Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

3/17(木)文京シビック夜クラシック/横坂源&北村朋幹が描き出す気品ある幻想的な世界

2017年03月17日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
文京シビックホール 夜クラシックVol.12
横坂 源(チェロ)/北村朋幹(ピアノ)


2017年3月17日(金)19:30〜 文京シビックホール・大ホール S席 1階 2列 25番 2,250円(セット券)
チェロ:横坂 源*
ピアノ:北村朋幹**
【曲目】
ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』より「月の光」**
ヤナーチェク:おとぎ話* **
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 より「プレリュード」*
シューマン:「こどもの情景」より「トロイメライ」**
シューマン:幻想小曲集 作品73* **
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 作品38* **
《アンコール》
 フォーレ:シシリエンヌ* **

 文京シビックホールの主催による「夜コンサート」シリーズの第12回は、チェロの横坂 源さんとピアノの北村朋幹さんによるデュオ・リサイタル。

 プログラムは上記の通り、それぞれのソロの曲をまじえてのもの。最初の「月の光」はピアノのソロだったが、これはこの「夜クラシック」シリーズのテーマ曲になっていて、照明を落として真っ暗になったステージで、この曲で始まるのである。今回のプログラムは、名曲を集めたものであるとはいえ、「夜」というテーマに沿った幻想的・夢想的な曲でまとめている。

 横坂さんのチェロは、極めて端正で気品がある。正確な音程、柔らかく暖色系の音色で、伸びやかに旋律を歌わせる。ひとつひとつの音に込められた繊細なニュアンスが、楽曲の表現に美しく聴く者を包み込むような優しさを与えている。強烈に自己アピールをするような独善的なところは少なく、スタンダードの美を追求した、王道を行くような演奏である。何より素敵なのは、聴いている者に安心と安らぎを与えてくれることだ。とくに無伴奏の「プレリュード」は柔らかく穏やかで気品があり、演奏者の人柄が表れているように感じた。「幻想小曲集」は暖色系の明るい音色で、抒情性豊かに歌わせている。ブラームスの「チェロ・ソナタ」は内省的なロマンティシズムを切なげに描き出すが、演奏は基本的に温かくて人間味が溢れている。

 北村さんのピアノは煌びやかでとても美しい音色を持っている。今日のプログラムがとくに幻想的・夢想的な曲を集めているせいもあるが、すべての曲で、常に抑制的ではあったがその分だけ繊細さと優美さを湛えていて、旋律が実に美しく歌われる。「月の光」や「トロイメライ」は印象主義的な光りと影を映し出すような雰囲気。「幻想小曲集」は伴奏ピアノとはいえ美しい分散和音が夢幻的に煌めくよう。ブラームスの「チェロ・ソナタ」は音質は美しいがやや光彩を抑えめにして、曲相に合わせて言いたいことを内に秘めるようなニュアンスが込められていた。

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