偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外八溝山(福島)

2013年07月26日 | 登山

八溝山(やみぞさん) 西国三十三ヶ所観音(さいごくさんじゅうさんかしょかんのん)4610

【データ】八溝山 1022メートル▼国土地理院25000地図 八溝山▼最寄駅 JR水郡線・磐城棚倉駅▼登山口 福島県棚倉町大梅の大岩平集落近くの久慈川上神社▼石仏 梅木集落と山口集落からの道が合流する尾根上。地図の赤丸印が一番観音

4611【独り言】福島県棚倉町の梅木から八溝山への登山口には「延喜式内 郷社八溝嶺神社」の石碑が立ち、八溝山を背に石段と鳥居があります。その脇には「久慈川上神社」の鳥居と社殿もありますが、八溝嶺の石碑と鳥居に圧倒されていました。この道、かつては盛んに利用されたらしく、長い尾根道には道標を兼ねた三十三番観音札所の石仏がいまもたたずんでいます。上部に御詠歌が入る丁寧に造られた観音石仏です。しかしほとんどの石仏は御詠歌の部分が欠けて読めなくなっていました。いつのころ、誰によって置かれたかはわかりませんでした。三十三番観音石仏の一番は棚倉町の山口集落から登ってくる道が合流するところにあります。御詠歌は私がもっとも苦手とする万葉仮名です。この尾根にある石仏を調べる気にならなかったのは、万葉仮名の御詠歌が読めそうもなかったからでした。それでもこの10数年続けてきた古文書勉強会のおかげで、少しはわかるようになってきたのでチャレンジしてみました。
4612_24613 一番観音は御詠歌がほぼ残っている如意輪観音。「一者“ん紀の国なち山 ふだらくやきしう川奈ミハ □くまのなち能おやまに □□くたき徒せ(一番紀の国那智山 補陀落や 岸うつ波は 三熊野の 那智のお山に びびく滝津瀬)」。これにより、この尾根にある観音は西国三十三ヶ所観音であることがわかります(者”→ば)。
 次は番号不明の千手観音。
46144615 次は四番千手観音。「四者”んいつミの国まきの越寺 ミやまちやひ者“ら間川者”□王けハまきのおやまに □まぞいさめ□(四番和泉の国槙尾寺 深山路や檜原松原わけゆけば 巻の尾寺に駒ぞ勇める)」。
 次は六番尊名不明「六者“山志ろ国つ本さ可寺」。言い忘れましたがこの尾根は長いことで知られた道で、山頂まで約4時間。石仏の御詠歌を読みながら登るといつ山頂に着くかわかりませんので、このあたりで止めておきます。それから少しは読めるかなと思った万葉仮名でしたが、私の古文書はあまり上達していませんでした。

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