偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏69 関八州見晴台(埼玉)

2007年02月05日 | 登山

関八州見晴台(かんはっしゅうみはらしだい) 五大明王(ごだいみょうおう)

 【データ】関八州見晴台 771メートル▼25000地図 正丸峠▼最寄駅 西武秩父線・吾野駅、西吾野駅▼石仏 埼玉県飯能市関八州見晴台の高山不動尊奥の院

69_1  【案内】五大明王は不動明王を中心に大威徳明王(西)・降三世明王(東)・軍荼利明王(南)・金剛夜叉明王(北)で構成される。とすると高山不動尊の奥の院である、関八州見晴台にある御堂に鎮座する五大明王は、中央が不動明王、向かって左上が大威徳明王(水牛に乗る)、左下が軍荼利明王、右上は金剛夜叉明王、右下が降三世明王となる。日本でもっとも古い京都・教王護国寺(東寺)講堂の五大明王もこの配置になっている。石仏の五大明王は珍しく、関八州見晴台のものは新しい造立であろう。

 【独り言】自分の足だけがたよりなので、汗を流しているうちにいつしか清浄な心身になるのが登山ですから、あまり悪いことをする人はいない、というのがこれまでの常識でした。しかし、関八州見晴台近くの顔振峠の茶店にあった新聞の切り抜き(0612月26日付読売新聞・埼玉版)には、目を疑うような記事が載っていました。「顔振峠の先の大平山にある役の行者石仏が引き倒おされ、頭部は行方不明」だというのです。アフガニスタンのバーミアンにある石窟仏像がタリバンに691 よって破壊されたのは6年前ですが、それに匹敵する事件が日本の山の中で起きてしまいました。私の「里山の石仏巡礼」では、この役行者とその前に座る前鬼と後鬼を取り上げているだけに、役行者が倒されて頭部がなくなってしまったことは、バーミアンの事件以上に衝撃であり、残念でなりません。山にある石仏は山岳信仰の証、重要な歴史遺産です。これを破壊するとは! 信じられないことが次々に起こっている日本ですが、ついにここまできたか。せめて行方不明の頭部だけでも戻してください。

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