徳間書店 2017年5月17日
★5
2017年6月6日
これはもう、文句なく楽しめる。
2人の“アキラ(あきら)”の幼少期から壮年期までの長い歴史がドラマチックに綴られる。
ページ数はかなりあるが、最初に引き込まれ、そのまま一気に最後までいける。
“アキラ(あきら)”の動向に引きつけられる。
1人の“アキラ(あきら)”の物語でも十分に面白いのに、それが2倍だからどのページもワクワクする。
彬と瑛、2人とも社長の息子だが、片や海運会社経営者一族の御曹司、片や町工場の息子。
父親の工場がつぶれた瑛は当然苦労して育つが、お金には不自由しない彬にも苦難が。
環境は違うけれど、どちらもとびきり優秀で、そして温かい人間味に溢れている。
青年になった2人の出会い。
大手銀行と企業が舞台になり、2人が敵対するのか!?と思っていたら、そんな単純じゃなかった。
“敵”は“時代”と言ったらいいかな、バブルからその後の不景気。
企業を救うことは人を救うこと。
2人の“アキラ”、その仲間たちは自分の育った環境から学んだ力で企業を、人を、救う為に奔走する。
戦隊ヒーローのようだ。
と、書いたらチープな物語のように思われるかもしれないが、あの“半沢直樹”の池井戸さんの作品だよ。
ハラハラドキドキして、最後には爽快感がやってくる。
半沢直樹のような勧善懲悪物語ではないが、正しい人の正しい考えが貫かれて気持ちがいい物語だった。
現実ではこうは上手くいかないだろうというのは分かっているので、フィクションだからこその気持ち良い結末が嬉しかった。
ドラマになるそうだが、ドラマも良いドラマであって欲しい。
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