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李鍾植「朝鮮半島最後の陰謀」

2008-01-31 20:46:39 | 歴史・社会
李鍾植著「朝鮮半島最後の陰謀」(幻冬舎)
朝鮮半島最後の陰謀―アメリカは、日本・韓国を見捨てたのか? 「非道な北朝鮮」と「愚かな韓国」
李 鍾植
幻冬舎

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この本は、大韓航空機爆破事件において、金賢姫拘束に至る韓国サイドの動きが記載されているらしいということで、購入したものです。その目的としている内容については、以前紹介しました。

この本の著者である李鍾植(イジョンシク)氏は、国籍が北朝鮮→韓国→日本と変遷した人です。都内某私立大学在学中の1980年初頭に、韓国国家安全企画部から接触を受け、工作部員としての活動を始めました。ある日、北朝鮮側からも協力を依頼されますが、事実を韓国当局に報告したところ二重スパイになることを強要され、身の危険を感じて関係を解消しました。
1990後半以降は依頼を受けての情報活動からは一切手を引き、現在は自身の表現活動のための情報活動を続け、執筆を行っています。

この本は2007年5月発行です。
以下のような内容が記述されています。

日本では、北朝鮮において金正日が絶対権力者であると認識されていますが、金正日は単に祭り上げられているだけで、絶対権力を持っているのは朝鮮人民軍だということです。戦前の日本と同じですね。軍事官僚組織が絶対権力を持っており、誰か一人が独裁者ということではありません。

官僚組織の中で、朝鮮労働党も大きな権力組織ですが、現在のところ、朝鮮人民軍の力が朝鮮労働党の力を上回っています。

もちろん、北朝鮮による日本人拉致事件、大韓航空機爆破事件は、金正日が首謀者です。これは、1975年11月に金正日が朝鮮労働党調査部の実権を握ったことに起因しています。金正日はあくまで朝鮮労働党を動かしたのであって、朝鮮人民軍は金正日の影響下にありません。

2007年2月、アメリカは北朝鮮との二国間協議に応じ、北朝鮮に対して大幅な譲歩をしたように受け取られています。しかしこれは米国の罠であり、北朝鮮がこれによって増長して核開発を推進したら、米国はそれを口実として北朝鮮爆撃に踏み切るというのです。

北朝鮮が核爆弾を完成したら、アルカイダなどのテロ組織に引き渡す可能性があります。
米国は本質的に「覇権主義国家」であり、ならず者国家と認定した北朝鮮が核爆弾を完成し、アルカイダと手を組む可能性が濃厚になったら、必ず北朝鮮を叩きつぶすと予測します。

北朝鮮(具体的には朝鮮人民軍の実力者)にとって、「日本は滅ぼすべき敵国」なのです。米国から攻撃されたら、追い詰められた北朝鮮は、滅びるなら憎き日本を道連れにと、「対日戦争」に踏み切るということです。

「対日戦争」といっても、正規軍が日本に上陸するわけではありません。ミサイル攻撃とテロ攻撃です。

北朝鮮は、短距離ミサイル「スカッド」などを500基、中距離弾道ミサイル「ノドン」を200基、実戦配備しています。また中距離弾道ミサイル「テポドン1号」と大陸間弾道弾「テポドン2号」については、配備数はわかりません。
ノドンは射程距離1300kmで、韓国相手には長すぎる、米国相手には足りません。ノドン200基が狙っているのは日本しかあり得ないのです。「北朝鮮が対日宣戦布告した場合、ノドンは緒戦で出し惜しみせずに発射される」といわれており、米軍の北爆でミサイル基地が叩かれる前に、200基すべてのノドンが日本に向けて発射されます。核弾頭が搭載されているかもしれません。

日本国内に潜伏する北朝鮮工作員は、諜報活動を行う普通の工作員が約1万人、テロ攻撃能力を有する特殊工作員は500~1500人規模といわれています。この特殊工作員が、日本各地の自衛隊基地、在日米軍基地、原子力発電所をテロ攻撃します。北朝鮮工作員は、爆弾のみならず、サリンをも保有しているというのです。

韓国と在韓米軍との関係について、従来は朝鮮半島有事における総指揮権を米軍が握っていましたが、これを韓国に返還するといいだしました。在韓米軍の規模も、最盛時4万人規模だったものが15000人まで縮小します。
韓国は、金大中-盧武鉉の2政権において、「ならず者国家」北朝鮮を応援する政策を採り、これがため米国は韓国を守ることに嫌気が差してしまいました。
米軍が北朝鮮攻撃に踏み切ったとき、韓国が北朝鮮からミサイル攻撃されて火の海になったとしても、わしゃ知らんということです。


私は従来、イラク戦争開始時にしろ、テロ特措法延長問題にしろ、「イラクを第1に考え、アフガニスタンを第1に考えたとき、日本は何をなすべきか、という観点で議論すべきであり、対米追随はよくない」と主張してきました。
しかしもし、李鍾植氏による上記解析があながち荒唐無稽でないのだとしたら、米国に対するご機嫌取りを全く放棄することは危険すぎるかもしれません。
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