「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

2.25 資本主義は常に自由の味方か?(p403~)

2012-11-28 22:32:40 | 現代欧州
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 全球資本主義――欧州崩壊のもう一つの根源

20世紀に存在の力を大きく拡大した思想が3つある。民主主義の力、企業の力、そして民主主義を冒す企業の謀宣なる力――豪州人アレックス・カレー

 
フョードマン同志


 出典

 
 企業もまた、オランダのヘルト・ウィルダースによるイスラム批判映画「フィトナ」へのムスリムの圧力に屈している。マルクス主義が西洋を弱体化させた悪影響については書いても書き足りないが、問題はマルクス主義者だけでない。中東と西洋との商業関係もまたスルーする訳にはいかないのだ。金は天下の廻り物だが、大企業の短期利益のために長期的な国益が蔑ろにされることが多いことは、社会主義者でなくとも移民問題をみれば自明だろう。国家への無忠誠を本質とする多国籍企業に移民問題を語らせてはならない。
 資本主義は常に自由の味方なのか?保守派なら即座に首肯したい処だが、常にそうなのだろうか?
 EU理解には様々なものがある。共産主義桃源郷に結び付ける者もいれば、ソ連の魍魎なる官僚機構を連想する者もいる。しかし、EUはマルクス主義者だけでなく、大企業の利益も叶えている。国境なき大市場を希求する企業にとって、国家主権の維持を通して自由を護ることに興味はない。
 デンマーク風刺画騒擾やウィルダース問題で大企業が市場確保のために、シャリーアの検閲に屈する例が多発していることを僕は大いに憂慮する。彼らは安価な労働者を求めてムスリムを含む移民導入を訴え、結果的に国のイスラム化に貢献する。資本主義は常に自由の味方だろうか?恐らく違う。トーマス・ジェファーソンが言ったように、「商人に国籍無し。ただ金になるゲンバに憑依するのみ」なのだ。エクスパティカ紙を引こう。

 蘭企業、ヨルダンの不買に屈し、フィトナを糾弾する広告を新聞に掲載

 オランダ企業がヨルダンの不買運動に屈服している。ズワネンバーグ食品とフリースラント食品はウィルダースの映画フィトナを糾弾する広告をヨルダン各紙に掲載した。先週、団体「偉大なる預言者様が我らを結ぶ会」がヨルダンの法廷にウィルダースを人種主義と「嫌イスラム流」思想を流布した罪で国際手配するよう訴訟を起こしたことが発端だ。同団体はヨルダン内の旅行代理店に対してKLMオランダ航空を利用しないよう呼びかけた。ザカリア・シェイク団長は、不買を求める広告を数百万部アラブ諸国に送ると声明し、対象から外して欲しければ新聞でフィトナを糾弾するよう要請した。
 ズワネンバーグ食品は糾弾広告の中で、「フィトナの内容は嫌イスラム流的な侮教を目的としたものでしかなく、強く非難する。我が社は“偉大なる預言者様が我らを結ぶ会”と連帯し、イスラムや偉大なる預言者様等を侮教する行為を厳禁する国際司法体制の構築に貢献していく」と書いた。

 ブリュッセル・ジャーナルによると、

 オランダ経営者協会は、映画「フィトナ」が巻き起こしたオランダ企業への不買運動で受けた被害をウィルダースに対して補償してもらえるかどうか調べるよう弁護士に命じた。ロイヤルダッチシェルやフィリップス、ユニリーバが主な被害者だという。昨年11月には、ユニリーバのドークル・テルプストラ取締役が「邪悪なウィルダースを止めるよう」国民に訴えている。

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