現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

森忠明「さようなら べーこんぽぱい」こんなひとはめったにいない所収

2017-02-24 10:10:39 | 作品論
 ぼくは、いつくしみ保育園を卒業したばかりです。
 担任の、はまなかさわこ先生へ長い手紙を書きます。
 その手紙は作文調でだらだらと保育園の想い出を書いていて、とても読みにくいです。
 全文ひらがなの分かち書きで書かれていれば、幼年物になると作者や編集者は思いこんでいるようです。
 この作品も、森忠明の特長である異常に詳しい記憶のディテールが書かれているのですが、こういったものを面白いと感じるのはもっと上の年齢になってからでしょう。
 出版社が幼年物を出したがるのはその方が売れるからで、この本は1983年9月10日発行ですが、年を追うごとにその傾向は強まって、高学年や中学生の男の子を読者対象にした児童文学の本は、最近ではほとんど出版されません。
 そのため、児童文学の書き手は、幼年物や絵本ばかりを書くようになって、ますます高学年や中学生の男の子を読者対象にした児童文学の本が少なくなるという負のスパイラルに落ち込んでいます。
 どう考えても、作者は幼年物は向いていないと思うのですが、きっとそういう注文があったのでしょう。
 だらだらと読みにくい作品を、渡辺三郎の簡潔な挿絵がかなり救っています。

こんなひとはめったにいない (幼年創作シリーズ)
クリエーター情報なし
童心社
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