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けせらせら




近頃、9歳の娘が時々、いや、しょっちゅう

「ねえ、わたしは誰と結婚すると思う?」

と聞いてくる。

好きだった男の子が転校したからだろうか。将来(笑)が気になるようだ。



おかしなことに、彼女が次々に挙げる結婚相手候補は「すでに知っている」人に限られる。

おそらく子どもが現実主義でそれ以上に唯物主義だからだ。
今後数十年間のうちに、世界各地で知り合うであろう、ありとあらゆる年齢のさまざまな人種の男性、というのは彼女にとっては存在しないも同然なのである。

つまり「いつか王子様が迎えにくる」とか「いつか赤い糸でつながった人と出会える」などというセリフは、大人が子どもに徐々に教える幻想の甘いお菓子、ということになる。



「そんなの分からないですよ。まあ誰と結婚しても幸せにやっていけるような人に、あなた自身がなったらいいですよ。」

それが成熟というものである、と思うからである。



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インド、悠久









神戸には昔からインド人が多く住んでいる。
実家の近くにも豪奢なインド人家庭などがあったが、わたしには彼らに対して紋切り型の知識しかない。そういえば今思い出した、若い頃、友人のインド人男性がいて、控えめで知的でエレガント、ものすごいジェントルマンであった。


オマーンにインド人が多いのには「えっとここはどこやったっけ?」と錯覚してしまうほどだった。そういえばセイシェルにも、モーリシャスにも、南アにも、モルディブにも、インド人は多かった。

あの辺りの海は彼らのものであり、おそらく人類はこうやって全世界に広がっていったのだろう、と。もちろん動機は純粋で「食べるため」である。そのことにクラクラするくらい胸をつかれた。おそらくわたしの遠い遠い祖先もそうやってどこかから渡って来たからだ。


一方、前夫はインドへ邂逅し、修行に行き、それきりだ。インド人じゃないけど(笑)。悪妻を持ったからか。



写真はインドではなく、オマーンです。


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オマーン








アラビア半島最南西端のオマーンへ行った。


「泊まりたいホテルに泊まりに行く」というのが毎度の旅の目的で(客室が地上階に一棟づつ独立して建っていて、部屋付きプールがあればなお良く、抜群のレストランがあり、無闇に多いスタッフがプロ中のプロ、交通の便が悪ければ更に良い)、今回も周囲から「オマーン?なぜに?」と口々に言われたが...

大満足であった。仕事も家事も育児も、雑事は一切しない、昔の欧州の年金生活者のような人生を送ってみたかった、とつくづく思った。


西洋社会では、イスラムの負の部分ばかりが諤々(がくがく)とされるが、良き部分も同じように存在するわけで、あたりまえなそれを祝福。
エミレーツのドバイやアブダビよりも「素朴なおとぎ話的アラブ(@CNNトラベル)を残」し、一神教のしんとした統一感と移民の持ち込んだパガニズム的にうねうねしたものの共生に魅了された。今年中にぜひ再訪問したい。


リゾートへ行って帰ってくると、今までの生活や時間が脱臼したかのようになってたまらなく据わりが悪い。夜間飛行でマスカットを出るとき「わたしはこれからブルージュという美しい街に観光旅行に行くのだ」と自分に言い聞かせたが、完全に徒労に終わり、悪い夢を見た。



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うちのパパが言うことには




義理の父が

人生のすべては「待つこと」ですよ。

と、言う。


トーストが焼けるのを

信号が変わるのを

子どもが学校から出てくるのを

メールの返事が来るのを

朝が来るのを

そして死が訪れるのを。



今日、車を使わずにブラッセルで複数多数の用事を消化していて、トラムとメトロを待つことに耐えきれず、タクシーに手を上げながら思い出した。

特別にイラチなわたしが、彼のような心境に達するのに、あと幾年必要だろう。



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自己イメージ




わたしはブラッセルの美容室に通っている。
ベルギー在住の方ならばどなたでもご存知の日本人スタイリストのおられる美容室だ。


いつもああしてくれ、こうしてくれ、と注文の多い客にもかかわらず、彼女らはプロ中のプロ、常に礼儀正しく、配慮が行き届き、とても感じのいい接客をしてくれるのである。

おすすめです。


前回カラーリングをしたとき、アレルギー症状が出たため、今回からチョコレート、シナモン、ナツメグの自然染髪料で染めてもらうことにした。化学薬品で染めるのとは違い、使えば使うほど髪にいいというのがかなりうれしい。
ただし、髪の明度を上げることはできないので、わたしの髪は久しぶりにダークなブラウンになった。


そうしたら知り合いに、

「まあ、あなた、日本人に見えないわ!」

と、言われた。

髪が長いので、その分ダークブラウン面積が広く、自分でもかなり雰囲気が変わったとは思っていたが、そんなコメントは予想外だ。

若い頃は、「シンガポール航空のフライトアテンダントにあなたみたいな人ってよくいるよね」とか、インド人(神戸にはインドの方が多い)に「インドにあなたによく似た女優がいます」(女優は美女だけではない)とよく言われたものだ。しかし最近はすっかりコンサバになり、どこからどう見ても「日本人」のはずだ。


先日、友人たちと会話中、
「わたしって国際結婚主婦じゃなくて駐在主婦っぽいよね?」
と言ったら、
「ええっ?違う~」
と絶叫された。

「え?じゃあ国際結婚主婦っぽい?」
と聞いたら、
「う...それも違う...」
「駐在主婦には見えないけど、ベルギー人と結婚している人にも見えない」
「既婚に見えない...でも働いている人にも見えない」

「何にも見えない」ってどういうこと?!


わたしが自分に対して持っているイメージと他人がわたしに持つイメージと、かくもギャップがあるものなのか。わたしのイメージ戦略(そんなのないけど)はことごとく失敗だというのか...

とにかくわたしには想像力がないということがよくわかった(笑)。
イメージコンサルタントという楽しそうな職業があるが、わたしでは絶対に成功しないに違いない。



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