ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

ハサミ男 殊能 将之

2008年12月31日 | 小説-日本-
1999年
講談社ノベルズ




これはミステリでは無い!ミステリのお約束を守っていない。

最後に、はいこの人が犯人です!実は、あの部分は本当はこうでしたっ!
これも本当はこうでしたっ!って、だましまくってまったく真実が見えないようにしている。
ミステリにも、あっ!だまされた!っていう本はあるが、
あとから、そういえばあの部分・・・見落としたな・・・って感じで、
だまされた自分を恥じるのだが、この本ははじめっから、読者を煙に巻く事しか考えていないのだ。

読み終わった瞬間、普通なら騙されちゃったな・・でも面白いと思うのだが、
この本は実に気分が悪くなった。

多重人格を扱うのはかまわないが、この本では全く必要のない設定である。
しかも、その多重人格ぶりも主格ばかりでおのおのすべての行動を把握しているようである。
自殺したがるという行動も、おまけ的であるし、実に陳腐な読み物であった。

私は、勝手にこの手の本を流水本(清涼院流水)といって嫌っている。
(ただ、好みの問題であるので、嫌っているが否定はしない、読んでしまった自分が悪い)

読む本は、かなり慎重に選んでいるので、読んだあとこれだけ
けちょんけちょんに悪く言う本も少ないのだが、
この本は本気で頭にきた。


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