KPOP! 愛だけがそこにある。

全てフィクションで勝手な妄想です。
甘め93キホン。
かわいいらびんが大好き・・・。

ラビ/豆 「 masquerade 」エピローグ

2017-04-29 23:30:13 | 93 parallel 6( 裏バイト豆 )
*全てフィクションです。



《 豆 編 》







気がついたら知らない場所で、桜を見上げていた。

えっと、ここは何処だったっけ。
誰かと待ち合わせていたような気がする。

暖かい春の日差しと心地よい風に吹かれて、僕は根元に座り込んだ。





眩しくて手庇で辺りを見る。
誰かが近づいてくる足音に視線を送ると、あれは…… 。



『 あっ、ねえねえあの客はどうなったか知らない? 』

何年か前の僕だ。

ようやく【仕事】のコツを掴んで、売り上げが伸びた頃だ。普通っぽさが良いと絶賛されていた雰囲気が消え、そこにいるのは計算高く狡さを覚えた生意気な僕。


「どの客だっけ?」
『 有名な企業に勤務してるって言ってただろ。あの人に指名されたら楽に稼げるのに 』

……あの頃の僕は、開き直っていた。
嫌なものは嫌だけど稼ぐしかない。そうしなければ生きていけなかった。
あらゆる知識を身につけ、話題に困らないようにした。
ヤリ捨てで終わってたら先がない。
そんな風に考えていた。

『 結構、指名増えてきてるんだよね。この先もっと売れるためにはどうすればいいかな 』

「危ない橋は渡らないようにしなよ」

今だから言えるんだけどね。
そして、渡らなかったからこそ……今があるんだ。

『 すごい困るのはさ、変な趣味の奴!ありえないよ。
縛ったりされたってコッチは良いわけないじゃんね 』
「まあね。相手にもよるけど」

例えば…シガになら何をされてもイイ。と答えるだろう。僕をどんな風に扱っても彼を好きな気持ちは揺るがない。

『 あとどの位かかるんだろう。全くもう。許せない 』
「だね… 」
『 人に借金押し付けといてさあ。見つけたら只じゃ置かない 』
「……多分もう見つけられないよ」

信じてた友人に裏切られて、絶望して、他に方法が思いつかなかった。契約された回収業者に僕は身柄を拘束されているんだ。

『 増え続けてんだよ。なんで減らないんだろ 』
「よく考えて行動しなよ。相手の先を読まなきゃね」
『 そうだけど 』
「とにかく、軽はずみな選択はしないで」

いずれ事態が好転する。
そう説明するのは今は無駄なんだろう。

『 選択ったってそもそも勝手な行動もできないし 』
「うん。わかるよ」

僕がそう言うと【僕】は納得したような表情をして少し微笑むと、不意に吹いてきた風に散った花びらの向こうに消えた。

願わくば、未来を諦めて欲しくないと思った。






桜の木の間を抜け、川沿いに出ると小さな公園があった。
自転車を停めて流れる川面を見ている少年に声をかける。

「久しぶり」
『 ああ、こんにちは。綺麗な季節ですよね 』
「そうだね。写真に収めたいね」
『 バイトしてカメラ買いたいと思っています 』
「部活は?」
『 春の大会で引退です。勉強しなきゃですから 』
「体はまだ痛む?」
『 大会中は持ちそうです 』

にこやかに笑う。
高校生の【僕】は、急激に背が伸び体格が変わってしまったために緊急入院し、その影響もあって部活の引退を決意していた。
将来は獣医になりたくて、予備校を視野に入れていた頃だ。
そう・・・まだ不安なんて何もなかった。
できるならば、その未来への道を進ませてやりたい。
叶わぬ夢になってしまったけど。

「頑張ってね。試合見に行くから」
『 ありがとうございます 』

頭を下げてから自転車に乗ると手を振って、風に後押しされて走り出した。

遠くに友人がいるらしく、笑顔を見せる。

眩しい。

とうに失くした純粋な心だ。





1人になった僕は公園に入りブランコに座った。
キイ、キイ。
錆びついた音を立てる。

こんな錆びた音も、曲作りが趣味だと言うシガなら美しくサンプリングしてしまうんだろうか。
彼の世界は広くて、深い優しさで、側にいると満ち足りた気分になる。僕に別の世界を見せてくれた人。
それだけでも感謝すべきだ。



『 探したよ 』

僕と同じ声に呼ばれる。
公園のベンチに座っているのは、髪を短くし鞄を持った僕だ。

『 いつまでこんなとこにいるんだよ 』
「そんなの自由だろ」
『 全てに教訓があるって教わっただろ 』
「わかってる」

少しイラついて答える。
相手に余裕があるのが悔しい。
身支度をきちんとした僕は、一体誰だ。

「なんだよ?何か用」
『 諦めたらそこで終わりだって、好きな言葉だったろう 』
「…… 。何?今の僕には何もないんだよ」
『 どうかな。全てが決まったわけじゃない。自分が1番よくわかってるはずだよ 』
「知らない」

そうだね。と言って僕の手を取る。

『 生意気で、人を信じられなくて、目を閉じてる。
でもね、ちゃんと見てみなよ。つなぐ手を間違えないようにね 』
「シガのこと?」

誰かに肯定してほしくて問いかける。
わかってる。
シガを信じるってのも自分の選択だし、選んだからには自分で責任を持たなくちゃならない。

『 内面を見つめるのもいいけどね。もっとずっと簡単なんだよ。忘れないでよ。あ、風が吹いてきたね 』

そう言うと、持っていた鞄で風を避ける。
びゅう……と強い風が吹いて、ブランコの鎖がまたキイと鳴った。







ホームに滑り込んできた地下鉄の風に頬を掠められて、ベンチに座ったままの僕は不意にドキッとする。

ざわめいた人混みを抜けて僕を見つけると、仕事を早退してきたらしいシガは
「待った?」
と聞いてきた。

「うん。夢見ちゃうくらい待った」
「あぶねえなあ。こんなとこで寝るな」

僕の瞼をそっと撫でる。嬉しくてシガの手に自分の手を重ねる。
周りに人がいたってかまわない。そんなことはどうでもいい事だ。

「ビナ…… 」
「うん。夢見るの久しぶりでさ、なんか懐かしかった」
「誰かに会えたか?」

言いながら隣に腰を下ろす。
ああ。今すぐキスしたい。

「かもね。でもシガに一番会いたかった」
「ヤベ、殺し文句」
「だろ?だからさ、行こうよホテル」
「ああ、って言いてえとこだけどちょっと待て。先にアパート探さねえとな」

なんだよ。残念。
……夜まで待てないくらいなのに。

「もう少しでビナ自由になれるしさ、そしたら… 」
「ん。一緒に住める?」
「俺は会社コッチだし。悩むとこだよなあ」


真剣な表情。
そんな悩まなくても…… 。

「シガの部屋に置いてくれればいいのに。狭くてもいいよ」
「ダメ。夜の街でお前見なくなったって噂になってんぞ。それだけの顔なんだから注意しねえと」
「そう?」

それだけ僕って売れてたって事?その割に実入りが少なかったな…… 。

「とにかく、この街には近づけたくねえの。……俺も転職しよっかなあ」
「じゃあ僕もバイトする。モデルとか」
「モデルって」
「あの仕事しながらやってる奴もいたんだよ。ヌードモデル。いいカネになるんだよ」
「絶対ダメだからな!!」
「あははははーー!やらないよ!」

こんな風に笑える日が来るなんて。
我慢してて良かった。
シガに会えて良かったよ。

いつも会う時とは違う、ビジネスマンらしい格好のシガにときめいてるって伝えなくちゃ。

「一緒に住んだとしても時間帯違うくなるかもね」
「なんのバイトするつもりだよ。てかさあ、ちゃんと就職しろよ。もう夜の仕事させないからな」
「えー、できるかな」
「できる」



ねえシガ。
明日のために希望を持つってこんなに楽しいんだね。

これから頑張ることは自分の為なんだね。

「ありがとうシガ… 」
「ああ」

涙を堪えてそう言うと、行き先を決めてない僕らを導くように地下鉄のアナウンスが響いてきて、自由へのために立ち上がる。


今日の次は明日。
2人でずっといられる未来へ。







end.









******************



前回でこの「 masquerade 」いい感じだと思ってたけど、続いてしまった。

「夢を見ないんだ」と言ってた豆が見る夢・・というのを考えてたのです。
2人には幸せになってほしいな。
らぶらぶな2人が大好きだからね・・・。




注(あくまでも創作で勝手な妄想です)


☆画像お借りしています。

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