BRIX Ⅱ in つくば (The Hardy-style Scientific Bids at Tsukuba)

ハーディ式の“つくばSci”(サイエンティフィック)を軸に,『ブリッジソサエティ掲示板』同様他システムも取り上げる.

ハーディ―つくばSciを論じる(1-1)  1D-2C-3NT

2017年03月06日 | Weblog

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近頃ニュースが面白すぎてブリッジに身が入らない人も†


ハーディのシステムそのものについても、当然世の批判が有りますが、それを実際に使用するに当たって「徹底的に割り切った約束」にしているつくばSciについては、更なる批判、問題点の指摘があることは勿論です。

今年は、ハーディ-つくばSciを使い始めて丁度10年目になるので、本ブログで、自己評価を伴う体系的な解説をすることや、その英文化を考えていたところでしたが、偶々一つの核心に当たる「約束」について、問題が浮上しました。[→細田杯から ビッド問題2 (全体のハンド)へのコメント]

それで、手始めに、それについて解説と再検討を試みます。

システム

まずシステムと問題の説明をします。

1D-2Cは、ハーディではFG(ゲームフォーシング)で、12+HCP(良い12HCP)以上でC4枚以上です。これに対して、オープナーは、18、19HCPで5-3-3-2(その他1Dで開くBAL[バランスした手]全て)の場合は、3NTをビッドすることになって居ます。なおこの丸カッコは、原文に付いているものです。

ストッパーを調べないことの可否

今回議論になったのは、私がつくばSciでは、

この3NTリビッドには、メジャーストッパーを保証しなくてもOKだ。

と明記してしまったことからです。(遡ってストッパーが有っても3NT以外のビッドが望ましいのではないかという批判も有り得るので、それは後で議論します。)

この3NTリビッドに常識的にはストッパーが有るに越したことはないけれども、それを3NTビッドの条件にすることにどのくらい意味があるかを考えます。

2/1FGレスポンスの後だから、パートナーシップで良い30HCP以上有ることは、両者が即認識する。それ故スラムトライをするのが当然。

そのときレスポンダーは、14HCP有れば量的にNTをビッドするとか、5Cの(スーパー)ガーバーか4mのマイナーウッドをビッドすれば良いし、12~13HCPでスラムトライをするときは、遅かれ早かれ最高のストッパー(!)たるCTRL(コントロール)のチェックをしますから、3NTリビッドの際のストッパー保証条件は、原理的に無用と考えられます。

問題はレスポンダーがスラムが無いと判断してパスするとき、ストッパー保証が無いのは悲劇の元にならぬかということ。

ここでハーディの公準と私が呼んでいる次の大原則が利いてきます。(ハーディは数学者、指揮者、演奏家。この人の基本的な体系化の表現とセンスが私に通じやすい遠因になって居ます。)

一旦パートナーシップで3NTに収まった後では、ストッパーへの懸念があっても、4台m(マイナースーツ)をビッドしない。なぜなら3NTは5台mコントラクトより2トリックも少なくて済むから(五S注 統計的に)遥かにメイクの見込みが大きいからだ。

要するにストッパーを気にして3NTを回避するなと言っているわけです。これが統計的に有利か不利かは、現段階では見解の相違ですが、そろそろ世間ではモンテカルロ法(コンピューターで実験データの統計を取る。)でデータを提供してくれる人が出ても良いころです。

無論、スラム・コントラクトのために、なまじCTRLを精密にチェックすることで、損することもしばしば起こるように、3NTコントラクトで、ストッパーを精密にチェックすることにはディフェンス側を有利にするデメリットも有ります。

         ____________

メジャー4-4フィットを優先的に探さないことの可否

この一律3NTリビッドの問題はむしろ、レスポンダーが(4x)x5(=どちらかのMが4枚、Cが5枚)のハンドで2Cをビッドしている場合に、オープナーも4枚M(メジャースーツ)を持って3NTリビッドしているかもしれないことです。

どうも、レスポンダーがミニマムの場合、ここでは、M8枚フィットを探すことを放棄するほか無いようですが、そのデメリットは3NTが4~5メイクする筈のHCPを持っていることで、十分補われているものと見られます。

一方で、30HCPが有ってもスラムコントには切札が有った方が良いことも有りますから、3NTリビッドの後レスポンダーが4Mをリビッドするのは、4枚有ってのスラムトライとするのが良いと見られます。

(遡って、オープナーの3NTリビッドにM4枚否定という制限を付けても、一つのシステムは成り立ちます。ハーディ・システムの全体の構造としては、僅かとは言え、統一性を損ないますし、その可能性を探るためにQUANT(量的接近)が失われるデメリットを、どう評価するかの問題になります。)

         ____________

Mオープンの場合との比較

ところで、1D-2C以外の2/1レスポンス、例えば1H-2Cに対しては、同じ強さのオープナーは、3NTでなくて(ミニマムオープンと2ウェイの)2NTリビッドします。そしてこの場合には他の2スーツにストッパーが必要とされています。

(こちらのシステムについては、さほど疑問は生じないと思いますが、1D-2Cの後も、同様に2NTを2ウェイにして3NTリビッドを20HCPにすることとの得失の検討は、急がないことにします。差を付けるとすればハーディの方向が一つの有効なもので有ることは間違いありません。)

         ____________

以上で、ハーディの3NTリビッドを、最も純粋に解釈すればこうなるし、それなりにシステムとして成り立つことを説明しました。

しかし、石原元東京都知事の記者会見と同じで、最後に「今日は有難うございました。皆さん、割り切れないでしょうがね…」と自分で付け加えたほうが、安全かもしれません。

更なるコメントお待ちします。

_______

† (右)身代わりにされて怒っている元東京都幹部

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ストッパー (H.NISHIDA)
2017-03-07 11:01:04
私は2/1の実戦経験が少なく、好きでも有りませんが
2/1システムの最大の強み(人気)はスラムハンドの
処理能力と理解しています。その骨子は変える事無く
ストッパーやコントロールの情報を交換するには
18~19HCPを示す為に、3NTにジャンプして
ビッドスペースを狭め、時に逆サイドなら出来る6NTを
悪いサイドで先にNTビッドをする事で失う可能性は
小さくない欠点かと思います。
特に例題のように稀でしょうが
ボスメジャーにストッパーの無いハンドは、6NTだけでは無く、6Cが出来て6DはNGのケースが増えます。
メジャーのストッパー又はコントロールをオープナーが
示す事により、仮に何も無い時でも
レスポンダーは自分のメジャーの情況により
 KX,KX  なら  3NT又は5C止まり
 AX,KX  なら  6C又は6NT
 AX,AX  なら サイドに関係無く長さとフィットで
と言う風に選択が正確に成ると期待出来ます。
Nが何かの情報を漏らし、時にはそれにDBLを掛けられたりもするでしょうが、パスとRE-DBLの約束が
しっかりしていれば、得るものの方が失うものより多いと思いたいです。
1NTに4-3-3-3でステイマンは使わず3NTが良いと言われる情況とは30HCP~の時は異なると思います。
勿論リビッドでメジャーの情況を発表するとしても
1D-2CがGFで有りながら、C4枚保証なので
左程良くないダイヤをリビッドせざるを得ない窮屈さ
は有りそうですね。
取り敢えず思いつくままに書きました。

3NTリビッドの背景 (五S)
2017-03-07 16:08:54
NISHIDA様、貴重なご討論に感謝します。

私は、ブリッジに限らず、優秀な人間が自分の千倍くらいは時間をかけて仕上げたシステムを採用した場合、徹底的に使い切るまでは、原則として自分で改良することは試みない方針なので、この3NTについても根源的な疑問を持つことなく足掛け十年盲従してきました。

(NISHIDA様には釈迦に説法ですが、完成度の高いシステムほど、一か所変えると、そこでの思想やテクニックの修正が全体に波及して、しばしば収拾がつかなくなってしまうので。)

私程度がこなすボード数(自分でやるものとサロンなどで見てあげるもの)だと、十年と言っても、このビッドに出会ったのは、記憶に無い程少なくて、今回の事例は珍しいし、多くのボードがそうであるように偶々問題は生じなかったわけです。

しかし、今顧みれば、ハーディのこのシステム以前は、2/1は完成度が低かったし、まして洗練もされていなかった。1D-2CをFGにするのもむしろ少数派だった(日本の林氏の黒本もFGでない)。

だから、1D-2Cの後のビッドは、特に研究段階に有った可能性が有ります。ハーディはあらゆる面で、かなり大胆に、ときに強引に「一様化」を推し進めていますから、(失うケースも見かけられ)一か所だけ取りあげると、なぜそうしているのかわからないことも良くあります。

2NTや3NTで18,19HCPを伝えるのは、ハーディに限らず、割と普及していますから、ハーディ派にとっては、ここでの問題は、3NTリビッドを、どの程度限定すれば、仰る難点が克服されるかと言うことになります。

両Mストッパー条件や、4枚Mが無いことは更に検討すべきなのでしょう。

ハーディは、Dの長さとCフィットを示すことについては、かなり詳しく優先順位を考察しています。しかし、私もそれで十分よくDスラムが見つかるかどうかを、見極めているわけでは有りません。

私としては、その辺りを、上述した1M-2Cの後と同様に2ウェイの2NTを採用することとの比較と合わせて、少しずつ解きほぐしてみなければと思います。

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