6月8日の朝日朝刊「日曜ナントカ学」は、陸上自衛隊の新しい戦車開発の話題でした。
陸上自衛隊の今の主力戦車「90式」は、1両10億円前後で、北海道を中心に300両ほど配備されています。10億円という値段は、米国の主力戦車M1の約3倍です。
今年2月、防衛省は次世代の新戦車「TKX」の試作車を公開しました。02年に開発を始めたそうです。コンセプトは「小型軽量化」と「情報ネットワーク化」。90式より6トン軽く、戦車同士や司令部間を通信ネットワークで結びます。
欧米の戦車の寿命が50年以上であるのに対し、日本は約30年と短いです。日本には「改良」という発想がなく、毎回フルモデルチェンジです。
なぜ新しい戦車が必要なのか。
新聞記事では、国内の戦車製造にかかわる業者(千社以上)を保護するための公共事業的な意味合いでは、と疑っています。
なぜ、日本の自衛隊が使う戦車について、国産にこだわるのか。そして短い寿命でフルモデルチェンジしていくのか。国内業者保護と疑われても仕方ないと思います。むしろ日本の歳出削減の観点からは、必要なら海外の戦車を安く買ってくるべきでしょう。
この問題に関して、わが家にある関連図書は以下の1冊(2001年発行)です。
陸上自衛隊の戦車についての記事を読むと・・・。
90式の前の74式戦車が退役させられ、その代替として、今回の新聞に載っている次期戦車の開発が予定されていると書かれています。
この本によると、現在主力の90式戦車は、重量が50トンになってしまい、トレーラーによって一般道路(高速道路を含む)を輸送することがもはや困難だそうです。有事に際し、日本国内で戦車を移動して展開することが困難ということです。だから次世代戦車は軽量化を図っている、ということかもしれませんが。
国内を自由に動き回ることができない戦車を配備して、どれだけ日本の防衛力に寄与し得るのか、疑問に感じてしまいます。
この本には、海上自衛隊の潜水艦についておもしろい記事が載っています。
海上自衛隊は16隻の潜水艦を保有しています。
一方、日本は潜水艦を三菱重工業と川崎重工の2社が建造しています。潜水艦を2社が建造する国は、日本以外では米国とロシアのみです。2社の技術力を確保するため、毎年1隻ずつ、両社から交互に新潜水艦が生まれます。
毎年1隻ずつ増え、一方で保有艦数は16隻ですから、潜水艦は寿命16年という若さで退役させられてしまいます。この点で日本は極めて異例の国です。もったいない税金の使い方です。
日本の国防予算が、その総額で世界のトップクラス(5位)にあるといっても、以上のように費用対効果の悪い予算の使い方をしていますから、国防力として比較したら大したことはないのかもしれません。
陸上自衛隊の今の主力戦車「90式」は、1両10億円前後で、北海道を中心に300両ほど配備されています。10億円という値段は、米国の主力戦車M1の約3倍です。
今年2月、防衛省は次世代の新戦車「TKX」の試作車を公開しました。02年に開発を始めたそうです。コンセプトは「小型軽量化」と「情報ネットワーク化」。90式より6トン軽く、戦車同士や司令部間を通信ネットワークで結びます。
欧米の戦車の寿命が50年以上であるのに対し、日本は約30年と短いです。日本には「改良」という発想がなく、毎回フルモデルチェンジです。
なぜ新しい戦車が必要なのか。
新聞記事では、国内の戦車製造にかかわる業者(千社以上)を保護するための公共事業的な意味合いでは、と疑っています。
なぜ、日本の自衛隊が使う戦車について、国産にこだわるのか。そして短い寿命でフルモデルチェンジしていくのか。国内業者保護と疑われても仕方ないと思います。むしろ日本の歳出削減の観点からは、必要なら海外の戦車を安く買ってくるべきでしょう。
この問題に関して、わが家にある関連図書は以下の1冊(2001年発行)です。
日本の軍事システム―自衛隊装備の問題点 (講談社現代新書)江畑 謙介講談社このアイテムの詳細を見る |
陸上自衛隊の戦車についての記事を読むと・・・。
90式の前の74式戦車が退役させられ、その代替として、今回の新聞に載っている次期戦車の開発が予定されていると書かれています。
この本によると、現在主力の90式戦車は、重量が50トンになってしまい、トレーラーによって一般道路(高速道路を含む)を輸送することがもはや困難だそうです。有事に際し、日本国内で戦車を移動して展開することが困難ということです。だから次世代戦車は軽量化を図っている、ということかもしれませんが。
国内を自由に動き回ることができない戦車を配備して、どれだけ日本の防衛力に寄与し得るのか、疑問に感じてしまいます。
この本には、海上自衛隊の潜水艦についておもしろい記事が載っています。
海上自衛隊は16隻の潜水艦を保有しています。
一方、日本は潜水艦を三菱重工業と川崎重工の2社が建造しています。潜水艦を2社が建造する国は、日本以外では米国とロシアのみです。2社の技術力を確保するため、毎年1隻ずつ、両社から交互に新潜水艦が生まれます。
毎年1隻ずつ増え、一方で保有艦数は16隻ですから、潜水艦は寿命16年という若さで退役させられてしまいます。この点で日本は極めて異例の国です。もったいない税金の使い方です。
日本の国防予算が、その総額で世界のトップクラス(5位)にあるといっても、以上のように費用対効果の悪い予算の使い方をしていますから、国防力として比較したら大したことはないのかもしれません。
考察をしたいのであれば10冊は見て更にそれらの本への評価をネットなりで確認してから語るべき
http://obiekt.seesaa.net/article/99887411.html
http://obiekt.seesaa.net/article/88038352.html
>必要なら海外の戦車を
その論は既に破綻している
海外輸出ライセンス等がどんどん上乗せされる以上それこそ国産より高い値段に最終的には行き着く
まあ、普段興味の無い人にとっては難しい分野かもしれませんが...
そもそも、記事を書いている人は主張の傾向に疑問符の付けられている「戦車改良論者」なので、まあ文句を付けたかった朝日にとっては格好の"御用評論家"だったのかもしれません。
まず、比較対象としているM1の値段はC4I機能未装備のいわゆる"初期型"で、新型戦車と同等の能力を持つM1A2仕様への改造は5-6億かかります。
またM1A2や同クラスのレオパルド2の輸出価格は10億超となっており、新型の7億より高くなっています。「国産=高い」と言う構図は必ずしも正しいとはいえないのです。
それに「改良=安上り」とも限りません。
改良の場合、追加予算が必要となり、運用期間や能力に比して単価の増大を招く危険があります。実際、ロシアは安い改良に拘り過ぎ、近代戦に対応できないゴミのような旧型戦車(1万6千/2万)が溢れています。
一方、日本は初期型の値段を上がる代わりに、能力を詰め込めるだけ詰め込み、改良をしない。という選択肢を取っているので、一概に日本のやり方が無駄とはいえない面もあります。
そうでしたか。「日曜ナントカ学」の記事は現状を正しく評価していないといわれているのですね。
ご指摘いただき、ありがとうございました。