この作品でも、江戸時代の旗本の暮らしや漢詩についてよく調べてあり、それをわかりやすく読者に伝える工夫もなされているのですが、登場人物がすべて作者の意図通りに行動しすぎていて、作り物の感がするのは否めません。

つまをめとらば
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文藝春秋
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1月29日(金)のつぶやき

2016-01-30 08:47:14 | ツイッター
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少女は自転車にのって

2016-01-29 17:43:21 | 映画
 現代でも女性に対する様々な因習が残るサウジアラビアを舞台に、いろいろな困難に立ち向かっていく少女を描いています。
 人種も宗教も風俗も違う日本人から見るとなかなか理解しにくい点もあるし、彼女自身にも不法滞在している外国人に対する偏見があるので、素直には共感はできませんでした。
 しかし、やや安易なハッピーエンドともいえるラストの明るさの中には、この国での女性の人権が次第に改善されることを期待させてホッとできました。

少女は自転車にのって [DVD]
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アルバトロス
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1月28日(木)のつぶやき

2016-01-29 09:25:49 | ツイッター
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1月27日(水)のつぶやき

2016-01-28 09:10:05 | ツイッター
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吉村萬壱「夏の友」虚ろまんてぃっく所収

2016-01-27 17:08:40 | 参考文献
 「夏の友」とは、夏休みの宿題のドリルのことです。
 題名だけでなく、小学校五年の夏休みを父方の実家で過ごした思い出を描いた前半は、まるで70年代か80年代ごろの「現代児童文学」の作品のようです。
 緻密な子ども時代の記憶や個性的な登場人物の描き方は、やや性的な表現はあるものの毒にも薬にもならない作品が多い現在の児童文学作品より、今の子どもたちにとっても面白いかもしれません。
 後半の大人になった主人公が出てくるようになると、吉村独特のエロとグロが満載の独自の作品世界が広がります。
 でも、こういった世界をストレートに描くより、それを内包しつつ抑えた表現で描いた前半の方が、一般的な読者には受け入れやすいのではないかと思いました。

 
虚ろまんてぃっく (文春e-book)
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文藝春秋
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妙木 忍「秘宝館という文化装置」

2016-01-27 11:20:05 | 参考文献
 秘宝館というのは、温泉地などにある性愛をテーマにしたテーマパークです。
 しかし、この本は、秘宝館を性的興味で紹介しているのではなく、一種の文化装置として、どのように生まれ、隆盛し、やがて廃れていったかを、社会科学的に分析しています。
 筆者は、「ジェンダー論」を専門とする若い女性の研究者です。
 といっても、この本では「ジェンダー論」によって、秘宝館の是非を問うのではなく、どのような社会の変化(特に、余暇や観光、女性の社会進出など)によって盛衰したかを考察しているます。
 本書では、展示自体の意味(例えば、医学的模型、性信仰、観客参加型のアトラクション)などにも触れていますが、私はそういった点にはあまり関心はなく(時代とともに蝋人形などの静的展示から顧客参加型のアトラクションに変化していった点には興味があって、「物語消費」が本やマンガのような静的なものから、ビデオゲームやカードゲームのようなユーザー参加型へ変化したこととの類似点を感じています)、社会の変化に対する秘宝館の変遷が、私の専門としている「現代児童文学」のそれと類似している点に大いに興味を持ちました。
 秘宝館は1972年に生まれて、最盛期の1980年代には全国の温泉地などに20以上の施設が存在し。この本が出版された2014年では3館存在していましたが、その後さらに閉館が続き2016年現在では熱海秘宝館が残るのみです。
 秘宝館といえば、すけべな年配の男性客の物と思われがちですが、当初から女性客を想定して作られ、事実、最盛期を支えたのは、女性の団体客でした。
 秘宝館という言葉の響きとは裏腹に、一人でこっそり楽しむものではなく、おおぜいでわいわい騒ぎながら見学されたようです。
 ただし、最近は団体旅行の減少により、若いカップルが観客の中心になっています。
 残念ながら、私自身は秘宝館へ行ったことがないのですが、子どもたちが小さいころに、熱海後楽園ホテルの遊園地へ毎夏遊びに行っていたので、近くの山にある熱海秘宝館(熱海後楽園ホテル(現在は東京ドームグループ)の所有で、現存する最後の秘宝館)の存在は知っていました。
 著者によると、「観光が大衆化した時代(注:大阪万博後の1970年代)に秘宝館は生まれ、観光が女性化した時代(注:女性の社会進出が一般化した1980年代)に秘宝館は流行し、観光が個人化した時代(注:バブル崩壊後の1990年代以降)に秘宝館は衰退したといえるかもしれない」とのことです。
 これは、「現代児童文学」が1970年代にビジネスとして成立し、1980年代にL文学(女性作家による女性読者のための女性主人公の文学)も含めて隆盛し、子どもたちの「物語消費」が多様化(テレビゲーム、カードゲーム、ライトノベル、アニメ、コミックスなど)した1990代以降に衰退したこととピタリと重なります。
 唯一違うのは、「物語消費」の多様化が主として男性読者に大きな影響を与えたことと、女性読者の多世代化(アラサー、アラフォーはおろか、アラフィフ、アラカンまでひろがっています)によって、「現代児童文学」は終焉しましたが、広義の児童文学はL文学として生き延びていることです。
 しかし、これも2010年代に入ってからのスマホの隆盛(若年層では女性の方が普及率が高い)により、今後は少なくとも「紙の児童文学」は衰退していくことが予想されています。
 以上のように、「秘宝館」と「現代児童文学」、そのどちらもが、女性の社会進出や彼女たちが自由にできるお金や時間の消費形態などと密接に関係していることは、非常に興味深いです。


秘宝館という文化装置
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青弓社

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1月26日(火)のつぶやき

2016-01-27 08:31:50 | ツイッター

「鳥野美知子「けやき姉妹」あける25号所収」 goo.gl/XmSNM3


「吉村萬壱「行列」虚ろまんてぃっく所収」 goo.gl/OcXH1t


「青山文平「つゆかせぎ」つまをめとらば所収」 goo.gl/ufGjM3


「グッバイキッド、グッバイマミ?」 goo.gl/Ss24OP


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青山文平「つゆかせぎ」つまをめとらば所収

2016-01-26 13:41:41 | 参考文献
 この作品も、前半は江戸時代の俳諧や芝居などについての説明的な文章が多くて物足らなかったのですが、後半は貧しくてもたくましく生きている女性に影響されて、妻の死後に生きる気力を失いかけていた主人公が生気を取り戻していく過程が過不足なく描かれています。
 登場人物がみな善人で、ややハッピーエンドすぎる気もしますが、読み味は悪くありません。

つまをめとらば
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文藝春秋
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吉村萬壱「行列」虚ろまんてぃっく所収

2016-01-26 13:30:33 | 参考文献
 他の誰の作品にも似ていない、強烈な個性を持った短編です。
 エロとグロの塊のような作品なので、そのまま児童文学の創作の参考にはなりませんが、ここに書かれたような強烈なイメージを持った作品は、没個性的な作品ばかりの今の児童文学だからこそ必要なのかもしれません。

虚ろまんてぃっく (文春e-book)
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文藝春秋
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1月25日(月)のつぶやき

2016-01-26 10:50:52 | ツイッター

「安東みきえ「ルリシジミの庭」あける25号所収」 goo.gl/zTTSjS


「尾崎翠「第七官界彷徨」第七官界彷徨・瑠璃玉の指輪他四篇所収」 goo.gl/gkNaUg


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1月24日(日)のつぶやき

2016-01-25 08:41:54 | ツイッター

「井田真木子「プロレス少女伝説」」 goo.gl/FPTK4V


「青山文平「ひともうらやむ」つまをめとらば所収」 goo.gl/UZA7JR


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青山文平「ひともうらやむ」つまをめとらば所収

2016-01-24 21:34:26 | 参考文献
 第154回直木賞を受賞した短編集の巻頭作です。
 幕末の地方の藩における友人夫婦の刃傷事件に巻き込まれて、武士を捨てて釣り道具の職人になった男の話です。
 最近のエンターテインメント作品の傾向なのか、この作品も描写や文章力で読ませるのではなく知識の披瀝や状況の説明でストーリーを展開していきます。
 確かに物語に必要な情報は効率よく読者に伝達されているのですが、文学性や滋味などは望むべくもなく、人物像も紋切り型で物足りませんでした。
 このような作品が評価され、多くの読者にも読まれているとしたら、児童文学の世界だけでなく、文学全体が大きく変質しているのでしょう。

つまをめとらば
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文藝春秋
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井田真木子「プロレス少女伝説」

2016-01-24 21:19:41 | 参考文献
 クラッシュギャルズを中心とした、1980年代の第三次女子プロレスブームを描いたドキュメンタリーです。
 女子プロレスが、外国から輸入された男子プロレスと違って、女相撲をルーツに持つ特殊な芸能であることを指摘している点は、1970年代のビューティペアを中心とした第二次女子プロレスブーム(ちなみに第一次はマッハ文朱の頃です)においてもプロレスと歌を混合した興行をしていたこともふまえると、うなずけるものでした。
 しかし、男子プロレスも、力道山らによってアメリカから輸入されたもの以外に、木村政彦たちのプロ柔道や、ボクシングと柔道や空手による異種格闘技戦などのルーツもあって、井田が言うような単純なものではなかったと思われます。
 また、クラッシュギャルズの出現が、従来の男性中心の観客からレスラーたちに過剰に感情移入する少女ファンに変わったという主張も、第二次ブームの時にビューティペアにあこがれる少女ファンが多数いたことを思い起こすと、女子プロレスのベースのファンはやはり男性で、スターが現れたブームの時に一過性の少女ファンが急増すると言った方が妥当なのではないでしょうか。
 また、このドキュメンタリーは、クラッシュギャルズで特に人気がありブームの中心にした長与千種、女子柔道から転向した今で言うと総合格闘技を志向していたと思われる神取しのぶ、ゲストとしてではなく長期に巡業に帯同するアメリカ人女子プロレスラー、中国未帰還者三世の女子プロレスラーの合計四人に対する取材から構成されているのですが、それぞれが女子プロレスに対して大きな問題意識を抱えながら関わっていただけに、それぞれの問題が中途半端に描かれて全体としては未消化に終わった感が強いです。
 また、作者がフリーランスとはいえ女子プロレス雑誌に記事を書いていた人間なので、体制内ジャーナリズムの匂いもして、興行サイドに対する批判も具体性に乏しくて物足りませんでした。

プロレス少女伝説 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋
 
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1月23日(土)のつぶやき

2016-01-24 09:16:59 | ツイッター

「井出ひすい「松の木の下で」あける25号所収」 goo.gl/KOFOnf


「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール」 goo.gl/LyD4Ra


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