【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

現代の探検家《田邊優貴子》 =37=

2016-12-27 12:02:31 | 冒険記譜・挑戦者達

○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

○ 南極の凍った湖に潜って、原始地球の生態系を追う =田邊優貴子= ○

◇◆ 第14回 デビルズ岬のペンギンロード =2/3= ◇◆

  風が時折、デビルズ岬のほうから吹いてきてペンギンルッカリー臭を運んで来た。 近づくにつれ、その匂いはどんどん強くなっていく。

 岬の麓まで来ると、斜面が一面鮮やかな緑で覆われているのが見わたせた。 ペンギン由来の栄養がふんだんにあるのだろう。 フカフカの緑の急斜面を登ろうと数メートル歩いたところで、足元のコケに似た見慣れない植物に気づいた。

「いた!!!」

 共同研究者の工藤さんも私も地面に這いつくばって興奮気味に叫んだ。 ついに我が麗しの“ナンキョクミドリナデシコさま”に出会ったのである。 ナンキョクコメススキよりも格段に控えめに、「だって私、ナデシコだもの」と言わんばかりにひっそりと、それでいて周囲のコケとは違った佇まいでそこにいた。

 地面に張り付くように斜面を這いながら観察してみると、ナンキョクミドリナデシコは円形に群生し、その斜面の至るところにパッチ状に分布していた。 ナンキョクコメススキも少しは生えてはいるが、ナンキョクミドリナデシコが完全に優占している。 この10日間どこに行ってもまったく見つけられなかったのに、この丘の斜面にだけこんなにもたくさん生えているとは! そうか、こういうところを好むのか! と私の頭の中に徐々にバイヤーズ半島生き物マップができ上がってきて、鼻息荒くナンキョクミドリナデシコ斜面を登っていった。

 ナデシコに気を取られていると、不意に丘の上からジェンツーペンギンが降りて来た。 ところがそのペンギンは私たちに気づくと、慌てた様子で丘の上に逃げ戻っていった。 驚いたのはお互いさまなのに、悪者が来たと言わんばかりに走って逃げなくたっていいじゃないか・・・と感じたが、まあ仕方がない。 そりゃあ、彼らと同じく2本足歩行をする巨大な生き物が、突如目の前に立ちはだかったのだから。

  それにしても、ここ南極半島で暮らしているペンギンたちと昭和基地周辺で暮らしているペンギンたちとでは、かなり性格が違うように感じる。 南極半島のペンギンのほうが勝ち気で人間に対する警戒心が強く、昭和基地周辺のペンギンはおっとり気味で警戒心もあまりない気がする。 さらに言うと、南極内陸のアンターセー湖周辺にすんでいるユキドリは昭和基地周辺のユキドリよりもはるかに警戒心がない。 昭和基地周辺のユキドリは人間がいるとすぐに岩の隙間に逃げ込むが、アンターセー湖のユキドリは我々が歩いていても逃げようともしない。

 やはり、南極の中でも南極半島エリアはちょっと特殊な南極である。ここは古くから人がよくやって来た場所であって、今も南極の中で極端に多くの研究者や観光客が訪れる場所だ。 それに比べて、昭和基地周辺は1年に1度日本の観測隊だけが立ち入る場所であり、さらにアンターセー湖周辺にいたってはほんのわずかな人数の研究者チームがこの50年間で片手で数えられるくらいしか訪れていないような場所である。

 だから、エリアごとの動物たちの性格(人間に対する動物たちの反応)の違いが生じているのだろう。 ここ南極半島エリアのペンギンたちは都会っ子、昭和基地エリアのペンギンたちは私のような田舎育ちの子、とでも言った感じか。 さて、アンターセー湖のユキドリはなんと表現しよう・・・考えてみたが、しっくりくる例えが見つからないので、誰かよい例えがあれば教えてほしい。

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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