【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

現代の探検家《小林快次》 =25=

2016-09-19 17:28:20 | 冒険記譜・挑戦者達

○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

○ 世界中を飛び回り、恐竜の姿を求める / 小林快次 ○

◇◆ 第10回、 ゴビ砂漠でテントを張るべき場所 =2/2= ◇◆

  どこにテントを張るかに、私は独自の基準をいくつかもっていて、それを満たすところを探す。

 二つ目は、崖の中腹であること。 これは人によって意見が分かれるが、私は崖の中腹でテントが張れそうなところを探す。 理由は、風、雷、洪水を避けるためだ。

 崖の上下には平らなところがあり、テントは張りやすい。 しかし、崖の上には何も遮るものがない。ゴビ砂漠は風が強い。いったん風が吹きはじめるとテントはあおられ、バタバタとまるで高架下にいるような騒音を立てる。しまいには、中で寝ている私の顔にテントの壁が押しつぶされてくる。

 この状態で普通なら寝られるはずがないが、調査の疲れで何よりも寝るのが優先になっていると、つぶれてきたテントを腕を伸ばしてしっかりと支えた状態で、寝つづけることになる。

 そして、雷はかなり怖い。夜中に雷が鳴りはじめると、地響きが体に伝わってくる。いつ落ちるかわからない状況で怖くないはずがないが、何もできることはない。 そのような状況下で私がすることといえば・・・寝ることだ。

 風と雷、どちらにしても寝るのだが、できればこうした危険に直接さらされる状況は避けたい。

 では、崖の下の平原ならどうだろう。確かに、風と雷の危険は小さい。しかし大雨が降ると、砂漠は様子が一変する。そこらじゅうに川ができ、洪水のようになる。実際、砂漠で経験のない学生がテントを張った場所は、大雨が降り、川のど真ん中になってしまったことがある。

今年、私は希望通り、メインキャンプから少し離れた崖の中腹に、テントを張ることができた。我ながら良い場所に張れたと思う。

 すると、一緒に参加している韓国チームのリーダーで、私のサイエンティフィックな兄弟でもある韓国人研究者のイ・ユンナム(8月の調査の時点では韓国地質資源研究院所属、現在はソウル大学教授。詳しくは第2回を参照:http://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/8dc8fa4f859cbd93f9ed5072d30564f2)が、私のテントに近寄ってきた。

 「ヨシ、良いところにテントを張ったね。今年の調査も楽しみだ。このキャンプに広がる露頭(地層や岩石が土壌や植生に覆われず、直接地表に現れている場所)もたくさん恐竜化石が出そうだし。明日はみんなでここを調査しよう!」

 「ゴメン。俺はここじゃなくて、ここから西に30キロほど離れているジャブクラントに行って、あの営巣地の調査をするよ。とにかく今年で終えたいんだ」
 私はため息をつきながら答えた。おいしそうなキャンディーを目の前にして、お預けを食らったような気分だ。

 「あの営巣地」とは、2011年8月の調査の最終日に見つけた、恐竜の卵の化石を大量に産出した「恐竜の巣」のこと詳しくは前回を参照)。あの調査を終えなければならない。そして、その重要性を世の中に伝えなければならない。 私は自分にそう言い聞かせた。 ・・・・・・・つづく 

 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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