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Barbara,Chansonのサイト外情報を収集、発信します。(PLANETE BARBARA)

「さよならは言わない」(暮らしの手帖社刊)

2005-09-16 18:51:42 | その他講演・コンサート等のお知らせ
前頁で紹介した石井好子さんのリサイタルがいよいよ3日後にせっまって来た。そしてそのリサイタルとタイトルも同じ「さよならは言わない」という石井好子さんのシャンソン本が発売された。(暮らしの手帖社刊)。365日一日の休みもなくその看板を背負って出演され「Naturiste」のこと、オランピア劇場御出演のこと、ドゥービルのシャンソンコンクールのことなど等、その時代、場所を現在の視点で振り返られている。60年の歌手生活の思い出が一杯詰まっている。物凄い出会いも多い。
昨日一気に読んだ。若き日々のParisでの歌手生活のとき、サガンの名訳で知られるあの朝吹登水子さんとアパルトマンをシェアーされている。朝吹氏を通してサルトルやボーボワールとも親しくされている。
ただ、私は迂闊にも知らなかったが、その朝吹氏、9月2日に亡くなられた。シャンソンファンならたいていは朝吹氏のサガンやボーボワールの名訳に接してきている筈だ。サガンの人気は日本でどれだけだったか、朝吹氏の名訳に負うところが多い。感謝を込めて謹んで朝吹氏のご冥福をお祈りしたい。Parisの日々を共に過ごされた石井好子氏のショックはいかばかりか、想像に余りある。それだけではない。その前日の9月1日には弟君の元昭和海運社長石井大二郎氏を亡くされている。もうお悔やみの言葉もない。どうかリサイタルまでに心身を回復されて、力強く歌っていただきたい。壮絶なステイジになるだろう。心の思いを天国にいらっしゃるお二人にぶつけるつもりで、弱気にならずに勇気を出してこの運命の黒雲をシャンソンによって、歌うことによって吹き飛ばしていただきたいと、切に願っている。