偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏137高松山(神奈川)

2008年03月30日 | 登山

高松山(たかまつやま) 道祖神(どうそじん)

137  【データ】高松山 801メートル▼25000地図 山北▼最寄駅 小田急線・新松田駅、JR御殿場線・松田駅▼登山口 神奈川県山北町向原▼石仏 高松山山麓の山北町向原の尺里集落入り口

1371  【案内】『石仏図典』(昭和61年、日本石仏協会)では石造道祖神を①自然石②石祠③文字碑④石像、の四つに分類している。さらに④の石像を双体像と単神像に別け、双体像を姿態から、合掌・拱手・握手・祝言・性愛・その他の各像に分類している。また持物から、僧形(蓮華、宝珠)神祇形(笏、扇、幣、釼)祝言像(盃、瓶子、銚子、徳利)その他に別けている。それだけさまざまな形の石造道祖神があるということであり、この他に木像や藁人形などの道祖神もある。これに高松山山麓の道祖神をあてはめると、双体の神祇像道祖神となる。双体の道祖神は長野や群馬をはじめ、新潟・山梨・静岡・神奈川にも多い。なかでも神奈川には江戸時代初期の古い道祖神が存在し、双体合掌のものを丹沢山麓でよく見かける。尺里の道祖神は男神が笏女神は扇を持つ。このような形は江戸時代後期のもので、丹沢山麓では少ない道祖神。

13721373   【独り言】高松山の石仏で決まって取り上げられるのがビリ堂の馬頭観音です。尺里集落から高松山の途中にある石仏です。頭上の馬が大きすぎますが、観音の表情の美しさでこのアンバランスを解消している見事な石仏です。石仏の側にあった案内には「一番びり、最後にある観音堂のためビリ堂といわれる」とありました。さらに「村内の安全、五穀豊穣を祈って建立した12体の8番目に位置している」としています。たしかに尺里集落上部やびり堂の手前の尾根などにも馬頭観音がありました。ただ、これらの馬頭観音はびり堂のものより見劣りする石仏です。ところが高松集落から最明寺史跡公園へ登り出すところにまったく同じ馬頭観音がありました。馬頭の大きさや観音の表情はじめ、造立年号まで同じです。同じ石工の仕事なのでしょう。合掌していたと思われる手が欠けてしまったところまで同じでした。

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