美容室グレープス (飯田市) 店長&スタッフ・ブログ

飯田駅アイパーク広場前「美容室グレープス」(グレープス.com)のブログ。 
本店「スズキ美容室」(飯田市)の話題も。

一枚の写真から・・・

2016年10月16日 | ウェディング

Presented by  グレープス.com  and スズキ美容室.com 

and  スズキ美容室・訪問サービス  (長野県飯田市)

 ◆ 一枚の写真から・・・

 

かつて、飯田で、神前結婚式といえば、「大宮で・・・」といわれた、

「大宮温泉(ホテルオオミヤ)」&「大宮神社」へのオマージュをこめて、

 

 

美容室では、お嫁さんのお支度をさせていただいたお客様から、記念に、花嫁さん花婿さんの写真を頂くことがあります。

美容室グレープスの本店、「スズキ美容室」でも、たくさんのお客様から、お写真をいただいてきました。

 

その中の一枚に、この写真があります。 

 

古いものでは、50年以上も前の写真から、当店がお仕事をさせていただいたご結婚式の記録を振り返る作業を行っていた中で、

この写真が、特別に目に留まるものだったため、

今回、関係者のお話しなどを中心に、いろいろと取材をしてみると、

この写真が撮影されるまでの背景には、色々なストーリーが詰まっていることがわかりました。

 

早速、この写真の背景をひも解いていってみたいと思います。

 

◆この写真は、いまから、20数年前に、スズキ美容室店主・鈴木文子がご依頼いただいたお仕事の花嫁、花婿様です。

 「新郎、新婦さまは東京を拠点に生活をされていっしゃり、東京で披露宴をすませてこられて、

この日、新婦様の郷里の飯田でのお式とご披露となりました。」

当初のお式の予定日に、先約のお嫁さんのお仕事が入っていて、それが名古屋への出張でのお仕事だったため、

お客様が、わざわざ日取りを変更してまで、ご依頼いただいた経緯から、

スズキ美容室・店主は、

美容師冥利に尽きる思いで、忘れられないお仕事となった、と壊述しています。

 

そして、

◆この結婚式の場所は、飯田市諏訪町の「大宮諏訪神社」、ご披露は、隣接の「ホテル・オオミヤ」。

飯田で、永く「大宮温泉」と呼ばれて、たいへん多くの方々に親しまれたホテルであり、割烹でした。

 

当ブログの前号のテーマでもあった「鯉の甘露煮」は、かつて、このホテルのお料理の代名詞でもあり、

(良くも悪くも、ワンパターンではありました。)

このお料理が、飯田での結婚披露宴で、欠くことのできないポピュラーなアイテムになったのは、

このホテルのおかげ?かもしれません。

 

それだけ飯田の人たちから支持されていた「ホテル・オオミヤ」が、まさか営業を終える日が来るとは、

多くの方が思いもしなかったのではないでしょうか。 (今から約10年前)

 

昭和生まれの、いまの飯田のお父さん、お母さん世代までの、たいへん多くのカップルが、

結婚式、披露宴を行ない。

あるいは、結婚式のお祝いに駆け付け、祝宴を挙げた、飯田で最もポピュラーだった結婚式場が、

大宮神社であり、ホテルオオミヤではなかったでしょうか。

 

日本の文化を愛し、骨董などにも造詣が深かった、ホテル・オオミヤの元オーナーが

自社の衣裳部に「江戸花嫁」とまでうたって、古典の花嫁にこだわられたことも、

この神社、式場から、数多くの和装花嫁さんが誕生した理由の一つだったのではないでしょうか。

 

そして、スズキ美容室がたずさわらせていただいた和装の「花嫁さん」の数が最も多いのが、

この大宮神社での結婚式によるものです。

 

この写真には、今となっては貴重な、当時の大宮神社での「お嫁さん」が、記録されています。

 

そしてもう一つ、

◆この集合写真に写っている花婿さま、ご親族さまのきものに注目して観てください。

この写真のなかの、お嫁さんの「白無垢」以外のお着物は、

お婿さんのコーディネイトをはじめ、すべて、あつえものです。

 

きものに詳しい方は、お気づきかと思いますが、

レンタル衣装で揃えられた場合とその趣が違います。

すべて地元の呉服屋さんによる見たての、おあつえのお着物だそうです。

 

きものへのご愛着、特別なこだわりをお持ちのご一家であるということは、もちろん理解できるのですが、

 

昔から、飯田の街には、数多くの呉服屋さんがあり、

この街では、昭和の時代の終りころまでは、日常の生活の中でも、着物を着る機会が、都会などに比べて、

はるかに多かったこと。

そして、実際、皆さん、素敵な着物をお持ちだったことが、偲ばれます。   ※1

 

◇ 現在の大宮神社の本殿。

秋のお祭も終わり、ひっそりとした境内。

 

私たちの美容室も、9月のお祭りの際には、神輿の担ぎ手さんの、きりりとして、「粋な」アップヘアを造らせていただきました。

が、当日は、夕方からお天気が崩れてしまい、大雨に。

今年のお祭りは、皆さん大変でした。

   

 ◇正面の鳥居

この神社の本社は、誰もがご存知の「諏訪大社」

飯田の、この大宮諏訪神社も、たいへん古い歴史があります。

 

  

◇門をくぐると急傾斜の石段。

古木の杉の木が大変立派です。

が、以前はうっそうと茂っていた鎮守の森も、ちょうど、「ホテル・オオミヤ」が、破綻、閉鎖されると同時に伐採され、

今は、この写真のように、空が見上げられるくらいのまばらな状態になっています。

 

  

◇手水舎

現在は、常駐の神職さんが不在の神社となっていますが、手水舎は、清潔に管理されています。      ※

地酒も奉納されています。

 

   

◇夫婦杉

結婚式の式場に相応しい、縁起物です。

  

 ◇急傾斜の石段を登り切ったところが本殿。

本殿の向かって右側に隣接するのは長久寺。 

◇長久寺越しに飯田の街を眺める。

長久寺の歴史も古く、かつては、この「大宮諏訪神社」を所有していた時代もあったと記されています。

飯田城の藩主・堀公のお墓があるお寺としても飯田では有名です。

 

◆「結婚式の記念写真」は、歴史の証言者◆

今回、一枚の結婚式の写真から、強いインスピレーションを受け取り、

その作り手である側の視点で、色々なことをひも解いてきました。

結婚式の作り手側に、これほどの思いが湧き上がる写真なのですから、

この写真の主人公、ご親族のみなさまには、もっともっと深い思いがあることは、察して余りあります。

 

・・・これも後日談として伺ったのですが…

当時のホテル・オオミヤでは、結婚式の記念写真は、施設内のスタジオでの撮影が慣例だったところを、

この写真は、お嫁さんの強いご希望で、境内でのロケ撮影が実施されました。

そのご希望に応え、髙木写真館さんの先代のご主人が、渾身のこの1枚を撮影されたとのことです。

 

◆理にかなった方法で、細部までこだわって作り上げたもの、思いがこもったものは、必ず、他人に伝わります。

そんな経験をみなさんお持ちのことと思います。

この1枚の写真は、シンプルそのもので、奇をてらうところなど一切ない結婚写真です。

が、それでも、目を引く。

歴史の記録としても貴重。そして、さまざまな感情がこあみげてきます。

たぶん、そうさせるものが、この写真の背景に、たくさん詰まっているからなのでしょう。

 

◆「演出重視」で、合成、修正を多用した、イメージ写真の方向に比重が向いているように映る、最近の結婚記念写真の世界ですが、

のちのち、つまり、30年、40年後か、もっと後になって、

「この日、この時、この場所で、この人と、撮っておいてよかった」、

「人生の一場面のよい記録になっている」、と思えるかどうかの基準で、

(もちろん、天気が悪くても、木の葉が紅葉していなくても、デジタル合成で造ってはダメですよ。)

今回、ご紹介させていただいたような視点で結婚写真を撮る、ということは、

若いカップルのみなさんも、大いに参考になるのではないでしょうか…

 

◇さいごに、

かつては、貴重な写真をご進呈くださり、今回は、このブログへの掲載を快諾していただきました、

三ツ井様に、こころかお礼申し上げます。

 

 ※1 飯田は呉服店さんの町

飯田の旧市街地 「丘の上」  ※2 では、

現在も呉服店さんは、数多く営業されていて、かつての城下町は、「呉服店の町」の形容に相応しい。 ※3

ちなみに、(都会の皆さんに誤解のないように・・・・) 以下は、現在の飯田の丘の上とは、こんな町。 (お店の数の単純比較です)

本屋さん(0) < コンビニ店(1) < スーパー(2) < そば店 < 焼肉店 < 呉服店 < すし店 < 和菓子店 <<< 飲み屋さん ≒美容室 (多数)

圧倒的多数(10以上)は、飲み屋さんと美容室。 信州なのに、お蕎麦屋さんが少なく、お寿司屋さんが多い。

 

※2 丘の上

坂の多い飯田の町の一部地域の通称。

定義としては、江戸時代の飯田城の城下町跡から、JR飯田駅までの飯田の旧市街地を指す。らしい。

旧市街地と呼ばれるが、新市街地がない飯田の町では、唯一の市街地ともいえる。

空洞化による、郊外移転に伴う閑散(シャッター街)化が著しいとも言われるが、

飯田の場合は、郊外の国道沿線の商業地帯も収縮傾向のため、

町全体の衰退が危ぶまれている。

 

※3 呉服店は飯田の象徴

飯田の呉服店は、かつて養蚕の産地として栄華を誇ったこの地域のひとつのシンボル。

因みに、飯田駅の近くにある飯田を代表するホテルには、「絹」を冠した名前が付けられている。

 

 

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