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スマートじゃないコントロールブレーキ

2014年10月16日 | 修理

こんにちは、ビショップです。

プロバイダさんの都合によりブログの引越しをしました。

アナログ人間にとって引越作業は拷問でしかありません。

調べれば調べるほど聞いたこと無い言葉がどんどん出てきます。

その言葉を調べたら、その言葉を説明するためのまた新たな言葉を調べ・・・

永久ループ突入です。

聞いたことない言葉を聞いたことない言葉で説明してあるもんだから、完全に思考停止。

挙句の果てには何を調べてたのか調べ出す始末・・・・・

ニーロクハッサンのタチをフンドシコミでよろしいですか?

自転車業界の人しかわからない言葉でお客様に説明するのは失礼ってもんですよね。

でも日本語で言うと、まわりくどくてよけいにわからくなる場合もありますしね。

とはいえ、やっぱりプロの説明はわかりにくいものです。

気をつけなくては。

で、タイトルのスマートじゃないコントロールブレーキについて。 

このタイプのブレーキです。

最近の子供乗せ自転車に装着されているスマートコントロールブレーキなるもの。

ブリヂストン、ヤマハの子供乗せ自転車に装着されています。

三人乗り自転車にとってブレーキの制動力は安全性にかかわる重要な要素のひとつ。

当然ながら制動力自体はまったく問題ありません。

ただし、新しいうちは、です。

乗れば当然ブレーキシューは減っていきます。

特に雨の日に乗ると水研ぎのような状態になり、ブレーキシューはどんどんすり減ります。

雨天使用されている方はブレーキダストによる汚れが付着し、前輪が黒く汚れます。

どこがスマートじゃいかという前に、まずはブレーキの構造について。

ブレーキレバーを握ると、パンタグラフ(ひし形に組んである金具)がへしゃげてブ左右のブレーキアームを押し広げます。

縦ひし型が横ひし型になるイメージです(上画像)。

左右アームの先端についたブレーキシューが車輪に押し付けられてブレーキがかかります。

しかし、理論上はそうであっても実際使うといろんな問題が起きます。

ではスマートじゃない点についての考察。

まず、赤い丸に注目。

最初はココの部分の隙間はごくわずかですが、使うにつれてどんどん隙間が広がってクセがつき、パンタグラフの動きがスマートじゃなくなってきます。

ブレーキワイヤーのルートによってはブレーキレバーだけがカチャカチャ遊んでしまい、ブレーキ本体がまったく動かなくなったりもしますが、ブレーキ本体に対して真上からのルートを通してやるとスム―スに動くことが多いです。

四角いアルミの支柱に白いコの字型のスライダ(すべりをよくするための樹脂部品)を上下にセットし、パンタグラフがスムースかつバランス良く動くようにつくられています。

しかし、しばらく使うと徐々に症状が出てきます。

上下のスライダはそれぞれ独立しているため、ブレーキをかけると上下のスライダが圧迫されます。

当然その力は逃げようとするため構成部品の変形につながっていきます。

隙間が広がってくるのはそのためです。

パーツ交換せずに、とりあえずの対処方法としては、この隙間に樹脂を侵さない成分の油(シリコングリスのようなもの)を薄く塗ると改善する場合があります。

イメージ的には指先に極少量をつけて軽くなでる程度でOKです。

ただし塗りすぎると粘っこい成分のため動きを妨げる可能性もあります。

塗ったあと軽く拭き取ることですべりの良い状態になります。

支柱に汚れが溜まると、スライダのすべりが悪くなりレバーを握っても戻らなくなったりします。

この支柱部分は定期的にクリーニングしたほうが良いと思います。

もちろん当店でお求めの方の自転車は定期点検の際に無条件でクリーニングさせていただいています。

そして、問題はそれだけではありません。

パンタグラフ機構によってブレーキアームの可動域が制限されるため、ブレーキシューが使いきれないという問題点もわかってきました。

乗ってる時の自覚症状としては、ブレーキレバーを握り込んだ時にレバーがある一定の箇所からそれ以上握りこめなくなってしまいます。

要するにブレーキがかからなくなってしまうのです。

この時ブレーキ本体で何が起こっているかと言うと、

パンタグラフが可動限界に達しそれ以上動けないにも関わらず、ブレーキシューはすり減りのためリム(車輪)に届いていない状態です。

いくらブレーキが前後2系統あるとはいえ、これってOKなんでしょうか・・・・・

ちょっとした寸法の見直しで改善できると思うのですが。

もちろん当店ではちゃんと対策も考えてあります。

すり減った寸法を補えばよい。

ということでワッシャを追加しブレーキシューの寸法を増加させて対応しています。

ナットの掛かり寸法の問題もあるので、片側2~3枚くらいが限界でしょうか。

これでブレーキシューを安全に最後まで使い切ることができます。

どうです、わかりにくかったでしょ?

※当店でお求めいただいた自転車は、定期点検の際にすべて必ずチェックさせていただいておりますので安心してご使用いただけます。

 


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