さて、9月24日と25日のヴェネツィアでの宿泊先は『アル・ポンテ・アンティコ (Al Ponte Antico)』という小さなホテル。駅からは水上タクシーで60ユーロほどだが時間は10分ぐらいしかかからず、ホテルに向かいながらヴェネツィアらしさを楽しむのにほどよい距離だ。タクシーはホテルの船着場に直接横付けできるため、ヴェネツィア特有の細い通りやスロープのない端をスーツケースかかえてウロウロする必要がない。
ホテルの船着場に着くと1Fのフロントに通された。「ん?」ちょっと小さい。そして暗い。ここを選んだ理由はトリップアドバイザーで評判が良い割にリーズナブルな室料だってこと。泊まりたいホテルってだけで選ぶと1泊1000ユーロ近い料金になってしまうし、もう少し価格を下げても値段の割りには小さな運河沿いだったりで眺めはさほどよくない。それに比べるとアル・ポンテ・アンティコは1泊300ユーロ台なのに大運河の素晴らしい景色を堪能できるとある。「ある意味賭けだな」と思ってやってきたのだが、ロビーを見て不安な気持ちはMAX。そして部屋に通されたときは「うわっ、やっちまったぜ」っていう気持ちになった。なんてったって部屋が狭い上に雰囲気が暗いのだ。
やっぱり一生に一度の旅行なら倍ぐらいの値段でもよかったかと後悔しながらテラスに連れて行かれて・・・、はい、気持ちは変わりましたよ。テラスからの眺めがあまりに素晴らしいのです
下の写真はテラスから撮った写真なの。
綺麗でしょ この眺めをお茶をしながら好きなだけ眺めていられるのって幸せ。 この値段でこの眺めってヴェネツィアでは他にないと思われます。バスルームなどの水回りはこじんまりしているけれど清潔感があって、必要なものはそろっているし、水はお湯のでも十分だし。考えたら、広くて綺麗なお部屋で細い運河を隔てて反対側の建物が見えるようなホテルより、ずっとヴェネツィアらしさを感じられるものね。ただし、新婚旅行とかでずっと部屋に篭っていたいなんているカップルには向かないかも。
ヴェネツィアのホテルは多くのホテルが朝食付き。朝、初秋の風に吹かれ、運河を行き交う水上バスやら運搬船やらの様子を見ながら取る朝食は格別です。
ほら、素敵でしょ ある日はアメリカ人(?)夫婦が私達に「シャンパン1本頼んだら余っちゃった。少しだけど、良かったら飲んでね」と言って冷えたシャンパンを置いていった。 こんなやり取りがあるのも数部屋しかないホテルの特徴だわね。私達は時差ボケが辛くて夜は早々に寝てしまっていたけど、夜景をみながらワインをテラスで飲むのも素敵かも。
「大事なのは部屋のゴージャス感や広さじゃないわよ」って割り切れる人には大正解のホテルだとお勧めいたします。