愛宕山(あたごやま) 勝軍地蔵(しょうぐんじぞう)
【データ】愛宕山 924メートル▼25000地図 京都西北部▼最寄駅 JR山陰本線・嵯峨嵐山駅▼登山口 京都市右京区嵯峨清滝▼石仏 清滝登山口から参道の丁目ごとに立つ
【案内】愛宕山の本尊・勝軍地蔵は、兜をかぶり右手に錫杖を持って白馬に乗る姿。石仏でもこの姿が見られるが、地蔵菩薩を勝軍地蔵として祀っているところも ある。愛宕山の参道に丁目ごとに立つのも地蔵菩薩だが、ここでは勝軍地蔵として取り上げた。勝軍地蔵は戦勝の神として、近世には火伏の神として信仰され、全国に広まった。愛宕神社で出す「火逎要慎(ひのようじん)」の御札と樒(しきみ)は、いまでも火伏の神として、京都の人達に厚く信仰されている。なお愛宕山の本尊・勝軍地蔵は、明治の神仏分離で山から降ろされ、現在は西京区大原野石作町の金蔵寺に祀られている。
【独り言】6年前に愛宕山に登ったときのことです。社殿のお札を受ける窓口脇のガラスケースに「猪の土鈴」があったのに気付きました。可愛いい猪でしたが、そのときは買い求めるほどの価値はない、と山を降りました。しかし山を下るごとに、買わなかったことが心残りになって、足が重くなってしまいました。愛宕山に登ったのはこの山の本尊・勝軍地蔵の痕跡を探すため、それも愛宕山のお使いである猪を探すのが目的だったのでした。しかし猪の姿は鳥居や社殿に少しあったものの期待したほど見つからず、山から遠ざかるにしたがい、あの社殿のガラスケースにあった猪に勝るものがないことに気付いてしまったのです。買っておけばよかった。そう思いながら6年。この春、やっとその猪の土鈴=写真=を手にすることができました。ただ、愛宕山のお使いがなぜ猪なのかは、いまだに分りません。