偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏180寂光山(千葉)

2009年01月13日 | 登山

寂光山(じゃっこうさん) 不動明王(ふどうみょうおう)

180  【データ】寂光山 246メートル▼25000地図 坂畑(豊英湖東の寂光不動。山名は無い)▼最寄駅 JR内房線・君津駅▼登山口 千葉県君津市旅名字行太呂のフルーツ村▼石仏 寂光山直下の寂光不動内

1801  【案内】大きな岩屋に設えた御堂は柱と屋根だけの質素な建物。雨風は天然の岩屋が防いでくれる。その中央に穿った小さな祀壇に不動明王が鎮座している。案内には「厄病災害退散、五穀豊穣」を目的に不動明王を祀ったのが始まりとあった。密教とくに修験道が得意とした加持祈祷の本尊・不動明王は、近世になると厄病・災害から信者を守り、安産・財福などあらゆる祈願を託されて多くの石仏が建立された。寂光不動のように山中の岩屋などに不動明王を祀るなどは、いかにも修験道の行者の仕業と思えてくる。その台座には安永7年(1778)に山麓の宿原・正木・旅名の人たちが建立したことが刻まれている。格別特徴のある不動ではないが、右手の剣だけが丁寧に造られている。この不動に祈願するときに木製の剣を奉納するのが習わしらしく、本尊のわきには多くの太刀が並んでいた。屋根裏には船の櫂のような長い太刀が渡してあった。案内にいう「文政十一年西日笠村講中により奉納された大太刀(木造刃渡り十一尺二寸二分柄の部一尺五寸一分八厘)」はこれであろう。

 【参照】石仏22赤岳(長野)不動明王

     石仏59加波山(茨城)不動明王

 【独り言】寂光山へは旅名から林道が通じていて、寂光不動の下まで車で入ることができます。しかしハイキングを楽しむにはフルーツ村からの道がお勧めです。谷が入り組んで、道標がなく、展望がきかないの1802 1803 1804 が房総の山です。しかしここは岩尾根の楽しいルートで、案内もあり道はしっかりしています。途中にある「笠石」「ワニ石」の奇岩も見所です。登りだしてすぐにサル対策の扉=写真右=があります。近くの高宕山はサルの生息地として昔から知られたところでしたが、最近ではこのあたりにも出没するのでしょう。なにしろ山麓はフルーツ村ですからサルは天敵。それにしても各地でサルの被害を耳にします。西上州では畑にたむろするサルを見たし、秩父では斜面を集団で移動するサルに出合いました。猪も各地で見るし、鹿も増えているようです。その結果日本各地で広がる獣被害、獣から作物を守るのは大変です。昨年の1805 1806 奥多摩では写真のような注意書きを見ました。

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