とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

飢餓の克服、人口増、アンモニア

2017-12-09 09:57:25 | 哲学・社会
メモ。

タイトルに挙げた、飢餓の克服、人口増、アンモニアとは、一見なんの関係もなさそうに見えて、実は密接に関係し合う社会学的要素である。

社会学や、歴史、近代史、人工史をやっている人には耳タコな話で、古典中の古典、基礎中の基礎で、一般常識に通じるものであるが、しかし改めてメモを書いていきたい。



それまで農作物と言うのはその収穫増において、人間が耕した耕地面積量に比例した。即ち量としては加算的にしか増えていかなかったのであるが、その一方、人間と言う存在は、大気中等比級数的に増えていく。そうした関係性から、農作物の供給量以上に人口が増えることはない、というのが、近代前における社会の一般理論であった(マルサスの限界)。

人間が食べられる植物の育成においては大気中の窒素を化学的に変換して、それを実りある農作物へと固着せねばならないが、それは飽くまで、土中にある窒素固定菌と言う菌株に頼らなければならかったことが、その農作物の生産量を導き出す式の主要要素としてあったことに、その限界があった。
人間社会での農業においては、この天恵を運の出来不出来によって、狩に出かけて今日は獲物がいた、あるいはいなかったと言うような感じで、小麦や米の収穫を運に任せて加算的に増産していたのである。

話は脱線する。
元々、狩猟採集社会から農業社会に変遷したことと言うのは、狩猟採集社会と言う結果や予測そのものが次の結果に影響を与えてしまうと言うn次のカオス系と言う点から、それよりも比較的に生産量が安定して増産できると言う1次のカオス系である農作物生産、即ち農業社会を選択したのが人間社会であった。

さて、その狩猟採集社会にしろ、農業社会にしろ、人口は爆発的に増えることは無かった。何しろ人間の数は農作物の生産量によって決定され、その農作物は窒素固定菌による窒素固定量で決定されるからである。

さて、それが近代の化学的発明によって突破される。
ハーバー・ボッシュ法による化学的手法による、人工での窒素固定である。

これによって、アンモニアが単なる空気と燃料から生成されることになり、事前に窒素固定固定された化学肥料が誕生し、それによって農作物の収穫量も増え、そして、これによって人口も増えるという社会的ピタゴラスイッチを人類社会は為し得たのであった。

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