トムラウシで悲惨な事故が起きた直後に夏山へ入ってしまった故に、この事故については今頃になってボチボチと情報を漁っている段階です。
というわけで今回は、北アルプス北部におけるアミューズトラベルの評判を中心に語ってみます。
この夏、地元ガイド諸氏とこの件について話をしたものですが、やはりツアーを主催したアミューズトラベルへの批判が多かったですね。私自身、これはガイドが問題というより、会社が問題だと思っています。
ある知人は、アミューズのことを「最後の砦」と呼んでいました。なんでか、というと、普通のツアー会社なら断るようなお客さんでも、脚力や経験が必要なコースに連れて行ってくれるらしい、からです。
私がパトロール中に見た限りでもバラバラになって歩いているのをよく見かけましたから、おそらくまともな選別をしていないでしょう。ひとりぐらいバテバテになるのはありがちですが、アミューズのツアーだといつもバラバラって感じです。
普通のガイドなら一番遅いお客さんを自分の後ろにつけてゆっくり歩くのでまとまった列になるもので、バラバラになっているのはガイドがそういった基本的な配慮を知らないってことです。
アミューズは北アルプス北部だと地元ガイドをあまり使いません。南部もおそらくそうでしょう。あるガイドさんによると、昔は地元ガイドを使っていたそうなんですけど、そのうちにガイド料を値切るようになり、誰も仕事を請けることが無くなったのだとか。
ですから、アミューズのツアーを請けているガイドって、まっとうな報酬をもらっているのかなあ、と、ツアーを見かけるたびに思います。同じ額の報酬なら、地元のガイドを雇ったほうが何かと好都合ですから。
ツアーのガイドって、ガイド業をなりわいにしている人に主催会社が依頼する、ってことになるわけで、これは当たり前の話なのですが、会社によっては適当な山の経験者をスカウトしてきてガイドに仕立てるケースもあります。その場合、ノウハウを知らないままガイドになってしまうわけですね。白馬村や大町の案内人組合、あるいはガイド団体に所属しているガイドには横のつながりがあって、自然とノウハウを覚えるものですが、ツアー会社がスカウトしてきた人の場合、そういうものが無かったりします。
実際そういうガイドさんの中には、ツアー登山の基本すら知らないような人がいるわけで、ペースを考えずにどんどん先に行ってしまう人とか、客に対して「遅い」と叱る人とかいますよ。
アミューズの場合はよくわかりませんけど、添乗員がそのままガイドになっているケースがあって、普通に北アルプスのコースを引率しているというのは、この夏とあるガイド氏から聞いています。
そんなわけで、アミューズトラベルは、少なくとも北アルプス北部においてあまりいい評判は聞かないですな。つまらない事故というか騒ぎを起こしたという話をよく聞きますから、それだけレベルの低いガイドが多いのでは、と思いますし、そういうガイドを抱えている会社の体制に疑問を感じますね。
その後にその客が遭難死したということが書いてありましたが、
そのようなツアー会社に過失がありそうな事例で数人も過去に死亡させている会社でも
営業し続けれるものなのでしょうか?
大喰岳の件は初耳なもんでどこの会社かはわかりませんが、バテた客を放置するツアーの存在は聞いています。
近日中にそれについて書くつもりです。
営業自体はまあ、よほどのことがない限り続けられるでしょうね。