現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

早大童話会「少年文学の旗の下に」

2016-11-08 08:18:15 | 参考文献
 「少年文学宣言」として知られる1953年に発表された文章(論文というよりは檄文です)で、これをきっかけに児童文学の世界で大きな論争がうまれて、結果として「現代児童文学」が誕生した一つの要因になりました。
「科学は常識によってさえぎられ、変革は権力によってはばまれる。」で始まり、「この道はけわしく困難であろう。しかし、我々は確信に満ちつつ最後の勝利を宣言する。」で終わる、美文調でヒロイックな宣言文です。
 もちろん学生たちが書いた未熟さも内包していますが、当時の児童文学の主流であった「メルヘン」、「生活童話」、「無国籍童話」、「少年少女読物」のそれぞれの利点を認めつつもその限界を述べて、「少年文学」の誕生の必然性を高らかに宣言しています。
 ここでいう「少年」とは、「幼年」、「青年」、「壮年」、「老年」と同様に、たんなる年齢区分を示していて、対象を男の子に限っているわけではありません。
 その「現代児童文学」もすでに終焉して(私はその時期を1990年代だと思っています)、エンターテインメントやライトノベルなどに名を変えた「少年少女読物」全盛の現時点で読むと、あらためて隔世の感がします。
 この宣言文を書いた主要メンバーであった、鳥越信、古田足日の両先生も、2013年、2014年に相次いで亡くなられていますが、真の意味でポスト「現代児童文学」となる児童文学は、はたして今後生み出されるのでしょうか?

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