弁理士の日々

特許事務所を共同経営する弁理士が、日常を語ります。

今井千尋さんがアフガニスタンへ

2009-05-23 00:11:38 | 歴史・社会
先日、このブログのNHKプロフェッショナル・瀬谷ルミ子さんで、伊勢崎賢治氏の「武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)」のあとがきを紹介したばかりです。
アメリカ主導によるアフガニスタン戦争が終了した後、アフガニスタンの治安復興プロジェクトの中で、旧軍閥の武装解除については日本が責任を持ち、当初伊勢崎賢治氏がリーダーとなって進め、見事な成功を収めました。伊勢崎氏が書いた上記著作のあとがきで、このプロジェクトで活躍した2名の日本人女性が紹介されています。

「さらに、同大使館(在アフガニスタン日本大使館)DDR班で、僕の片腕となってくれた堀江浩一郎、井上勇一両参事官、そして工藤大介、瀬谷ルミ子両二等書記官の尽力は特筆に値する。瀬谷さんは、シエラレオネで国連スタッフとして僕の下で働いてくれて以来の付き合いであるが、まだ二十台の若さですでに二つのDDRを現場で経験した、これからの日本にとって逸材中の逸材である。
  ・・・
世界初のNGOによる国際軍事監視団は、その後もJMAS(日本地雷処理を支援する会)の園部宏明氏(元陸上自衛隊陸将補)の、静かであるが非常に求心力のあるリーダーシップで運営されている。ここでも、今井千尋さんという一人の若い女性が、国籍も、育った文化も、そしてものの考え方もそれぞれ違う監視団員、それも全員が軍事経験者のつわもの達を一つにまとめる要となって働いている。今井さんは、この任務に就く前、JICA(国際協力機構)のアフガン事務所でDDRのRの部分を担当し、除隊兵士の職業訓練校の開設を実現させた。現在彼女は、公的な権威をもって武装解除の現場を監視する、日本初の女性軍事監視員である。
日本の平和貢献の将来は、女性が担う予感がする。」(2004年10月)

一人は先日のNHKプロフェッショナルで紹介された瀬谷ルミ子さん、そしてもう一人が、今回の主役である今井千尋さんです。
このあとがきを読んで、今井千尋さんがその後どのように活躍されているのか、知りたいと思っていました。

5月21日の朝日新聞夕刊で、以下の記事を見つけました。

「アフガン復興に臨む2人
  日本初の文民要員
アフガニスタンの北大西洋条約機構(NATO)による地域復興チーム(PRT)に日本が送る初の文民要員として、一般公募の女性2人が赴く。栃木県壬生町出身の在日イラン大使館の元職員、石崎妃早子さん(30)=写真右=と、元NGO職員でアフガン復興にも携わった兵庫県宝塚市出身の今井千尋さん(41)=同左。」
「2人は、リトアニア軍が主に駐留する中西部チャグチャランへ行き、現地の人から何が必要か直接聞き、日本の資金援助につなげる役目を負う。」

アフガニスタンでの武装解除の任務を完了した後、今井さんは、内閣府の国際平和協力本部事務局研究員(元研究員紹介)、東京外国語大学 大学院地域文化研究科において平和構築・紛争予防分野の事業を歴任されていたようです。
国際平和協力本部事務局での研究テーマは「地方復興チーム(PRT)の派遣と支援に関する教訓と課題」とあります。
また、アフガン情報2007年1月記事の2月16日に今井さんの発言が掲載されています。
「アフガンの武装解除にかかわり、PRTに関する現地調査をした東京外大の今井千尋研究員の話  首相の演説を聞いたPRT参加国の関係者が「日本はいつPRTに参加するのか」と問い合わせてくるなど、アフガン情勢に苦しむNATPO諸国の期待は高まっている。しかし、住民のPRTに対する評価は思ったより低く、現地のNGOからは「銃を持って軍服を着て住民との信頼醸成ができるのか」との疑問も出ている。なぜ、日本がいまPRTに関与する必要があるのか精査すべきだ。」

今回、どのようないきさつでアフガニスタンのPRTに文民要員として参加することになったのでしょうか。
そもそも、日本はアフガニスタンのPRTにどのように参加しようとしているのでしょうか。3月2日のニュースが見つかりました。日本政府が外務省職員として派遣する隊員数名のうちの2人が、石崎妃早子さんと今井千尋さんだったのですね。

あくまで文民派遣で終わるのか、それとも自衛隊を派遣しようとする前哨なのか、その点はわかりません。
また、女性を派遣するという方針も、どのような意図でなされたのか、知りたいところです。
朝日新聞の上記記事は「『軍と行動をともにする人道支援には批判もある。だけど、批判で止まったら実態がわからない』と今井さん。自分の目で見た現実を日本に伝えたいと思っている。」と記しています。

少なくとも今井さんは、伊勢崎賢治氏が太鼓判を押す実力の持ち主のようですから、ぜひ活躍してほしいと祈念しています。
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