弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

証拠改竄・犯人隠避で有罪判決

2012-03-30 22:41:48 | 歴史・社会
<証拠改ざん・隠蔽>元大阪地検特捜部長らに有罪判決毎日新聞 3月30日(金)13時24分配信
『大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠蔽事件で犯人隠避罪に問われた元特捜部長の大坪弘道被告(58)と元副部長の佐賀元明被告(51)に対する判決公判が30日、大阪地裁であり、岩倉広修裁判長は両被告に懲役1年6月、執行猶予3年(ともに求刑・懲役1年6月)を言い渡した。両被告は控訴するとみられる。』

この事件の公判ではよくわからないことがありました。今回の判決紹介記事にも、
『公判で、検察側は「佐賀被告は10年1月30日に前田元検事と電話で話した際、故意の改ざんだったと聞き、後日に大坪被告に報告して2人で隠蔽を決めた」と主張。前田元検事や当時の事情を知る国井弘樹検事(37)ら検察関係者5人に、当時の地検内の状況を証言させた。論告では「両被告は組織防衛と自己保身のため改ざんをもみ消し、検察官の職業倫理に著しく違背した」と厳しく批判した。』
『一方、両被告は一貫して無罪を主張した。・・・1月30日の電話の相手は前田元検事ではなく別の検事だった--などと主張した。』
とあります。

まずは検察側の主張立証で、10年1月30日に佐賀被告が前田元検事と電話で話したとき、そばで國井検事ともう一人の検事が聞いているのですから、どうにも申し開きができないだろう、と感じました。
ところがその後で、佐賀被告は「その電話は別の検事が相手だ」と言い出したのです。
もしも法廷でその別の検事が証人に立ち、「はい、そのときの電話の相手は私です。こういう内容の話をしました」と証言したら、検察側は相当の窮地に立ったはずです。

今回の判決報道に接し、あの「別の検事」の話は一体どうなったんだろうか、とネットでいろいろ探しましたが、見あたりません。
そして朝日新聞夕刊には、公判を傍聴してきた甲南大法科大学院の園田寿教授の話として『佐賀被告は「電話は別の検事だった」と反論した。この主張を裏付けるため、弁護側が「別の検事」を証人申請していれば違った展開になっていたかもしれない。』とありました。

結局佐賀被告は、「電話は別の検事だ」と主張したものの、その点についての立証を全くしていなかったのですね。これでは「佐賀被告はうその言い逃れをいっている」ととられます。勝てないのは当たり前だ、と私は思います。

もう1点わからないことがあります。
今回、両被告には執行猶予がつきました。何で執行猶予なんでしょうか。その点についてふれた報道はまだありません。
無罪なら別ですが、有罪だとしたら、その罪は、鈴木宗男氏やホリエモン氏などよりもよっぽど重いと私は思います。法廷でも反省の色を一切見せていませんし。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 花粉症デビュー | トップ | 原子力安全保安院と宇宙開発... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

歴史・社会」カテゴリの最新記事