レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

源平つれづれ

2012-02-07 11:05:09 | 歴史
 かっこつけたタイトルにしてみたけど、源平合戦とそのあとの時代については、史実というよりは『平家物語』のほうがなじみが深い。いくらかのフィクション、『吾妻鏡』のマンガ化(竹宮恵子)、永井路子さんの本くらいである。「壇ノ浦」の「およそ能登守教経の矢先にまわるものこそなかりけれ」以下しばらく暗記しているけど、ほんとはこれより早く討ち死にしていたから完璧にフィクションだということは知っている。谷口幸男さんの『エッダとサガ』の序で寺田寅彦の随想が引用されており、『サガ』の合戦描写で『平家物語』を連想したというくだりがあるので、では『緋色い剣』のリューの大立ち回りで上記の能登殿みたいと思った私の感性は正しかった!と悦にいった。それゆえに私は寺田寅彦という人物に対して親愛の情を抱いている。
 
 いま手元にある年表を見ると、「1156 保元の乱」「1159 平治の乱」 「1167 平清盛太政大臣となる」 「1180 源頼政・源頼朝・源義仲が平氏打倒のために挙兵」 「1185 平氏滅ぶ。 源頼朝、守護・地頭を置く」、平氏一門の栄華は短いし、いわゆる源平合戦の時期はなお短い。でもその短い期間の激動が後世の人々の想像力を刺激して、様々な物語を生んでいる。
 10年以上まえ、教育テレビの『時代劇と日本人』とかいう講座で、最終回が幕末ものにあてられ、そこで新選組を「大衆化された平家物語」と呼んでいたので、我が意を得たりと喜んだものである。集団のドラマということで「忠臣蔵」が引き合いに出されることはそれまでにもあったが、個人的趣味でむしろ平家のほうがしっくりくると思っていたので。
 新選組は庶民から出てきているのに対し、平家は貴族化して東国武者に押されてしまったような印象が強くなってしまっているが、そもそもは平氏だってワイルドに力を伸ばしていた時期があったはずなのだ。そのあたりを出そうとして、くだんの大河は「汚い画面」呼ばわりになったのだろうか、見てないので追及はしないが。
 (新選組の場合、雅になった時期はなさそうだ、舞台が都なので雅な風情を添加することは大いにできるけど。)
 新選組つながりでもう一つ。
 「忠度都落」の場面で、俊成に自作の歌集を預けて去っていくとき、俊成に忠度の詩吟(?)が聞こえている。ここで私の脳裏には、『燃えよ剣』の『沖田総司』クライマックスで歳三が総司との今生の別れのあとに響かせている馬の蹄の音がオーバーラップする、すでに条件反射である。(この場面はBGMがまた極上、珠玉なのである。
「燃えよ剣ミュージックファイル 」、「視聴用サンプル」の38番がその場面。)これまた史実よりも後世の文学でのイメージであるなぁ。

 年表には、「1140  (文化) 佐藤義清出家して西行となる」とも書いてある。
 清盛も「北面の武士」だったということは、やはり美男だったのだろうか。

 少女マンガにおいては、河村恵利、佐久間智代の旧作源平ものの復刊があった。大河のコミカライズは今年はどうなっているのだろう。「少年マンガ大河」という声も目にしたし、少年マンガでするという可能性もあるが。

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