現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

清水義範「イマジン」

2017-05-20 20:40:33 | 参考文献
 2003年に書かれたタイムスリップ物です。
 現状に行き詰まりを感じている20歳の誕生日を迎えた青年が、自分の生まれる前の1980年にタイムスリップして、そこで24歳の結婚前の父親と出会って、二人でその年の十二月にニューヨークで射殺されるジョン・レノンを救いに行きます。
 タイムスリップ、もしくはタイムパラドックス物としては新味がありませんし、全くのご都合主義でかなりいい加減に書いてありますが、最後は主人公と父親の和解へ話を持っていってほろりとさせられます。
 感心したのは、1980年の風俗を丹念に調べていて(数か所明らかな間違いはありますが)、それを2003年の風俗と対比して、うまく話に使っていることです。
 作品に出てくる主な違いは、CD がまだなくレコード、茶髪にしている若者がいない、ミニスカート制服の女子高校生がいない、携帯がない、パソコンが普及していない、インターネットがない、DVDなどがなくフロッピーディスク、紙幣のデザインが違う、海外旅行が一般化していないなどです。
 しかし、そういう2003年の風俗も現在とは大きく違っています(スマホがない、フェイスブックやLINEなどのSNSがない、自動改札やSUICAがないなど)。
 1980年と2003年の風俗の違いを知らず、2003年の風俗が最新だと思えないと、この作品は本当の意味で楽しめないので、すでに賞味期限はきれているのかもしれません。


イマジン (集英社文庫)
クリエーター情報なし
集英社
『本』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ジョン・マクレガー「ヘンリ... | トップ | 5月20日(土)のつぶやき »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。