ぼんさい塾

ぼんさいノートと補遺に関する素材や注釈です.ミスが多いので初稿から1週間を経た重要な修正のみ最終更新日を残しています.

単振子の運動 (3)

2011-09-23 15:50:38 | 暮らし
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                                  [2] 差分方程式の導出

後回しにしていた保存量

    H(t) = (1/2)(dx/dt)2 + (1/2) a x2 + (1/3) b x3 +(1/4) c x4

の差分化を紹介します.ポイントは「保存量も時間反転に対して不変に」すべきであるとして,上図のように離散化します(記号はこのブログに合わせて変更しています).ci

    c1 + c2 = a/4,   c3 = b/6,   c4 = c/6

となる定数です.上図の中括弧内の式を 0 とおく差分方程式の解は Hn+1 = Hn を満足します.

補足1: [2] p.89 に「失敗の原因は・・・振動方程式は・・・したがって差分方程式も・・・( t → -t または+δと-δの入れ替え)によって不変であるべきであり」と書かれていますが,微分可能な点では右極限(Δt → +0)と左極限(Δt → -0)が一致するので,δに関しては振動の場合に限りません.xn+1 と xn の混在についてはδだけでも説明できるような気がします.

補足2: 保存量が (1/2){ω(t)}2 + {1 - cos θ(t)} のときに同様の技法 (因数分解できる形に修正) を適用することは難しそうです.なお p.91 の「・・・の2乗以上の項が現れ,解の一般性が失われるからである.」の意味は理解できていません.

補足3: 中点法では (1/2)(dx/dt)2 + (1/3) b x3 が保存量のときも x(nΔt + Δt/2)3 を (xn3 + xn+13) / 2 で近似するので,Δt → 0 の極限でしか保存量に一致しません.



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