ぶらっとJAPAN~ただいまインドア修行中~

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「画は絵空事なんだから」 映画『FOUJITA』

2016-12-24 21:20:39 | つぶやき

ポスター画像

先日、録画しておいた映画『FOUJITA』を観ました。

役者のクローズアップをほとんど使わないドキュメンタリーのような映像は、風景や室内のインテリアなどの構図がとても美しく、まるで一幅の絵画のようで、画家の物語だからそういう撮り方なのかと思ったら、監督は『泥の河』の小栗康平でした。もともとそういう写真を撮る方でしたね。でも、まるでFOUJITAの作品の人物が動き出したのを覗き見るような感じでした(中谷美紀さん演じる最後の妻の眉毛の形がFOUJITAの絵の女性にそっくり)。

勝手にもっとエモーショナルで劇的な話を予想していましたが、中心にいるFOUJITAはあくまで淡々と絵を描き続け、華麗な女性遍歴も会話のなかで触れられるにすぎません。時折吐かれる印象的な言葉とFOUJITAの作品を想起させるシーン(パリでのさびしげな街角や暗い鏡のなかで帽子を被る自分の顔など)がちりばめられていて、FOUJITAの思いはあくまで実際の作品を通して触れることになります。

華麗なパリでの生活と陰鬱な戦時中の日本の景色に、激動の時代を生きてきた過酷さが改めて偲ばれます。けれど、FOUJITA自身はどこに居ようともその地の美を求めていきます。その姿はちょっと浮世離れしていて、不気味ですらあります。

酒と音楽と女性の色香に包まれたパリという都会の生活と、疎開で訪れた、狐に化かされるといった迷信が残っているような日本の僻地での暮らしと、その世界の隔絶感は、映像で見ると尚くっきりと浮かび上がってきます。FOUJITAの内面の複雑さが納得できる景色です。

映画は、FOUJITAが最後の戦争画を描いたところで終わります。今回初めて気がつきましたが、FOUJITAは美しい山河が残っている日本で、戦争画を描いたのですね。FOUJITAが何を感じていたのかは永遠に謎のままです。

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