現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

川上未映子「十三月怪談」愛の夢とか所収

2017-08-15 15:50:51 | 参考文献
 腎臓病で死んだ女性が、住んでいたマンションの部屋の呪縛霊のようなものになり、再婚した夫の家族を見守り続けます。
 一方で残された夫はマンションを処分して故郷に帰り、独り身のまま69歳で亡くなります。
 どちらが真実なのかはわかりませんが、いずれにしても死後に二人は再び結ばれてお話は終わります。
 自分の死後に、夫には幸せになってもらいたいと思う一方、操を守ってほしいと思うのは、若い女性にとってはどちらも偽りではない気持ちなのでしょう。
 そのどちらもかなえられて死後に再び結ばれるというのは、非常にロマンチックなストーリーだと言っていいでしょう。
 川上の主な読者だと思われる若い女性たちにはこのようなスピリチュアルでロマンチックな話はうけるのでしょうが、それらの読者たちに媚びているようであまりいい印象は持ちませんでした。
 児童文学の世界でも、現在は圧倒的に女性作家や女性読者が多いので、スピリチュアルな恋愛話は大流行です。

愛の夢とか
クリエーター情報なし
講談社

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 川上未映子「日曜日はどこへ... | トップ | 藤田のぼる「「赤毛のポチ」... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

参考文献」カテゴリの最新記事