ぶらっとJAPAN~ただいまインドア修行中~

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鮮やかなる筆の技【堂本印象美術館】

2016-09-18 16:06:20 | アート

超絶技巧に釘付けです。

先日観に行った逸翁美術館でチラシを見て、簡潔ながら見事に鳥の特徴をとらえた絵と、普段は非公開の信貴山成福院の襖絵という文言につられて(なにしろ京都奈良の『非公開』には滅法弱い^^;)京都まで行ってまいりました。

金閣寺や仁和寺にほど近い山の麓にあり、等伯を思わせる日本画に、純和風な美術館を想像して行ったのですが、

ものごっつい攻めてはるやないですか!?

前衛的過ぎるオブジェベンチ。

館内にはいきなり大阪の大聖堂用に作られたステンドグラスのレプリカがどどんと飾られ、日本のわびさびスタンバイだった心持ちが乱されっぱなし

えええっとのけぞりつつ展示室に入ると、こちらは掛け軸に純然たる日本画でようやくほっと一息です。

改めまして、堂本印象は明治24(1891)年京都生まれ。今回の目玉の襖絵は印象40歳代壮年期の作品です。同時代に描かれた作品が合わせて展示されていましたが、ウサギなどの動物や定朝の肖像画など、いわゆる日本画のモチーフが日本画らしく描かれています

その技術の正確さはうたい文句通りの驚嘆すべきもので、また、野生の生きものに向けられた優しいまなざしに口元がほころびます。

信貴山の襖絵は、その集大成ともいうべき作品で、礬水(どうさ)を引かずに直接紙に描かれており、発色がとてもキレイです。筆の滑りが悪くなるため、礬水なしの紙に描くのは大変技術がいるそうですが、そのような苦労は微塵も感じさせません。墨の濃淡を絶妙に使い分け、その筆遣いはとても繊細。けれど一歩引いて眺めれば、墨絵の松も、魚を狙う鵜も、線に力があって生き生きとし、今にも飛び出してきそうです。40歳代の充実した精神がみなぎり、いつまで観ていても飽きません。

 

一曲、「秋草の間」に描かれた草木だけは彩色されていて、その明るい色づかいは、やはり現代人の感覚だなと思いました。

それにしても、純然たる日本画なんですよね。

後から調べましたら、大転換期は1960年代、齢70歳代の時だそうです

ネットで見ただけですが、ジャクソン・ポロックか岡本太郎か? とみまごう前衛的な絵がずらり。これがまた色あいといい、躍動する線といい、素晴らしいんです

それにしてもこの変貌ぶり。超常体験でもしたのかと勘繰りたくなります(笑)。

印象はたくさんの障壁画を描いているのですが、今回のような純和風なものだけではなく、智積院は婦人が椅子に座ってお茶をのんでいるし、西芳寺の襖絵はもう完全に抽象画です。

どれも通常非公開ですが、機会があればぜひ拝見してみたいです。

美術館の隣にある住居跡は純和風。

美術館の3階は、比叡山も五山の送り火も見える場所で、こんなザ・京都な環境で、日本画に飽き足らず前衛的な作品を作り出すのはどんな心境だったのでしょうか。

今月末からリニューアルのため休館とのことで慌てて観に行ったのですが、その後、来年1月まで延期になったということですので、その間に前衛的な印象作品が展示されたらぜひ観に行きたいと思います

 (ブログ中の襖絵の写真は美術館のサイトからお借りしました。)

 

 

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