現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学の主人公について

2016-10-14 12:31:04 | 考察
 児童文学の主人公は、いろいろな設定が可能です。
 例えば、王様だったり(寺村輝夫「ぼくは王さま」シリーズ)、クマだったり(神沢利子「クマの子ウーフ」シリーズ(その記事を参照してください)、トラだったり(小沢正「目をさませトラゴロウ」)します。
 しかし、実は彼らを使って「人間の子ども」を描いているケースが多いです。
 そんな時は、主人公の属性(王様、クマ、トラなど)と子どもの本質をどのように融合させて描くかが、作者の腕の見せ所です。

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キャッチボール

2016-10-14 11:59:21 | キンドル本
 主人公は、少年野球チームに入っています。
 そのチームでは、監督が厳しいのでメンバーがやめてしまい、どんどん少なくなっています。
 また一人、監督に叱られてやめそうになっています。
 主人公はその子と仲良しで、何とか引き留めたいと思っています。
 ある日、主人公は練習に出なくなったその子と、偶然出会ってキャッチボールをします。
 二人は、キャッチボールを通して心を通わせます。
 キャッチボールの大切さを二人に教えてくれたのは、実はチームの監督でした。
 次の練習試合の日、その子はやっぱり来ません。
 主人公は、やきもきしてその子を待っています。
 試合の途中で、ようやくその子が現れました。
 はたして、その子はチームへ戻ってきたのでしょうか?

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黒川博行「繚乱」

2016-10-14 08:49:07 | 参考文献
 2007年下半期の直木賞の候補になった「悪果」(その記事を参照してください)の後日談です。
 前作のラストで警察をクビになった大阪府警の悪徳刑事コンビが、競売屋の手先になって、またまた警察OBの怪しげなコンサルタントや極道とすったもんだしたあげく、苦労して大金を手に入れるまでを描いています。
 もちろん、この作品でも単純なハッピーエンドにならないような仕掛けはしてあります。
 ここでも、警察とパチンコ業界などの癒着や極道と言った裏社会に対する豊富な知識を駆使して、リアリティのあるエンターテインメントになっています。
 しかし、主人公の二人が、ますますただの犯罪者になっていくので、さらに読者が共感できない物語になっています。
 それを補うように官能シーンなども描いているのですが、どうも黒川は男同士の乱闘シーンの方が向いているようです。

繚乱
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毎日新聞社
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