弁理士の日々

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原発事故政府事故調中間報告~津波予防対策

2012-01-02 00:11:42 | サイエンス・パソコン
昨年10月17日にこのブログの「震災前に東電が行った津波試算の経緯」で紹介したように、2002年に国の地震調査研究推進本部が「東北から房総にかけての日本海溝沿いなら、どこでもM8級の地震が起きる」と報告しており、この報告をもとに2008年に東電が試算した結果として、福島県沖で房総沖津波(1677年)と同じものが発生したと仮定した場合、福島第一原発は最大13.6メートル、福島第二は14.0メートルの津波に襲われるとの結果が得られていたことがわかっています。
それにもかかわらず、東電は福島第一原発について10メートルを超す津波に襲われた場合のアクシデントマネージメントを何ら講じることがありませんでした。

この点に関し、今回の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の「2011.12.26 中間報告」ではどのように検証しているでしょうか。

概要」では
『東京電力は、平成20 年に津波リスクの再検討を行い、福島第一原発において15m を超える想定波高の数値を得た。また、東京電力は、同年、佐竹ら「石巻・仙台平野における869 年貞観津波の数値シミュレーション」(佐竹論文)に記載された貞観津波の波源モデルを基に波高を計算し、9m を超える数値を得た。しかし、東京電力は、前者については、三陸沖の波源モデルを福島沖に仮置きして試算した仮想的な数値にすぎず、後者については、佐竹論文において波源モデルが確定していないなど、十分に根拠のある知見とは見なされないとして、福島第一原発における具体的な津波対策に着手するには至らなかった。』
と総括しています。

中間報告の「Ⅵ 事故の未然防止、被害の拡大防止に関連して検討する必要がある事項」では、この間のいきさつを詳細に検証しています。
以下に、流れがわかる程度に中間報告から抜粋します。

『 推本「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(平成14年7 月)
平成7 年に発生した阪神・淡路大震災を踏まえ、地震防災対策特別措置法に基づき総理府(当時)に政府の特別の機関として地震調査研究推進本部(推本)が設置された(現・文部科学省に設置)。
三陸沖北部から房総沖の海溝寄りのプレート間大地震(津波地震)については、1611 年の三陸沖、1677 年の房総沖、明治三陸地震と称される1896 年の三陸沖のものが知られているが、これら3 回の地震は、同じ場所で繰り返し発生しているとは言い難いため、固有地震としては扱わないこととするとともに、同様の地震は三陸沖北部海溝寄りから房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性があるとしている。』(382ページ)

『東京電力が平成20 年に行った福島第一原発及び福島第二原発における津波評価、対策に関する社内検討
(a)社内検討に至る経緯
東京電力は、福島第一原発及び福島第二原発に関する作業を進めたが、津波評価を検討する過程において、平成14 年7 月に公表された推本の「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」で述べられている「1896 年の明治三陸地震と同様の地震は、三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性がある。」という知見をいかに取り扱うかが問題となった。
東京電力は、推本の長期評価に基づき津波評価技術で設定されている三陸沖の波源モデルを流用して試算した結果、それぞれ福島第一原発2 号機付近でO.P.+9.3m、福島第一原発5 号機付近でO.P.+10.2m、敷地南部でO.P.+15.7m といった想定波高の数値を得た。
この波高を知った吉田昌郎原子力設備管理部長(吉田部長)の指示で、武藤栄原子力・立地副本部長(原子力担当)(武藤副本部長)らに対する説明及び社内検討が行われることとなった。
(b)社内検討
平成20 年6 月10 日頃(1回目の)説明、7 月31 日頃、2 回目の説明が行われ、担当者より、防潮堤の設置により津波の遡上水位を1 から2m 程度まで低減できるものの、数百億円規模の費用と約4 年の時間が必要になると見込まれることや、津波解析の手法等について説明がなされた。
武藤副本部長及び吉田部長は、前記想定波高につき、試算の前提とされた推本の長期評価が震源の場所や地震の大きさを示さずに、「地震が三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性がある。」としているだけのものである上、津波評価技術で設定されている三陸沖の波源モデルを福島第一原発に最も厳しくなる場所に仮に置いて試算した結果にすぎないものであり、ここで示されるような津波は実際には来ないと考えていた。
 ・・・・・
結論として、武藤副本部長より、①推本の長期評価の取扱いについては、評価方法が確定しておらず、直ちに設計に反映させるレベルのものではないと思料されるので、当該知見については、電力共通研究として土木学会に検討してもらい、しっかりとした結論を出してもらう、②その結果、対策が必要となれば、きちんとその対策工事等を行う、③耐震バックチェックは、当面、平成14年の津波評価技術に基づいて実施する、④土木学会の委員を務める有識者に前記方針について理解を求めることが、東京電力の方針として決定された。・・・
(c)武黒本部長への報告
武藤副本部長及び吉田部長は、遅くとも平成20 年8 月までに、前記検討内容を武黒一郎原子力・立地本部長に報告したところ、同本部長から特段の指示等はなく、前記方針が追認された。
(d)東京電力による有識者への説明
東京電力は、平成20 年10 月頃、土木学会の委員を務める有識者らを訪ね、東京電力の社内検討結果について理解を求めたところ、有識者らからは、特段否定的な意見は聞かれなかった。
有識者らの一人である東京大学地震研究所の佐竹健治教授は、「石巻・仙台平野における869 年貞観津波の数値シミュレーション」の原稿を東京電力の担当者に渡した。東京電力は、同論文を基に波高を試算したところ、福島第一原発で8.6m から9.2m まで、福島第二原発で7.7m から8.0m までという結果を得た。
(e)貞観津波の取扱い及び堆積物調査の実施に関する決定
 ・・・・・
吉田部長は、推本の長期評価に関する想定津波と同様に、前記佐竹論文に基づき試算された波高の津波も実際には来ないと考えていたものの、他方で、推本の長期評価と同様に、貞観津波に関する同論文についても津波評価技術に基づく福島第一原発及び福島第二原発の安全性評価を覆すものかどうかを判断するため、念のために、電力共通研究として土木学会に検討を依頼することとした。さらに、吉田部長は、前記有識者の指摘を踏まえ、福島県沿岸において津波堆積物の調査を実施する方針も併せて決定した。
これらの方針は、遅くとも平成21 年1 月頃までに、吉田部長から武藤副本部長及び武黒本部長に報告され、特段の指示等もなく了承された。

d 東京電力社内における福島地点津波対策ワーキングの立ち上げ
その後、平成24 年10 月を目途に結論が出される予定の土木学会における検討結果如何では津波対策として必要となり得る対策工事の内容を、いわば頭の体操的に検討することを目的として、平成22 年8 月に、前記センター内の地震グループを除く全グループが参加する「福島地点津波対策ワーキング」が立ち上げられた。同ワーキングは、・・・・・海水ポンプの電動機を水密化する対策や、ポンプを収容する建物を設置する工事は、いずれも技術的な問題があるため、その実現が困難と目されていた。
 ・・・・・・

c 保安院が、平成23 年3 月7 日に実施した東京電力に対するヒアリング
 ・・・・・
平成23 年3 月7 日、保安院において東京電力に対するヒアリングが行われた。
 ・・・・・
福島第一原発及び福島第二原発の津波対策については、平成24 年10 月を目途に結論が出される予定の土木学会における検討結果如何では、津波対策として必要とされ得る対策工事の内容を検討しているが、同月までに対策工事を完了させるのは無理である旨説明した。』(395~405ページ)
--抜粋終わり-----------------------------

今から9年ほど前に「推本」から示された見解に基づくと、「500~1000年に1回発生する津波は、福島第一で10~15mの高さに達する可能性がある」という推定がなされました。
東電としても、この推定を無視したわけではありません。土木学会に相談し、土木学会は平成24年10月に結論を出すことになっていたのです。
しかし、千年に一回の津波は、この1年を待ってはくれませんでした。

確かに、福島第一原発の海岸を15mの防波堤で防御するなどは非現実的です。また、平成20年にそのような方針を決定したとしても、平成23年3月には完成していなかったことでしょう。
しかし、対策というのは、「完璧な対策を講じるか、しからざれば何もしないか」ということではないはずです。
「津波が原発を襲い、建屋の1、2階部分が浸水することはやむを得ない。それでも原子炉が炉心溶融に至らないように、最低限の対策を講じておこう」という発想があっても良いはずです。そのような発想に立てば、
「最低限、1号機の非常用復水器などの機能に不可欠である直流電源のバッテリーについては、地下の配置ではまずいので2階以上に移動しよう」
「直流電源が失われると、非常用復水器はフェールセーフ機能によって停止してしまう。それではまずいので、計装シーケンスを変更しよう。」
「2~6号機の隔離時冷却系は、ほんの1日以内の冷却能力しかない。それ以降については消防車で海水を注入する手段しかとれない。消防車による海水注入の手立てを事前検討しておくとともに、海水注入のためには蒸気逃がし安全弁を開放するための120Vバッテリーを常備しておく必要がある」
といった対策が思いつくはずです。そしてこの程度の対策であれば、15mの防波堤と対比したらきわめて安価でかつ短時間で対応可能であることが明らかです。

従来の原発業界において、「平成14年推本の見解」に対して真摯に恐れを抱き、完璧ではなくても最低限の対応を講じるような柔軟な発想ができる体質があってくれたら、今回の津波においても最悪の事態は防止することができたことでしょう。残念なことです。

私が抱いた上記のような想いは、今回の事故調査委員会でも共有していたようです。
『当委員会として、
原子力施設の性格を考えると、再来するかも不確かだが、500 年から1000 年等と再来間隔が長く、規模も大きい可能性のある津波の可能性もあり、これを防潮堤等で対策しようというのは合理的でないが、多くの設備が被害を受けても冷却のための非常用設備だけは守れるような設計にするのが工学的に適した設計ではないか。多重防護の観点からは、例えば普通の構造物に対しては補正係数1.0 でよいが、非常用設備については2 倍や3 倍の高さにする等といった手立てを講じることが適切だったのではないか。
といった設計思想を関係者のヒアリングにおいて投げかけたところ、これに対する各社の受け止め方は以下のとおりであった。(445~446ページ)』
これに対する関係者の回答は、残念ながら納得できるものではありませんでした。

また、平成20年当時に東電の中で津波対策の責任部門を担っていた人たちが、当時の武藤副本部長、吉田部長でした。その人たちが、平成23年3月の津波来襲時に、武藤副社長、吉田発電所長としてまさに現場の責任者として対応することになったのでした。
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11 コメント

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準備された人災 (虹屋、弦巻)
2012-01-03 14:29:51
とても良いまとめですね。
中間報告書404頁の
東電は平成23年3月3日、文部科学省に対し、「貞観三陸沖地震の震源はまだ特定できていないと読めるようにしてほしい。改訂案は貞観三陸沖地震が繰り返し発生しているかのようにも読めるので、表現を工夫してほしい。」などと要請・・
以下の監督官庁・保安院との癒着の様を読んで、準備された人災の思いを強くしました。
返信する
誰の責任か (snaito)
2012-01-04 21:36:16
虹屋、弦巻さん、コメントありがとうございます。
政府検証委員会の中間報告では、まだまだ書きたかった事項がたくさんあるのですが、長くなったので割愛しています。
原子力安全・保安院(保安院)や原子力安全委員会、なかんずく保安院がもっとしっかりしているべきだったという検証結果になっています。

保安院については、地震発生以前における津波予防対策で不覚だったのみならず、津波発生後の対応も厳しく批判されています。

現場において:
現地には保安院の検査員が常駐していました。
津波来襲後、発電所対策本部は免震重要棟のラウンドテーブルに設けられました。玄葉との連絡は固定電話のみであり、現場から電話を受けた発電班が大声で発話することにより、発電所長をはじめとする本部員に情報が共有されました。ですから、ラウンドテーブルに座っているだけで、発電所長と同じ情報が共有できたのです。
それに対して保安院検査官は、別室に陣取って、時折東電社員から報告を受けるのみでした。なぜ本部のラウンドテーブルに座らなかったのか・・・。
3月12日朝には、検査官は免震重要棟からさえも撤退してしまいました。

原災本部の事務局は、保安院長を事務局長として、経済産業省別館3階にある経済産業省緊急時対応センター(ERC)に設置されました。しかしここには情報がほとんど集まりませんでした。
東電の本店と現地免震重要棟の間は常時テレビ電話がつながっていました。従って、現地での発話はテレビ電話を通じて聞けるので、本店でも発電所長と同じ情報を共有できていたのです。
保安院が、このテレビ電話を保安院にも設置しようと思いつくことができれば、保安院も同じ情報を共有できたはずなのです。

中間報告は、以上の点についても追求しています。
返信する
誰の責任か (xls-hashimoto)
2012-01-05 00:31:38
以前にもコメントしましたが、

原子力安全委員会安全審査指針集
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/anzen.htm
1.指針類

に、下記指針があります。

○発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si002.pdf
                 平成2年8月30日
               原子力安全委員会決定
(ページ7/27)
指針27. 電源喪失に対する設計上の考慮
   原子炉施設は、短時間の全交流動力電源喪失に対して、原子炉を安全に停止し、
  かつ、停止後の冷却を確保できる設計であること。
解  説
(ページ22/27)
指針27. 電源喪失に対する設計上の考慮
   長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の
  修復が期待できるので考慮する必要はない。
   非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくこ
  となど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しな
  くてもよい。

 「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、・・・・・・・・考慮する必要はない。」
と書かれているので、非常用交流電源設備の修復が期待できなくなることも考慮されて
いないんです。

 従って、非常用交流電源設備の修復が期待できなくなったときのマニュアルも作って
ないし、 中央操作室にいても「やることがない(やれることがない)」となってし
まった。

「考慮しとけ」と書いておけば、考慮してマニュアルを作っていたと思うんですけど、
甘いですか?
返信する
東電の責任 (snaito)
2012-01-05 22:58:34
xls-hashimotoさん、こんにちは。

「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、・・・・・・・・考慮する必要はない。」
と書かれているのは、まさに考慮する必要が生じることがない、という前提があるからです。
それに対し、10~15m高さの津波が来る可能性が出てきたということは、「考慮する必要がある」という前提に変化したことを意味します。
東京電力という大手企業で、部長や副本部長という要職に就いている人なのですから、「官庁から言われたとおりにやればいい」で済むとはとても思えません。自ら自律的に物事を考えて、破滅的な事象の発生を未然に防ぐ措置を講じることが期待されています。

この先、ご両人が刑事責任を問われるような事態になったら、「指針にも書かれているように、われわれには過失はなかった」と主張することはあるでしょうが、現在はそのような場面ではありません。あくまで、「危険な原発を預かる高級管理職として期待される能力に照らしてどうなのか」という観点で判断すべきと思います。
返信する
誰の責任か(その2) (xls-hashimoto)
2012-01-06 11:51:27
「指針27. 電源喪失に対する設計上の考慮」を中心とした全交流動力電源喪失
に関する検討報告(仮題)(たたき台 案2)
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/anzen_sekkei/anzen_sekkei4/siryo4-1-2.pdf
に記されているワーキンググループの報告は、下記のものと思われます。

原子力発電所における全交流電源喪失事象について
   平成5年6月11日
   原子力施設事故・故障分析評価検討会
   全交流電源喪失事故事象検討ワーキング・グループ
http://www.nsc.go.jp/info/20110713_dis.pdf

5.結論(29/96ページ)

5.1 調査結果のまとめ
5.2 SBOに関する今後の課題(30/96ページ)
①我が国の原子力プラントのSBOに対する安全性を更に向上していくためには、運転員
 が手順書に十分習熟した状態を維持していくことはもちろんのこととして、今後新たな
 知見が得られた場合には、これを適切に設計・運転・保守管理、手順書等に反映してい
 く努力が必要である。
②・・・・・
③・・・・・
と記されているので、①が十分になされていなかったことが問題だということですね。
返信する
原子力施設事故・故障分析評価検討会 (snaito)
2012-01-06 15:49:48
xls-hashimotorさん、こんにちは。

原子力発電所における全交流電源喪失事象について
   原子力施設事故・故障分析評価検討会
   全交流電源喪失事故事象検討ワーキング・グループ
が平成5年ですか。
読んでみると、外国の動向や国内での事故実例のみに着目していることが分かります。「今までだれも着目していないが危険性が無視できない事例~例えば津波」に着目できなかったことが残念です。

その後、平成14年に推本が「1896 年の明治三陸地震と同様の地震は、三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性がある。」と公表し、平成20年に東電がその事実に着目して検討を開始しました。
このとき、原子力安全委員会や原子力安全保安院も同様に着目して、原子力施設事故・故障分析評価検討会に連絡して新たに検討を行えば、ずいぶんと異なった展開になっていたことでしょう。平成20年では遅すぎますか。
推本の公表が平成14年ですから、その直後に原子力安全委員会が気づいていればいいことですね。

原子力安全委員会や原子力安全保安院の責任について中間報告がどのように評価しているか、再度追いかけてみようと思います。
返信する
全交流電源喪失事故事象検討ワーキング・グループ (snaito)
2012-06-04 22:07:42
xls-hashimotoさんが今年1月に上記紹介された『原子力発電所における全交流電源喪失事象について
   平成5年6月11日
   原子力施設事故・故障分析評価検討会
   全交流電源喪失事故事象検討ワーキング・グループ
http://www.nsc.go.jp/info/20110713_dis.pdf
に関連して、以下のニュースが流れましたね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120604-00000098-mai-soci
『内閣府原子力安全委員会の作業部会が92年、福島第1原発事故の要因になった長時間の全交流電源喪失について、国の安全設計審査指針の改定作業で考慮しなくてもよい理由を電力会社側に作文するよう指示し、報告書に反映させていたことが分かった。』

xls-hashimotoさんから教えていただいたさまざまな情報が、意外なところで意外な情報と結びつき、驚いています。
返信する
私は、甘かったんですね・・・・・ (xls-hashimoto)
2012-06-05 00:00:03
まさか、電力会社側が要求して、作文していたとは・・・・・
解説が、あんな文になっている理由がこれでわかりました。

班目委員長は、必死こいてますね!!

これでは、
『巨悪の根源は、東電だ!!』
になってしまいます。

米国産を、フルターンキーでそのままにしたのが東電福島第一!!

地盤を4m高くしたのが東北電女川!!
(津波に対する考え方が違う。)
生き残った1台のポンプで、3日かけて冷温停止に持ち込んだのが原電東海!!
(発電課の腕が違う。原発のしくみを理解してます)

とにかく、私は甘すぎました。
返信する
全交流電源喪失事故事象検討ワーキング・グループ゛関連資料 (xls-hashimoto)
2012-06-05 09:16:33
第25回 原子力安全委員会定例会議 平成24年6月4日(月) 14:00~
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2012/genan025/index.html

議  題
(1)国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会からの「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法第12条第1項に基づく資料提出要求について」に対する原子力安全委員会の対応について(追加)
配付資料
(1-1)国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会からの資料提出要求について (PDF:179 KB)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2012/genan025/siryo1.pdf
(1-2)「委員会法第12条第1項に基づく資料提出要求について」に対する回答(追加)(案) (PDF:78 KB)
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2012/genan025/siryo2.pdf
(1-3)全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループ 関連資料
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/zenkouryu_WG_kanren.htm

1992.11.27 第9回 関連資料
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/zenkouryu_WG_kanren/zenkouryu_WG_kanren009/zenkouryu_WG_kanren009.htm
SBO/WGコメントについて(原子力安全調査室)(PDF:120 KB)
確かに「作文して下さい。」となっています・・・・・が?
誤解を招く表現だけど技術屋どうしは「作文して」と良く言っちゃいますよね・・・・・
「図面を書いて」を「絵を描いて」とか・・・・・
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/zenkouryu_WG_kanren/zenkouryu_WG_kanren009/siryo2.pdf
SBO/WGコメント回答(東京電力)(PDF:831 KB)
「5時間の耐性を有している。」の報告に「これでOK。」とのメモ。
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/zenkouryu_WG_kanren/zenkouryu_WG_kanren009/siryo3.pdf
全交流電源喪失事象検討WG事務局殿御質問に対する回答(関西電力)(PDF:1.9 MB)
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/zenkouryu_WG_kanren/zenkouryu_WG_kanren009/siryo4.pdf
「30分の根拠を本Reportで明確にすることは無理。」とのメモ。赤点ですね。

これらの関連資料が、あの報道になったんですか。

この中の資料を見ると、福島が何故あのようになったのか見えてきます。
返信する
全交流電源喪失対策 (snaito)
2012-06-05 10:21:50
xls-hashimotoさん、コメントありがとうございます。

1992年に原子力安全委員会が東電などに「作文」を求め、それをそのままワーキンググループ資料に援用したことももちろん問題ですが、それよりも、福島に大津波が到来する可能性が明らかになった以降の対応の方がより大きな問題だと思います。

総理府の地震調査研究推進本部(推本)が2000年に、「三陸沖北部から房総沖の海溝寄りのプレート間大地震(津波地震)については、1611年の三陸沖、1677年の房総沖、明治三陸地震と称される1896年の三陸沖のものが知られているが、これら3 回の地震は、同じ場所で繰り返し発生しているとは言い難いため、固有地震としては扱わないこととするとともに、同様の地震は三陸沖北部海溝寄りから房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性がある」と発表したのを受け、「長時間の全交流電源喪失はあり得る」と考え直し、再度検討を開始すべきだったのです。それを怠ったことをこそ問題視すべきと思います。
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