弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

スペイン・コルドバのパティオ祭り

2017-06-30 21:52:18 | 趣味・読書
本年の5月中旬、家族で南スペインをめぐる旅をしてきました。訪問先は、コルドバ、グラナダ、セビーリャの3都市です。最初の訪問地であるコルドバ滞在中は、ちょうどパティオ祭りの最中でした。

南スペインのコルドバやセビーリヤの旧市街には、パティオ(中庭)を囲むような造りの家が多いといいます。パティオの入口にはこれまたデザインに工夫を凝らした鍛鉄細工の透かし扉が付いており、通りからパティオを垣間見ることができます。

「パティオのある家に住んでいる人たちが、パティオの美化に注ぐ情熱は大変なものだ。コルドバでは毎年5月の中頃に2週間にわたってパティオ祭があり、パティオのコンクールが催され、優勝したパティオの住人には賞金が贈られる。」
「中庭方式は、夏のあいだ日射が強烈で空気が乾燥しきっているという気候風土に向いている。こういう地域では日光の直射や切り返しから遠ざかるほど、そして外気が直に吹きつけてこない所ほど、より涼しくて快適なのだ。暑い盛りには外気温が40度を超えることも珍しくなく、そうなると素肌に風を受けるとかえって厚い(下記著書より)。」
添乗員ヒミツの参考書―魅惑のスペイン (新潮文庫)
紅山雪夫
新潮社
コルドバの今年のパティオ祭りは5月2日~14日であり、ちょうど我々の滞在期間に合致しています。パティオコンクールに参加しているパティオは、期間中、だれでも自由に入って見学することができます。ただし、11時~14時、18時~22時のみですが。
見学者はパティオ祭りの地図をもらうことができます。下の地図は、配られた地図をベースとし、一部の見えなかった部分を付け足したものです。

地図には、青印の番号(1~45)と、茶色印の番号(1~14)が記されています。青印が、一般人のパティオで、今回の祭りに参加しているパティオです。茶色印は、博物館などの公共の施設です。

5月9日、コルドバのホテル到着は午後6時頃でした。まだ太陽がかんかんと照らしている昼間です。私は市内見学に一人で出かけることとしました。まだ、上記パティオの地図を入手していません。
 
コルドバ旧市街の西端、アルモドーバル門からシナゴーガ(ユダヤ人の会堂)へ向かう途中の路地で、観光客が出入りしているパティオに遭遇しました(上写真と左下写真)。後からパティオ地図と照合した所、青30番のパティオでした。

 

翌10日、全員でメスキータを訪問した後、妻と私が2人で市内見学しました。パティオ祭り地図を頼りに、まずは茶色9番の博物館を見た後、いろいろ探し回り、1箇所だけ青印パティオ(青33番)を見つけました。右上写真と下写真です。階段(下写真)が素敵だったので、交互に記念写真も撮影しました。


11日、まずはアルカサルを見学しました。そのあと、アルカサルの近く、旧市街の南西端にまとまって位置しているパティオを見て回りました。パティオ開場は11時ですが、まだ時間があります。もよりのパティオの入口前で開場を待ちました。本日は雨が降ったり止んだりです。入口前には、すでに開場待ちの観光客が群をなしています。11時ちょうどに、そのパティオ担当スタッフが到着し、鉄格子の透かし扉から中に入っていきました。ほどなく開場です。パティオ内はあっという間に観光客に占拠されます。
この地区には、37番から45番までのパティオがまとまっています。いずれも、入場するには長い列に並ばなければなりません。炎天下、いくつの列に並び、いくつのパティオを訪問したか、もう忘れてしまいました。取りあえずパティオ祭りの写真と照合してみました。


青37番





 





どこのパティオも、2階までの高い壁の一面に無数の植木鉢が飾られています。
先述の「魅惑のスペイン」によると、夏は気温が高くてしかも乾燥しきっているため朝夕2回の水やりはどうしても必要で、それだけでも大変な手間であるそうです。一体どのようにて水やりを行っているのでしょうか。
上の写真は、南西端地区で見つけた銅像です。子供がハシゴに登り、でっぷりした親爺から水桶を受け取って、高所の水やりを行っている情景でしょう。このような働き者の少年がいればいいが、いなかったらどうするのでしょうか。
下の写真のような道具を立てかけているパティオもありました。


ここアンダルシア地方の床面の特徴として、小石を縦に並べた床面があります。左下写真はその一例です。平べったい小石を用い、平べったい面を水平にするのではなく、平べったい面を垂直にして並べているのです。裸足で歩いたら足つぼマッサージになるでしょう。さらに左下写真のように、色違いの小石を用いて模様を描いてます。
 

この地区は、旧市街の南西端に位置してます。旧市街の境界には城壁が健在です。右上の写真は、パティオの一方の壁として城壁を利用しているものでした。




上の写真のパティオ、植木鉢の数で勝負しているようでした。
数多くのパティオで、井戸がアクセントになっていました。本当の井戸かどうかは不明ですが。左下の写真(青44番)は、井戸を覆う屋根が特徴的でした。

 

この日訪問したパティオは、いずれも入場するまでに長い行列に並ぶ必要がありました(右上写真)。

12日、まず妻と2人でミナレットの塔に上った後、1人で市内を巡りました。まだ訪問していない、旧市街の東側を歩いて回りました。
旅籠屋ポトロを過ぎた所で、パティオ地図を紛失していることに気づきました。あの地図がないと、パティオ祭り参加のパティオに辿り着くことができません。しょうがないので、まずはガイドブックに出ているピアナ宮殿を訪問し、そのあと、適当に歩いてパティオを探すこととしました。

ピアナ宮殿は、ピアナ公爵の邸宅として14世紀に建てられたものだそうです。一番の見所は、さまざまなスタイルに整えられた12ものパティオということです(地球の歩き方)。左下の写真が宮殿の正面。見学者の出入り口はこの左側にあります。
 
宮殿内を順路に従って歩きました。いくつものパティオを抜けていきます(右上写真、下の2枚の写真)。
 

ピアナ宮殿の見学は終わりました。予定ではこのあと、パティオ祭りに参加しているパティオを順に訪問する予定でした。ところが、パティオ祭りの地図を紛失してしまったので、どこに目的のパティオがあるのか、まったく手がかりがありません。
唯一の頼みは、私がなくしたのと同じパティオ祭りの地図を持った人を探すことです。あっ、いた。そこで、その人がやっていた方向に歩き、その方角にあるはずのパティオを探しました。一つの路地を曲がって目星を付けたところ、その路地の途中に一つのパティオを見つけました。たしかに祭りに参加しているパティオです。そして同じ路地には、続けて3箇所の祭り参加パティオが位置していました。そのうちの2箇所が、以下の写真です。
  
青14番     青12番


本日はグラナダに移動する日であり、もうあまり時間がありません。
こうして、私のパティオ祭りは終わりました。
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