弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

四面道と四面燈

2016-09-04 14:10:28 | 杉並世田谷散歩
荻窪駅の北西に青梅街道と環八の交差点があります。「四面道」と呼ばれています(下の写真)。
  

この「四面道」の由来について、どうも3つの説があるようです。例えばこちらこちら

(1)江戸時代、ここは青梅街道と地元農道の交差点でした。そして、天沼・下井草・上荻窪・下荻窪の4ケ村が接する地点でもあり、それが「四面道」の語源である、という説です。
(2)この場所には、秋葉神社という神社が祀られていました。そして周囲の4ケ村に向けて、四方を照らす高さ1間あまりの常夜燈があり、これが「四面燈(しめんとう)」と呼ばれていた、とされます。
(3)荻寺光明院のお堂が四方に面していたから四面堂になったという説です。

上記(2)説の常夜燈と秋葉神社は、昭和44年の道路拡張のため荻窪八幡神社境内に移された、ということです。そこで、荻窪八幡神社に「四面燈」を探しに行くことにしました。
荻窪八幡神社は、青梅街道沿い、荻窪警察署の対面に位置しています。私の職場は荻窪駅の近くにあり、職場の昼休みに荻窪八幡神社を訪問しようとしたら、徒歩では無理です。まずは、往復タクシーで訪問することにしました。過日、参拝したのですが、残念ながら「四面燈」らしきものを見つけることができませんでした。帰ってからネットを確認したところ、その四面燈は小さなもので、私が見落としていたことがわかりました。さらに、帰るために空車のタクシーを待っていたところ、路線バスがけっこう頻繁に走っていることがわかりました。
そこで次の機会、昼休みに路線バスを利用して再度訪問することにしました。
《荻窪八幡神社》
 
青梅街道沿いの鳥居(上写真)から入り、突き当たりを右に曲がると本堂(下写真)です。立派な神社でした。
《本堂》
 
さて、目的の四面塔です。上の写真の鳥居から入り、突き当たりを左に曲がったすぐ左側に、小さな神社が祀ってあり、そのさらに左にもっと小さな神社が祀ってあります。それが秋葉神社です。そして、秋葉神社のすぐ左に、その四面燈はありました。
《秋葉神社と四面燈》
 
《四面燈》
 
秋葉神社の由来                      四面塔の裏側
  
秋葉神社のすぐ右に小さな石碑があります(左上写真)。
「当秋葉神社は数百年の永きに沍って四面道に鎮座していたが今般の環状八号線拡張の為已むなく当八幡神社境内に遷座奉安したものである」昭和四十四年三月吉日
四面燈の裏面には、
「嘉永七年甲寅吉祥」とあります。1857年、明治維新の直前ですね。

「四面燈」、交差点で四方を照らしていたということから、さぞや立派な常夜灯かと想像していました。荻窪八幡宮の境内にある下写真の灯籠(四面塔ではない)のようなものを想像していたのですが、想像との落差にびっくりしてしまった次第です。
  

ところで、「四面道」由来説(3)についてです。
荻寺光明院は荻窪駅のすぐ西にあり、私も訪問し、この3月に記事にしています
その荻寺に掲示された説明書には、
『今も寺の周辺に残る「四面道」「堂前」の地名も、当寺の御堂に起源をもつといわれています。』
とあります。即ち、当の荻寺は、当然ながら(3)説を支持していると言うことですね。
コメント (2)
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