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1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

機動戦士ガンダム第08MS小隊(上) 原案/矢立肇 著/大河内一桜 1999年5月1日 角川書店(3回目)

2015-09-14 06:30:30 | ガンダム
しれっと3回目ですよっと。


4-5章あらすじ
隊長として初めての実戦に臨んだシローだが、結果は大失敗。
それを自分から公表したことで大隊の多くの人間から軽蔑される。
しかし一部の人間・・・・・・何より8小隊の部下たちからは、結果として信用を得ていたのでありました。



第六章 死神

 分からない。
 どうして、あの時、引き金が引けなかったのか。
連邦の兵士、シローをなぜ撃てなかったのか自問するアイナ。
しかし答えは見つからず。
運命の出会いだから仕方ないネ。


2回目の出撃は、地味な配置にされたものの無難にこなした8小隊。
 シロー自身は気づいていないのだが、あの事件のせいでコジマ基地はシローにとって住みやすいものに変わり始めていた。
あー、赴任前にボールでザクと相打ちという『大戦果』があったんだもんね。
元々『嫉妬のような感情を抱いていた面々』がいた訳か。
そうでない人たちからも自白したことで『同情票』を獲得し、
結果的にケガの功名とでも言える形。



「ま、隊長もラッキーだったよな。捕まったおかげで、味方も増えて」
「そうですね。最近、少しは明るくなったみたいだし。捕まった直後の隊長、見てられなかったですもんね」
そうだね、よかったよかった・・・・・・


「隊長が変わったのは、ゲリラのとこに薬を届けてからだよ」
「そうかなあ」
「絶対だ。ほら、隊長が大事にしてる時計があるだろ」
エレドアが鋭い、というよりミケルが鈍い。
ぼかぁ後者な訳ですがネ!

ま、とにかく復活したんならいいじゃありませんか・・・・・・
「サンダース、気分でも悪いのか?」
「いや、そんなことはないが」
「そうか? 戻ってから、様子が変だぞ」
 作戦を終えた時から気になっていたことだが、サンダースは確かにどこか変だ。具体的にどこがとは言えなのだが、それだけに漠然と不安になる。
『歴戦の強者』っぽいサンダースなのに、一体どうしたというのか。



「おい、聞いたか? 死神の話」
「ああ、8小隊もかわいそうにな。捕虜少尉に死神か、呪われてるぜ」
『捕虜少尉』はシローのことだけど、『死神』?


「やつは死神サンダースって言われててな、死神がいる小隊は、三度目の出撃で必ず全滅するって話なんだ」
ははは、ご冗談を


「ウソじゃねえ」
 半信半疑のミケルにダメを押すように、ロブが言った。
「少なくとも三度、やつの小隊は全滅してる。それも、全て三度目の出撃でな」
な、なんだってー!?

 兵士は――特に前線の兵士は意外なほどにジンクスを気にかける。幸運のコインを肌身離さず持ってるやつはいるし、出撃の時は右足からと決めているやつもいる。恋人の陰毛を持っていると無事に帰ってこれるという話が、まことしやかにささやかれるのも、軍隊ならではだろう。
 死と隣り合わせの戦場で、頼れるのは己と、そうしたジンクスだけなのだ。そんなものにもすがりたいほど、兵士は不安なのだ。
サンダースの様子がおかしかったのは、自分の『ジンクス』を気にしていたんだーね。
3回も続いたなら偶然と片づけるにはちょっと縁起が悪い・・・・・・。

士気にかかわるということで、サンダースと直接話すことにしたシロー。
呼び出すまでもなく、サンダースの方からジンクスの件を話し始める。
「最初は、幸運だったと思いました。全滅した小隊の中で、自分だけが生き残ったことを神に感謝したくらいです。二回目も、それほど気にはなりませんでした。全滅したのは自分の小隊だけではなく、連邦軍全体が壊滅的打撃を受けていたからです」
hmhm。


「しかし、三つ目の小隊が全滅して、自分は初めて恐怖しました。自分の小隊が三度目の出撃で必ず全滅する――そう気づいたのです。自分に死神という仇名がついたのも、その頃でした」
 サンダースは言っていて辛くなったのか、目を伏せた。
「次に自分が配備されたのは、第七艦隊機械化混成大部隊麾下のMS小隊でした。噂を聞いていた中隊長は、三度目の出撃に連邦勢力圏内での威力偵察を命じました。敵のいない地域への威力偵察など、ほとんど意味はありません。中隊長が自分のジンクスにピリオドを打たせようと、特別に配慮して下さった結果です」
それがシローと出会った時の話・・・・・・4回目じゃねーか/(^o^)\
ああ、確かに7小隊のロブ少尉は『少なくとも』って言ってたしな。

考えられる限り最も安全そうな任務でも回避できなかった『死神』のジンクス。
サンダースは、次回の出撃で自分を外してもらうつもりだったのです・・・・・・
その時!
「ふざけたこと言ってんじゃないよ」
 カレンが怒鳴った。
カレン姐さんの鉄拳制裁!


「ジンクスだ運命だって、努力もしないで諦めてる奴が、あたしは一番嫌いなんだ。自分の小隊を全滅させたくないんだったら、命を張って戦いな。それとも何か。小隊が全滅したのは、てめえが背中から撃ったせいなのかい。一人だけ持ち場を離れて逃げたせいなのかい」
 自分でも驚くほどに、感情のままにふるまってしまった。涙腺が、熱い。その熱さは、カレンに、一晩中泣きはらした、あの夜を思い出させた。
女傑にもそうなるまでに色々あるんよな・・・・・・。


翌日、8小隊は『三度目の出撃』が決定。
 この作戦に参加するのは、8小隊だけだ。本来は、他の部隊の参加も予定されていたのだが、サンダースのジンクスを知って他の部隊が出撃を拒んだのだ――と、どこから聞きつけてきたのか、エレドアが言った。
普段は荒くれのくせにこまけーこと気にする連中だな!な!

しかし8小隊の面々もどこかぎこちない。
こういう雰囲気は隊長がどうにかしたいところだけど・・・・・・?
「みんな、サンダースの件は知っていると思う」
 シローがサンダースの名を出すと、さっと緊張が走った。
「その噂を聞いて不安に思っている者もいるだろう。しかし、サンダースにジンクスがあるように、俺にもジンクスがある」
へぇ?


「こいつを持って出撃した時、俺と、俺の仲間は全員生きて帰れるんだ」
取り出したのは例の時計。

「俺の御守りと勝負だ、サンダース」
 シローが笑った。
 含みのない笑顔だった。
 サンダースは、あらためて、この少尉に賭けてみようと思った。
自分の強運というか悪運をネタに『死神』の空気を吹き飛ばす。
この『死神』への対応は、隊長として満点じゃあないでしょうか!

しかし出撃した8小隊を待ち受けていたのは、よりによって・・・・・・




第七章 強敵

「マザコンの隊長なんて、冗談じゃねえ。頼むから、戦場でママ~なんて気の抜けることは言わないでほしいね」
シローの『年代モノっぽい』時計の出所を探ったバカ話。
『死神』の件を乗り越えて、『いつもの調子』の8小隊でありました。

あえてバカ話に乗るシローを、兵士として認めつつあるカレン。
シローは腕も度胸も悪くないもんね!
(しかし、隊長となると話は別だ・・・・・・)
 カレンは、まだシローを隊長として認める気にはなれなかった。隊長として、一番大事なものを見せてもらっていないと、カレンは考えていたから・・・・・・。
果たして『一番大事なもの』とは・・・・・・?


「モビルスーツ確認。機数不明です」
 カレンは、すぐさま指向性通信を後ろに放った。
会敵。
ジオンの部隊を率いるのは、サハリン兄妹の側近ノリス・パッカード大佐。

数は3対3、連邦の最新鋭機のガンダム・・・・・・の外れもんではあるけれど、
機体性能的には8小隊が有利のはずで、パイロットの腕も『かなり優秀な部類』。
ところが!
「カレン機、活動停止!」
 シロー機に、エレドアの悲痛な通信が飛び込んできた。
「バカな!?」
 シローは思わず怒鳴り返していた。戦闘が始まってから30秒とたっていない。たった30秒で、ジョシュワ曹長がやられるなんて・・・・・・。
なん・・・・・・だと・・・・・・?


「青いモビルスーツ・・・・・・」
 エレドアとシローの会話を聞いていたミケルは、必死に記憶の糸をたぐった。軍内配信のニュースで、そんなモビルスーツのことを読んだ気がする。
「隊長。そいつ、グフですよ。ジオンの新型です」
ミケル、BB(恋人)に手紙書いてるだけじゃなかったんだな。
あんたは偉い!

ジオンの3機は、普通のザクと偵察型のフリッパーザク、そして『青いやつ』。
この『青いやつ』こそノリスが駆る『グフMS-07B3』。
初見殺しの『高圧電流の鞭』ヒートロッドを装備した新型、
ノリスにとっては「鬼に金棒」な機体だったのです。
「逃げましょう、隊長。三対二で、向こうは新型です。勝てっこありません」
 ミケルの脳裏に、死神サンダースのジンクスが蘇った。やはり、三度目の出撃で全滅する運命なのだろうか。
「隊長、自分は・・・・・・」
 サンダースが呻くように言った。サンダースもミケルと同じことを考えたのだ。
ミケル、サンダースの気力↓

「どうすんだい、隊長」
「隊長」
「隊長」
 シローは、決断しなければならなかった。
これは厳しい。
『最大の戦力』たるカレン機が行動不能になった時点で、勝敗は決したも同然

(俺は・・・・・・どうすれば・・・・・・)
 こうしている間にも、ジオンの新型が近づいているはずだ。
「俺は・・・・・・」
 シローは、汗ばむ手で操縦桿を握り締めた。
シローたち8小隊は、『死神』を打ち破ることができるのか!?




・・・・・・1つの牛歩戦術と言えるかもしれまセン。
中巻が、中巻がね・・・・・・。



中巻1回目


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