現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学における現実世界と空想世界について

2016-10-11 09:35:33 | 考察
 現在の児童文学では、読者(特に女性)に人気があり、本になりやすいこともあって、ファンタジー作品が増えています。
 しかし、安易な作品が多く、単に読者の興味を引くために、空想世界をお話に導入している作品が大半です。
 本来は、現実世界に対する作者のしっかりした認識があり、それを投影した形で空想世界がつくられるべきですが、その辺の作業がほとんどなされていないようです。
 そのため、かつては重要であった「通路」(現実世界と空想世界を結ぶ部分、例えば、ボームの「オズの魔法使い」だったら「竜巻」、ピアスの「トムは真夜中の庭で」だったら「古時計が13鳴った時」、ルイスの「ナルニア国シリーズ」だったら「衣装ダンス」)の問題も、ほとんど軽視されていて、現実世界と空想世界の境界がはっきりしなくなっています。

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))
クリエーター情報なし
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