韓信の股くぐり その１

むかしむかし。

中国に韓信という男がいました。




こんな逸話があります。




ある日、韓信は、

町でならずものにからまれました。





ならずものは、言いました。

「おい、おまえ。おれを剣で刺す勇気はあるか？」



韓信は応えました。

「いやぁ、刺すとか、ちょっと意味わかんないっす…」



すると、ならずものは、

「おれを殺すか、おれの股をくぐるか、２つにひとつだ。どうする。ウヒヒ」




韓信は、将来に大きな夢をもっていました。

怒りにまかせて人を殺せば、人生は台無しです。




そこで韓信は、

怒りをぐっとこらえ、ならずものの股をくぐりました。

彼は、街中の笑いものになりました。




それから月日は流れ…




韓信は出世して王様になりました。




王様になった韓信は、

あのときのならずものを呼び出しました。




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