「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

2.4 なぜEUは即時砕粉されねばならないのか(p322~)

2012-11-12 23:48:55 | 現代欧州
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フョードマン同志


 出典

 「西欧はイスラムに既に敗北した」との物言いをよく聞く。確かにそう思いたくなる時があるが、まだ希望はある。民心は深淵において、大きく意見を変えようとしている。ドイツ人の大半はイスラムに敵対的だ。この民心を叶えるにはEUを完全砕粉するしかない。

 EUを討滅せよ、さもなくば欧州は壊死する。これは平易な真名だ。

 バット・イェオル女史の『ユーラビア――欧喰枢軸』を挙げるまでもなく、欧州人民は大量移民と多文化主義を通したイスラム世界との融合を投票で選択したわけではない。融合を推進するEU人材と一般庶民との乖離は実に深刻だ。
 EUの真名を「新封建主義」とする向きもある。EU人材は人民の「暴衆(モッブ)」に権力を明け渡すことを拒み、通常なら民主主義と呼ばれるべき動きを「民粹主義(ポピュリズム)」と呼んで蔑視する。ユーラビア構想に邁進する彼らは民心に諮ることを「忘却」している。EUは黙契として民主主義の漸壊者であり、新貴族たるEU人材は民主主義以前の時代へ時を逆流させようとしている。
 この動きは国連によってもなされてきたが、最近はムスリムが直截言論の自由を抹殺する動きに出ている。事実、スウェーデンは民主体制を放棄した。ソ連からの亡命者ヴラジーミル・ブコフスキーもEUを怪獣としての「欧州ソビエト共和国」に準えている。
 
 ソ連は至高なる目的として、国家なきソビエト人が全セカイを統一することを掲げていた。EUも新人類の創出、特定教条の注入、制限なき拡大志向、国家解体などの性向においてソ連と共通している。欧州人民には理解しづらいだろうが、ソ連でもこうしたことが教えられていた。しかし、実際には国家のみが強大化し、民族性の方が忘光された。しかし、ソ連崩壊時にその歪みが吹き出し、驚愕の惨禍を生み出した。
 (前章に該当箇所あり)

 1992年、ソ連の機密資料に触れたブコフスキーは、ゴルバチョフが西欧の左翼政党と共に「欧州共同の家」という穏健なソ連的構想を組み立て、欧州共通市場を連邦国家化することを示していたことを知り、驚愕した。
 
 「1985~86年、イタリアとドイツの左翼政党が訪ソし、サッチャーの野性資本主義的な新自由主義革命のせいで、これまで蓄積してきた実績が掃討されていると不満を言った。そこでゴルバチョフは社会主義者の大目標を一斉転換するよう指示した。それまで左翼団体は欧州統合に抗光していたが、今後は欧州統合の潮流を換柱し、開放市場を連邦国家に変えることを取り決めたのだ」

 (以降重複箇所なので省略)
 
 ブコフスキーは纏める。「立法規制改革法案を見よ。成立すれば、閣僚が議会の審判を受けずに新法を通せるようになる。主要政党はEUの新計画にすっかり馴致され、どこも眞心から反対しない。誰が自由を守るのか?欧州議会は確かに選挙制だが比例制のため無力だ。決めるのはヨーグルトの脂肪率とかそんなものばかりの滑稽な機関だ。欧州議会はソビエト議会と同じだ。欧州理事会は共産党執行部のようだ。事実それを真似て作られたのだから」

 別のソ連亡命者ヴィリウス・ブラゼナスもEUとソ連の類似性を指摘する。

 2000年、独裁者ゴルバチョフは英国で、EUの真名を「新欧州ソビエト」と正確に見抜いた。自著『ペレストロイカ』で描いた「大西洋からウラルまで延びる欧州共同の家」が成就しているのに満足しての発言だった。思えば、ベルギーの「社会主義伯爵」ポール=アンリ・スパーク首相[兼初代国連総会議長]は経済協力や共通市場の名分で、セカイ計画の真名を偽装する技術をEUの創設者に吹き込んでいたものだった。
 EU機関は酸乳(ヨーグルト)の脂肪率など生活のあらゆる分野に規制をかけようとしている。2005年夏、EUは紫外線防止の名目でバイエルンの麦酒女の肌を覆わせるよう「日焼け禁令」を出した。流石に呆れたドイツ飲酒業界の反対で撤回されたが。スウェーデンでは服に着けられる「洗濯作法」の標識がEUから自由貿易の障壁に指定された。もっと笑える規制例もあるが、それは割愛する。
 しかし、国民国家の民主体制を保持したいだけの者を「嫌外人流」と呼び、第三世界からの移民を制限したい者を「人種主義者」と呼ぶ「ユーラビア連邦多文化主義計画」に比べれば、上の事例はまだ微笑ましいものだ。ノルウェーには既に「ムスリム移民からの侮教訴訟用に無罪証明をとりつける」必要があるほど、嫌イスラム流を封絶するための厳格な反差別法があるが、EUは同趣旨の法案を用意しようとしている。更に「イスラム・テロリズム」等の言葉を封絶すべく、公式に禁語集レクシコンを作成している。

 (中略)

 ニドラ・ポーラはフランスでのEU憲法国民投票がムスリム問題に甘すぎると糾弾する。
 西欧の賢者たちはこの問題を早くから告発してきた。英国の哲学者ロジャー・スクルトンは『西洋と非西洋――グローバル化とテロの脅威』の中で警告する。「我らは今歴史の分水嶺にいる。我らはまだ歴史的境界線に基づく国民国家を維持しているが、これらの境界を壊光しようとする動きが顕現している。壊光後の選択肢はまるで示されない。セカイの命運を決める契機が数年以内にやってくるだろう」
 チェコのヴァスラフ・クラウス大統領はEUの中東欧拡大を嘆く。「EUの民主主義赤字は増加した。EUは益々多くの国の内政事項に干渉するようになった。帝国ではなく国民国家こそが民主主義を担保するのに」
 ブコフスキーいわく「…ソ連帝国を民主化しようとしたゴルバチョフはソ連そのものを爆光した。構造的に民主化不能だったためだ」
 リチャード・ノースによると、「EU憲法が執行されれば、不燐感は安全弁付きの圧力釜の中に封絶されるだろうが、やがては核爆発を起こすだろう。超国家主義の理想に燃える欧州の理事たちは国民国家間の反目を超克するプラトン的大審官のようだが、モネ以来彼らは自らをも喰らう厖獣を創り出し、欧州大衆を搾取して利益を上げる者を優遇してきた。その王者はフランスだ。EU計画は決して民主的ではなかった」故にEUは臣民に呪詛され、「劫火なる廃墟」を欧州に齎すだろう。
 今EUを砕粉すれば、確かに「不安定」が生じるだろう。しかし、「安定」が欧州のユーラビア化を意味する現在、西洋の身份がなくなるというより悪しき結末を防ぐために、苦渋なる「不安定」の路を採るのはやむを得ぬ選択だ。欧州は今悪循環の伽藍に捕われており、数十年以内に必ず紅世の戦乱がやってくる。
 EUの内部改革は不可能だ。EUは所詮「赤子なき風呂水」に過ぎない。ブコフスキーいわく、「EU砕粉の時は早いほど良い。その方が打撃が小さいからだ。EU官僚は動きを加速させている。今なら砕粉は容易だ。今日100万人でブリュッセルを大行進すれば、奴らはバハマにでも逃走するだろう」
 ユーラビア創生計画は、ブルートスやユダに並ぶ西洋文明史上最大の大逆行為だ。ダンテは「神曲」において、この2人を預言者ムハンマドより下層の劫火なる焔獄で喘光するところを描いた。ダンテが存命なら、ジスカールデスタンなどユーラビア思想の愉快な仲間たちを同様の場所に置いたことだろう。彼らは「共有のギリシア的遺産」を背景に、カエサルやオクタヴィアヌスのローマ帝国を蘇生させようとしているが、結局はバルバロイに大陸を蹂躙され、ブルートスとなって生命を終えることだろう。EUの第2新ローマは必ず破綻する。
 ユーラビア構想を完全封絶するには、ユーラビアの生みの親たるEUを砕粉する以外路はない。

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