現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

中野雅至「日本資本主義の正体」

2017-02-22 09:56:04 | 参考文献
 題名は勇ましいですが、内容はそれに伴っていません。
 いろいろなデータを使って、実質所得が伸びずに貧困層が増えていることや、日本での格差社会が世代間格差が主であることなどを述べていますが、それに対する作者なりの処方箋がほとんどありません。
 すでに常識となっている事実を整理する以外に述べている作者の意見は、大半が借り物(水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」や話題になったトマ・ピケティ「21世紀の資本」など)にすぎません。
 書き方もかなり乱暴で、作者は「搾取されている」大衆(特に若い世代)への啓蒙書のつもりかもしれませんが、そこには彼らへの深い共感なり尊敬なりがあまり感じられません。
 最後に、作者は、以下のような理由で、日本の未来は暗くないとしています。
・人手不足になって労働者に有利な状況になる。
・転職市場が活発化して会社に従属しなくてもよくなる。
・高い給料がもらえる先端産業が出現する。
 しかし、この部分は新書本でわずか3ページしかなく、具体的な根拠やデータは示されず、理由は作者が「予感がする」とだけしか書かれていません。
 
日本資本主義の正体 (幻冬舎新書)
クリエーター情報なし
幻冬舎
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