BRIX Ⅱ in つくば (The Hardy-style Scientific Bids at Tsukuba)

ハーディ式の“つくばSci”(サイエンティフィック)を軸に,『ブリッジソサエティ掲示板』同様他システムも取り上げる.

ビッド問題 痴愚神礼賛(後記) 1D-2Dを優先すべき真の理由

2017年05月26日 | Weblog

 

0  愚者


〔口絵の言葉〕 タロットでは一般に「愚者」と訳されていますが、「阿呆」位の方が合いそうな画も有ります。これだと狂女です。

テレビの無かった時代は、西洋でも日本でもこういう人が町の人に笑いと安らぎを与えながら、見守られて居たそうです。

 

今回の問題では、システムとしての正しい結論に手早く到達するためには、1D-2Cの後4Dで止まれない約束で説明するのが明快だから、その論法を用いましたが(数学で否定の結論を導くのには反例を示すのが一番簡単なことと同じ。)、遡ってその約束の合理性については、必ずしも多くの人が納得しないでしょう。

しかし私の直感では、仮に4Dで止まれる約束になって居たとしても、1D-2Dを優先するのが賢明だと見られます。

こう考える理由としては、取り敢えず原理的な判断が2つ有ります。

  1. ショー・フィット・ファースト

    メジャーフィットが無いことが明らかなら、Dフィットを頼りに、まっしぐらに3NTか6Dを目指すべき。

    (6Dが出来ず6Cが出来る場合でも、前稿のように3Cをビッドすることで大抵のケースがカバーできるだろう。)

  2. 折角、逆転(inverted)マイナーレイズという精緻正確な体系を採用しているのだから、適用できる場合はそれを優先する方が効率が良いはずだ。
後者の同類としては、2ウェイドゥルーリーを採用している以上、妨害が入った後でも、出来る限りシステムONにした方が良いという考え方と同じです。
 
(無論そうでない考え方の人は大勢いるけれども、現代的に高度に洗練されたシステムを採用しているときに、独自の工夫で例外を入れても、覚えにくくなるだけで*、統計的には五十歩百歩の差しか無いことも多いものです。エキスパートのゲームについては分かりません。)
         ____________

ここまでは、原理的な判断で、そういうものは大抵正しいものですが、それでも具体的な現象として本当にそうなるのか、懐疑的な人は居るでしょう。

ハーディは、緑本を書く段階で、随所で注意深く紫本への連続的な発展を準備していたことが窺えますが、紫本で導入される逆転マイナーレイズ1D-2Dとの関係については、どの程度見通していたのだろうか?

(続く)

______

† 2000年頃、2/1FGには様々な例外が有った。そもそも1D-2CもFGにするのは少数派だった。ハーディはシンプルさで評価されていた。

‡ 2006年にブリッジに復帰した時に驚いたのは、つくばではNMF、FSFなどが、漠然としたムードとして使われていいるだけで、その後の約束(継続)は何一つ正確ではなかったこと。それで教師会メンバークラスの人が「私はCCに書いて有れば、その通りに誰とでも合わせられます。」と胸を張って居られたものでした。

それは当時のJCBLの普及教育の理想像だったとも見られますが、ゴーレンのシステムと、2000年以後とでは、コンベンションの継続についての約束が、(スーパープレシジョンに優るとも劣らず)2段階は精密になって居るから、初中級者まではともかく、真摯なプレイヤー同士には通用しない話です。

* 提案者本人は、そのビッドについての自分の強い成功体験や失敗体験が有るから、忘れにくいけれども、パートナーの方は、約束が煩雑になるだけのことが多い。

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9 コメント

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インバーテッドマイナーレイズ (H.NISHIDA)
2017-05-27 08:25:29
私は2オーバー1GFが好きでは有りません。
特に
1D-2CでGF出来る(適切な)HANDは出現頻度が
少ないと思っているからです。まして♦4枚でそこそこの
強さなら2Dが適切ケースが圧倒的に多いと思っていました、その内Hand-copyを見ながらどんな出現率か
ご報告します。
尚もう一点の提案は
 1Dー2D
 2Sー?   ここでHにストッパーの無いレスポンダーが3Cで♣スーツを示す必要性が低いと思う事から

 3Cは自分には♡ストッパーが無いが,♠3枚が有る
 5Dより4-3なら4Sはどうでしょう?と言うINV
 にしてみたい、と言うものです。
この考え方を拡大していくと

 1D-2D
 2Nー3C  は♣ノンストップのステイマン

 1D-2D
 2Hー3C はスペードノンストップの♡3枚

 1D-2D
  ?-3D はサインオフ
 と成ります。
4-3フィットの切札 (五S)
2017-05-27 09:56:29
これぞ上級者からエキスパ-トの世界ですね。ゴーレンの時代には、4-3フィットでプレイすることが空気のように日常的にありましたが、今の私は、システムで想定することは無くなりました。ハーディの2冊の本の中にも、4-3でメジャーゲームをビッドすることに言及されていたかどうか、全く認識が有りません。

自分でも滅多に選択しませんから、初中級者に勧めることは有りませんが、私の(年齢的には20近く若いけれども)幾分古風なパートナーで、そういうコントラクトが大好きな人も居ます。

インバーテッドマイナーのシングルレイズの後、ハーディは、メジャーゲームを完全に捨てているわけですが、それは一部のエキスパートには物足りないとか受け入れないとかとしても不思議では有りません。

今そのことを系統的に追究している人が、世界に他に居るかどうかは分かりませんが、興味深いテーマですね。

続きは、しばらくはこのスレッドで大丈夫ですが、少し間が空くようなら、一番新しいトピックのところにコメントしてくださった方が紛れないと思います。
戦術 (虎ひげ)
2017-05-29 15:23:09
H.NISHIDA様、OPに4-3と判るビットは?
相手にMかmの選択権を与えかねません。

OPに判らぬ4-3より遙かに低いと思います。
4-3フィット (H.NISHIDA)
2017-05-29 17:27:06
虎ひげ様
書かれている日本語が充分理解出来ないまま書いています。
”OPに4-3と判るビッドは?”
OPがオポーネントの意味で、OPにもそうと知られると
ディフェンスが容易に成る、とかより正確にDBLを掛けられる、等の意味でしょうか?
それなら、少しでもBESTコントラクトに近づけるなら
止むを得ないとと私は考えています。
アドリブやひらめきでOPを煙に巻きながらビッドするのは時によって不公正である恐れさえ有るかもしれません。
但しここで、私が直感で思っていたより、3NTが無いのに4Mのゲームが有るケースですが、ランダムな150
ボードをチェックして、2ボードしか有りませんでした。
これでは、マイナーウッドの使用範囲を狭めたり
多少なりとも何かを犠牲にしてまで、4-3フィットに拘るのは得策と言えない、と宗旨替えしました。
お騒がせして申し訳有りませんでした。
お二人のご討論感謝 (五S)
2017-05-29 20:28:50
NISHIDA様>少しでもBESTコントラクトに近づけるなら止むを得ない

これは私はブリッジの上手い後輩に基本精神として指導されました。スーパープレシジョンも彼に勧められて始めたもの。

それで私は今でも、ディフェンスシグナルについてまで、とりあえずはパートナーに正しい情報を伝える習慣を身に付けるように教えています。

カウントシグナルなどは大抵は関係ないどころか、初心者の内は、情報がパートナーには利用されず上手のデクレアラーにだけ利用されることが多いのですが、中年になってからブリッジを学んだ人でも十年もやって居れば、有用性の一端が分かる機会が有るでしょう。しかしそれに気づいてからシグナルをきちんとやろうと思っても、そううまくは行きません。

運転練習でウィンカーを出すようなものです。

初めからきちんとやって、五年から十年くらい経ったら、意図的に情報を隠す術を学んだ方が良いと思うのです。

ビッドも、正確で精密なシステムの快適さと有効さを一生感じないで終わる或る意味ではそれなりに幸させなプレイヤーも多いけれども、もしその一端を感じた場合に、それから学ぼうと思っても、若くないと、なかなか困難な面が有るように見えます。
         ______________

ブリッジは「ビッド7割」と言っていたのが、林さんは黒本の後書きで「8割」と書かれました。この全てが最終コントラクトだけの問題かどうかは分かりませんが、まあホントに「ビッド8割」なら、「最終コントラクト7割」は有りそうです。

だから、やはりベストコントラクトを探し、その結果が切札のブレイクなどの様々なありふれた原因や、稀に虎ひげ様が同じテーブルか会場に居るせいで、揺れ動くのは、統計的現象として受け止めるのが良いと思います。
         ____________

>ランダムな150ボードをチェックして、2ボードしか有りませんでした。

印象的で貴重なデータですね。

4-3のメジャーフィットがあって、3NTは出来ず4Mのゲームなら出来るというのが、全くランダムなハンド150例の内2例だったと言う意味ですね?

そうだとすると、3セッション(1日か1日半)の試合に1度あるわけだから、例えばリーピングマイクルズより多いかもしれません。

なお2/1FGレスポンスを自分のサイドでやるのは、平均して1セッションで1回未満、ドゥルーリーが1回、FNTが1回半程度と認識しています。この辺についてもご教示頂ければ幸いです。NMFやFSFも約1回ではないでしょうか? 

そもそも最終コントラクトの統計などいくらでもあるのでしょうけれども、何か公表されているものはあるのでしょうか?
出現頻度 (H.NISHIDA)
2017-05-29 22:25:59
静岡BCではJTOSのランダムHandを使い
これをBOSで機械組み込みと同時に、コンピューター
解析にて全ての(NSEW、NT、S,H,D,C,)コントラクト
が何メークするか表示されるHand-copyを使っています。今回の2/150はこのHand-Copy 6枚をCheckしたものです。
コンピューター解析の結果は
見てきたようなディフェンスもする代わり、超難解Playも含まれますので、実戦的で無い物も含まれますが、比較的簡単に頻度が推定出来ます。
GF、NMF、その他近いうちに同じ6枚での結果をご報告しましょう。
チームでのビッド出現確率 (付)或るコントラクトの分布を調べたら (五S)
2017-05-29 22:46:33
(今投稿しようとしてNISHIDA様の新しいコメントに気づきました。楽しみにお待ち申し上げます。)

上のコンベンションの出現数値は、チームだと、どちらのサイドでも関係しますから、様々なビッドの出現確率はそれぞれ2倍になりますね。

後、試みに昨日の2チーム戦の24ボードの最終コントラクㇳを分類しました。

●両方の同サイドがゲームをビッドしたもの 8
 内 4M同士 3(両方メイク2、一方ダウン1)
 〃 4Mと3NT 1(両方ダウン)
 〃 3NT同士  4(両方メイク2、一方ダウン2)
●一方のみがゲームをビッドしたもの   5
 内 5m 2 (両方メイク)
 〃 4M 3 (メイク2  ダウン1)
●別のサイドで両方ゲームをビッドしたもの 1
 (4Mメイク、3NTダウン)
●両方がパーシャルだったもの      9
●両方がスラムビッドしたもの      1
 (6Mで共にダウン)

するとゲームビッドが正当化できるハンドは、6割以上有り、その内4Mは延べ11プレイ機会中6回、3NTは延べ10プレイ機会中6回が、メイクでした。

このような表面的なデータから取り敢えず出せる結論は、チーム戦では4割くらいメイクできれば十分な筈のゲームビッドが、遥かに安全な割合でしかビッドされて居ないことです。

つまりパーシャルで止まったけれどもゲームがメイクしえたハンドが有りそう。ゲームに行っていたらディフェンスが変わることは度外視してスコア上のオーバートリック数で探すと、4Mがメイクしたハンドが3つ有りました。

確かめてみると、全部一方のチームだった。2回はそれぞれバルとNVでの自分たちのみのゲームロスで、6IMPと10IMP失い、1回はどちらもパーシャルで止まっていたから1アップの1IMPしか取れていないけれども、もし勇気を出せばゲームビッド出来るハンドだったのであれば、11IMP入る所でした。

56対75で負けたチームでしたが、26IMP増えれば82IMPになり十分に逆転でした。

やはり、4Mでのゲームビッドの精度が最重要だという、現代のビッド理論が、こんな手近な例でも実証できるのは、むしろ拍子抜けするくらいです。

(蛇足) 2/1システムは4Mのゲームの、次いで3NTの判断の精密化が目的です。
戦略的ダブル (虎ひげ)
2017-05-30 07:13:51
H.NISHIDA様 言葉足らずで申し訳有りませんでした。

戦争孤児の主題歌に「楽しきゃ泣いて、悲しきゃ笑いうんだ、仲間がみんな見ているからね」
と言うのが有ります。

OPが上記でMmとmだけ落ちる時ダブります。
ポーカーダブルに近いが戦略的ダブルです。
ブレークの悪いmに誘われ安いです。

シグナルは、相方がスローインされる時は嘘のサインを出します。
戦略的ダブル (五S)
2017-05-30 10:27:12
虎ひげ様 ボンジョルノ

>シグナルは、相方がスローインされる時は嘘のサインを出します。

これはアティチュードだから、基本が身に付くのが早いので、情報隠しも比較的早く初めても良いかもしれません。それでも中年以後にブリッジを学んだ普通の人がそういった判断が適切に出来るようになるまでは、(つくばくらいの試合頻度だと)3年では無理だと思います。

問題は、システムもシグナルも、きちんとしていないために却ってオポーネントを振り回して得をすることが時たま起こるから、それを正確に身に付ける必要を感じることなく、そのまま「悪ずれ」してしまう人が居ることです。そうなったらブリッジプレイヤーとしては別の星の人になってしまいますが。
         _____________

>OPが上記でMmとmだけ落ちる時ダブります。
>ブレークの悪いmに誘われ安い(ママ)です。

折角の興味深い戦略を披露して居られるのだから、もう少し丁寧に書いて下さいませんか?

現段階では、分かりにくいビッドをするパートナーと組んだ時のように、正確な意味を理解しようとすると疲労しますから。

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